サブヒロインの県犬養広刀自ってどんな人?
天平のファンタジアのサブヒロイン、ヒロミのモデルは、県犬養広刀自です。「刀自」とは、女性に対する尊称といわれています。「県犬養」というのは姓です。こうした余分なものを省いていくと、県犬養広刀自の名は「広」となります。そこで名前は「ヒロミ」としました。
聖武天皇と光明皇后が同い年で、続日本紀によれば聖武天皇の母親は藤原不比等の娘で、光明皇后の父親も藤原不比等だったということです。そうだとすれば、この2人が幼馴染だった可能性は高いとみます。光明皇后の母親は県犬養三千代で、県犬養広刀自の父親は県犬養唐と言われています。県犬養唐と県犬養三千代の関係はよく分かりませんが、近い親戚筋だったと見て良いでしょう。そうだとすると、県犬養広刀自もその幼馴染グループの一員だった可能性が高いとみます。
オビト、アスカ、ヒロミが幼馴染であるという設定は、こういう背景を元にしています。
県犬養広刀自は、聖武天皇との間で、安積親王、井上内親王、不破内親王の1男2女をもうけています。このうち、安積親王は17歳で死去|(藤原仲麻呂に毒殺されたとする説あり)、井上内親王は光仁天皇に嫁ぎますが光仁天皇の姉を呪詛したと言われて処分されています|(暗殺説があります)。不破内親王も息子が謀反を起こしたということで配流されています。子どもたちは、いずれも全うな死に方をしてなく、幸薄いヒロインだったかもしれません。