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懐風藻というディープな漢詩集について

 昨日は万葉集について勉強したいと述べました。今回は、これと似た文献として、懐風藻の紹介をしたいと思います。

 懐風藻は、西暦751年に成立した日本最初の漢詩集とされています。集められているのは漢詩ですが、集めた詩文を詠んだのは日本人です。著者は、淡海(おうみ)三船(みふね)とか、石上(いそのかみ)宅嗣(やかつぐ)などと言われていますが、定説はなさそうです。

 なぜここで自分が懐風藻を取り上げたかと言うと、自分が思うにこれが極めてディープな編纂になっているからです。どのあたりがディープかと言えば、最初に紹介されているのが大友皇子だからです。大友皇子というのは、壬申の乱で天武天皇と争い敗れた側のリーダーです。その後の朝廷の側から見れば、逆賊でしょう。そのような人物の作品を漢詩集の冒頭で紹介するあたりが、やっちまった(、、、、、、)感ハンパないです。

 その次に紹介しているのが、河島皇子(1首)と大津皇子(4首)の作品です。この2人については、大津皇子から先に説明をさせてください。大津皇子というのは、天武天皇崩御直後に謀反を企てたとして死罪とされた皇子です。その謀反を密告したというのが河島皇子とされています。

 懐風藻に掲載された4人目は釈智蔵(2首)という僧侶で、その評伝を読む限りかなりの変人であるものと推察されますが、それは良いとして、5人目が葛野王という大友皇子の長男です。葛野王は、後に天皇の後継を選ぶ会議に出席しているので、「謀反人の子」とまでは言えないでしょうが、ここまでディープな人物たちの作品を懐風藻の冒頭で紹介しているあたり、「編者は何を考えているのだ」とのツッコミを入れたくなります。

 このあたりも、すでに先行研究があるでしょう。読み易い入門書などがあれば教えてください。なお、懐風藻は、講談社学術文庫で現代語訳が読めます。

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