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コウセイ皇子の愛馬の名前について
コウセイ皇子の愛馬の名前は「ヒュウガ号」です。その名前の由来はなんでしょうか?
まず、コウセイ皇子のモデルが高円広成であることは、すでに説明しているところです。この高円広成の母親は石川刀子娘であり、石川氏の元は蘇我氏です。
蘇我氏については、推古時代に、このような歌が残っています。
真蘇我よ、蘇我の子等は、馬ならば日向の駒、太刀ならば、呉の真鋤、うべしかも、蘇我の子等を、大王の、使はすらしき
「馬ならば日向の駒」
はい、日向の駒ですね。
それにしても
これは、推古天皇が蘇我馬子に対して歌ったものとされています。
少し気になるのは、ここで「蘇我の子等は」と言っているところです。つまり、「日向の駒」なり「呉の真鋤」と喩えられているのは、「真蘇我」ではなく、蘇我氏の子孫ということになります。また、「子等」とあるので、蘇我の子孫は何人かいるはずです。そうだとすると、ここで「真蘇我」とか「蘇我の子等」と言われているのは誰のことなのでしょう? 相手は蘇我馬子と言われていますが、果たしてそのような解釈で良いのかどうか。




