ストンリベル家とは石川氏=蘇我氏のことです
天平のファンタジア・プレリュード02で登場させたコウセイ皇子とヒロヨ皇女は、ストンリベル家で養育されています。
ストンリベルというのは、石=Stone、川=Riverで、石川氏のことですね。モデルとなった高円広成と高円広世(2人は同一人物というのが多数説のように感じます)の母親は、石川朝臣刀子の娘といわれています。それでストンリベルとなるのです。
さて、この石川というのは、もともとは蘇我氏です。乙巳の変(645年)で中大兄皇子に斬られた蘇我入鹿の蘇我氏ですね。蘇我氏は、その乙巳の変で滅亡したと誤解している人が多いように思いますが、実は違います。乙巳の変で滅んだのは蘇我本宗家であって、分家は残りました。
ここから先は、自分が奇妙と思うことです。我々は、蘇我氏というと、天皇家をないがしろにしていた極悪氏族のように考えがちですが、その後の天皇家は、なぜか乙巳の変以後も蘇我氏の血を積極的に求めていったように思うのです。
中大兄皇子は後に天智天皇となり、皇后は蘇我氏と舒明天皇の娘であり、このほか4人の蘇我氏の娘を娶っています。そしてその蘇我氏との間にできた娘には、持統天皇と元明天皇がいます。
この持統天皇と元明天皇を蘇我氏系と見るならば、元明天皇の息子の文武天皇と娘の元正天皇も蘇我氏系となります。
こうしてみると、文武天皇と石川朝臣刀子(蘇我氏系)の娘との間に生まれた高円広成ないし高円広世は、藤原宮子との間に生まれた首皇子よりも、はるかに皇位に近い地位にいたのではないかと想像したくなるのです。
作中で、ヒロヨ皇女が何かとオビト皇子に対抗意識を持つのは、このようなことを意識しています。
ちなみに、高円広世はもとは男子で、作中では女子にTSしています。理由は、その方が面白そうだから。天平のファンタジアは、あくまでもファンタジーですので、この程度の改変はお許しください。




