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雄略天皇について
日本霊異記の最初の話が、雄略天皇の時代の話であることはすでに説明しました。
雄略天皇は、古事記・日本書紀では第21代天皇とされ、名は大泊瀬幼武天皇です。
古代天皇の実在性については疑問視されることが多いですが、雄略天皇については、埼玉県の稲荷山古墳で出土した鉄剣に「辛亥」という年とともに「獲加多支鹵大王」と記された金象嵌銘があり、これが雄略天皇の名であるワカタケルと読めることから、実在したことはほぼ間違いないとみられています。
中国の文献で(劉)宋に入貢した倭王の「武」が雄略天皇とみられています。ここも、あまり異論は見られません。




