レンタイ国の課題
この物語はフィクションです。
「お兄ちゃん、レンタイ国の課題って分かる。」
「シアプ、何言っているんだ。レンタイ国は国力1位。順調だから課題なんかあるのかい。」
「もちろんあるわよ。国力1位の原動力は、大量の高位魔力者がいる事よ。
最高戦力の女(魔力が60M代)と最高戦力の男(魔力が70M代)が、それぞれ3,100人もいる。
緑龍災の前はそれぞれ100人だったから、激増よね。
しかも、尻女神教徒なのだから万能Eがある。
4,200Mの大量の万能Eを生産して、低魔力のペアを使って運用で大きな力を出す。
これが出来るからレンタイ国は国力が1位になって、なんでも生産品・なんでも貿易・その上で大量の国外援助も可能よ。」
「その状態なら順風満帆じゃないか。課題が分からないよ。」
「課題はあるわ。まず発展している場所と、他の地域の格差が凄いの。
発展しているのは首都レンタイがある中央地区。
ヴィザンがある西南地区。ハヤ教会と木虎様の北地区の3カ所になるの。
他の6地区は正直大きく取り残されて、格差が凄いの。」
「それはしょうがない事じゃないのかい。」
「ヴィザンも木虎様も、首都レンタイに全面協力しているから、レンタイ国としては良いのだけど。
他の6地区は低魔力の人が多くて、レンタイ国全体として課題がある。
出来たら他の6地区も、発展の起爆剤を作って底上げしたい。
そうしないと特定地区ばかり流行って、他が弱い国は国難の際に以外と脆い。
そこでレンタイ政府は私達に目を付けたの。」
「うん、なんで急に国の課題から僕達が出てくるの。」
シアプのその後の話では僕が思う以上に、今の僕達は注目されているとの事。
去年の6月24日前の時点では、僕は魔力が2M。シアプは魔力が5M。
2人共どこにでもいる低魔力の同父母兄弟に過ぎなかった。
それが1年足らずの今では、父親は魔力が70M後半のレベル3。その上で掘り搾りも中田氏にも積極的。
僕は魔力50M後半。レンタイ国内戦のベスト4により、「予選会」にも出場決定。
ヴィザン小勲章1つ、他にレンタイ2分の1極小勲章も3つ所有。
高魔力の信者を大量に獲得して、所属している不明の館にもレンタイ国にも貢献が大きい。
知恵袋のシアプもガルベスを支え、この快進撃に大きな役割を果たしている。
だからね。レンタイ国としては私達を成功例として。
計画では5,000組程に国から援助をして、二匹目のドジョウを狙っていると。
5,000組の内にいくつかでも「当たり」があれば良し。
もしも全部失敗しても若いもんに経験を積ませれば、それはレンタイ国の財産とも考えられる。
その為には尻三国全体に知らしめる為に、私達に密着してドキュメンタリーを撮影する。
そしてそれを尻三国放送で5分✕全6回で流す。
そうして影響されて応募を募って、5,000組を確保する予定。
「・・・なんと言うか、本当にそんな事するの。」
「既に突撃王様がゴーサインを出したわ。
明日から密着の撮影班が来るから宜しくね。
勝手な事言って申し訳ないけど、いつもどうり何とかするしかないわね。」