幸せの時間
この物語はフィクションです。
マナさんはとても優しい。一緒に生活をしてみて本当に嬉しい。
西地区の変態経済特区の仕事は大変だ。
命のシチューと命のパンを食べると、料理の評価が外2級で不味いと言っていた自分が恥ずかしくなる。
下には下の評価がある。苦しみがある。
もはや命のシチュー・命のパンを食べるのは苦行になっている。
その辛さをマナさんが優しく癒してくれる。
今も向かい合って抱き合っているが、マナさんから僕に抱き着いてくれている。
温かい。柔らかい。良い匂いがする。ずっと嗅いでいたい。
「お兄ちゃん、お楽しみの所悪いんだけども。教会長様が呼んでいるわ。一緒にお部屋まで来て欲しいんですって。」
楽しい時間は直ぐに終わる。マナさんに感謝を言って、僕達はお部屋に向かった。
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「レンタイ国のヴィザン領・領主である女衒様が、非公式で突撃王様に面会。
央海国の西地区・変態経済特区のロストさん達を、ヴィザン領で受け入れたいと希望。」
「はあっ・・・」
「えっ・・・」
私達が二人揃って間抜けな声をあげたのち、教会長様はゆっくり首を振った。
「突然何を言われたか分からないのも無理はありません。私も10分前に不明大司教様から連絡を受けました。」
「あのうー、なんでヴィザンの女衒様が、ロストさん達を引き取るなんて事を、突撃王様に言ったんですか。」
「今の時点の推測になってしまいますが・・・かくかくしかじか。」
ヴィザン領にはいる。聖母様がいる。
博愛精神で体が出来ている等と言われている、あの聖母様だ。
私は見落としていた。
不明大司教様の他にも、何処までも突っ走れる止まらない女がいる事を。
なんと聖母様はロストさん達を、尻女神教徒以外の枠でヴィザンに受け入れようとしていると。
領主の女衒様は反対。家臣団も総反対。領民もほぼ総反対。
そんな状況でも聖母様は次男の尻狂様の支持を取り付け、スーパーハードに実弟である女衒様に受け入れを求めた。
領主の女衒様も必死の抵抗をしたが、最終的に実姉である聖母様に敵わず。
ロストさん達総勢25,000人の受け入れ態勢を整えてから、突撃王様に非公式に面会したと。
「なっ・・・、何なんですか。それって、私達が今までやって来た事はどうなるんですか。」
「シアプさん、おっしゃる事はよく分かります。お二人がこの問題に如何に頑張っていたか、不明大司教様も私もよく分かっています。」
「シアプ。多分、多分だけど、レンタイ国と央海国。国が動くって事は僕達の活動は誰かに引き継がれる事になるんじゃないかな。」
「ええ、ガルベス君の言う通りになる可能性が高いですね。」
頭を後ろから殴られた様な衝撃を受けた。
「教会長様、私達は西地区の変態経済特区で、1人も尻女神教徒を獲得していません。それなのに・・・こんな横から入って来て終わりだなんて。」
「シアプさん、今回は相手が悪いです。ヴィザン領に対しては不明大司教様でも何も言えません。」
教会長様は改めて、2人の働きは不明大司教様も分かっている事。
北地区の変態経済特区からの私の紹介状で、尻女神教徒は更に増え続けている事。だから2人の評価は高いままだからと言ってくれた。
言ってる事は分かる。その通りなのだろう。
しかし、腹の中での納得は出来ない。
今夜は眠れないかも知れない。




