一人の女
初投稿です!至らない点、延び代な点ありましたら生暖かく見守ってコッソリ御指摘してくださいませ_(._.)_
私立ダンスカー戦術学園
そこは、魔法・武術を扱う世界最高学府である。
歴史に名を残す偉人の8割がこの学園の出自であり、他校とは一線を画す校風でも知られる。
そんな学園で一人の女がため息をつく。
「はぁ。つまらない。最高学府と聞いて期待したが、望み薄かな」
来月に控えた入学の最終手続きを済ませ、新入生として浮き足立つ者が多いなか、望み薄と切り捨てる少女の目は、確かに他の次期新入生とは違っていた。最高学府でもこの程度かと。
「セ~アさん!お疲れ様♪来月から一緒のクラスになるかもしれない、レイコよ。ヨロシクね♪」
突如、レイコと名乗る女の子が明るく挨拶をよこす。
「ん、あぁ。よろしく」
少し憂鬱気味のところへ声をかけられ、少し戸惑いながらも声を返す。
「なぜ、私の名前を?」
しかし初対面のはずなのになぜ自分の名前を知っているのか。
セアと呼ばれた女は疑問に思い、聞いてみる。
「なぜって...貴女、有名人じゃない♪天才を超える神才!どんな術も瞬く間に覚えちゃう!て」
確かにセアは、魔法、武術問わず、人知を超える才能を秘めていた。教えられてその場で扱えた魔法もあれば、その場でなくとも、常人の10倍早く習得してみせるほどの才覚を持っていた。
人は彼女を、畏怖と尊敬の意を込め神才と呼んでいたが、そんなこと、彼女の預かり知らぬことであった。
「別に神才なんてものじゃないわ。ただ、他の人より運が良くて、少し覚えが早いだけよ。それに...」
セアは一呼吸おく。
「なまじ早く色んなことを習得できても、つまらないだけよ」
入学手続きを終えて最初の一言を憂い顔でもう一度言い、はっと、嫌味になってしまったかとレイコの顔を伺う。
が、特に気にした様子もないまま、笑顔でレイコは返す。
「はは♪年頃の神才殿は言うことが違うね♪」
「神才はやめてもらって良い?さっきみたいにセアで良いわ」
誉められて悪い気はしないが、だからといって神才は誉めすぎだと思う。と、セアの心持ちを察したのかレイコは頷いた。
「リョーカイ!じゃあワタシのこともレイコで良いわ。お互い呼び捨てで仲良くしましょ♪」
やはりレイコは笑顔で返し、手を差し出した。
差し出された手に自分の手を添えて握手をし、レイコは別れの挨拶をそこそこに走り去っていった。
終始笑顔で会話をしていた嵐のようなレイコを見て、セアは一種の羨望を抱いていた。
「あんな風に笑えたら、きっと楽しいのだろうな」
一抹の憂いを含みながらも、セアは続ける。
「ま、あんな子がいるのだ。少なくとも悪い学園生活では無くなるだろう」
「来週は入学クラスを区分けする為のペーパーテストと実技試験があるし、少し勉強でもするかな」
少し離れた場所から聞こえた小さな爆発音を、我関せずと帰路につくセアであった




