第二章 嘘つきたちのカラーパレット
あの奇妙なゲリラ豪雨の午後から、ちょうど一週間が経とうとしていた。
俺の世界は、相変わらず無機質な灰色の濃淡だけで構成されていた。大学の講義、設計課題の締め切り、深夜のコンビニバイト。日常のルーティンを淡々とこなす駆の脳裏には、あの旧図書室で交わした凪利美鈴との「嘘つきゲーム」の記憶が、網膜に焼き付いた残像のように、しつこく残り続けていた。
『また、雨が降ったら、この場所で』
彼女は確かにそう言った。だが、皮肉なことに、ここ数日の街は嫌味なほどに抜けるような高気圧に覆われていた。駆の目には、その空はただの「眩しすぎる白」か、あるいは階調の潰れた無機質なライトグレーにしか見えなかったが、周囲の学生たちは「最高の五月晴れだ」「どこかへドライブにでも行きたい」と口々に歓声を上げていた。
晴天は、色彩を完全に失った駆にとっては、太陽の光が強すぎて街全体の輪郭が白飛びしてしまう、最も歩きにくい、そして最も孤独を感じる季節だった。皆が美しいと称賛する世界が、自分にとってはただ眩しいだけの暴力的な明度差として襲いかかってくるからだ。
「おい水瀬、ちょっと付き合えよ」
木曜日の昼下がり、大学の製図室で大型の製図板に向かい、コンペ用の図面を引いていた駆の背中を、再び同じゼミの佐藤が容赦なく叩いた。
「なんだよ、今コンペの図面の調整中で忙しいんだけど。トレースの線がズレたらどうするんだ」
「いいからいいから、息抜きも必要だろ。芸術学部の奴らが、学内のマルチギャラリーで合同の写真展やってるんだよ。そこに可愛い子がプロデュースしてるブースがあってさ、大がかりな木製パネルの移動があるらしくて、男手が必要なんだって。サークル仲間にサクラ兼雑用として呼び出されたんだ。ほら、お前も『光と影の魔術師』なんだから、写真展くらい興味あるだろ? 行くぞ」
拒否する間もなく、駆は佐藤に腕を引かれてキャンパスを横断することになった。
新緑が目に鮮やかであるはずの並木道を通り抜け、コンクリート打ちっぱなしの近代的な芸術学部棟へと足を踏み入れる。ギャラリーの入り口には、段ボールにアクリル絵の具で描かれたような、手作りの看板が掲げられていた。
『視線のパレット ―― 写真学科有志展』
室内には、学生たちがそれぞれの感性で切り取った、様々な世界の断片が展示されていた。もちろん、駆にとってはそれらすべてが、濃淡の異なる「モノクロ写真」にしか見えない。色彩の対比やグラデーションによる構図の妙が全く理解できない駆は、ただ写真の明暗比と被写体の配置、エッジの鋭さだけを無感動に眺めながら、佐藤の背中を追っていた。
「おい、ここだよ。美鈴ちゃん、男手連れてきたぞ!」
佐藤が声を張り上げた瞬間、駆の心臓が不意に、トクンと嫌な音を立てて跳ねた。
展示室の最奥、スポットライトに照らされた一角から、一人の少女がゆっくりと振り返った。
凪利美鈴だった。
今日の彼女は、初夏の風に揺れる、少し透き通った素材の白いブラウスに、駆の目には重みのある深い灰色に見えるミモレ丈のスカートを穿いていた。髪は緩く後ろでまとめられており、首元には、あの出会いの日と同じ、金属部分が鈍く光る無骨なフィルムカメラが、確かに「琥珀色」――駆にとっては中彩度の明るい灰色――のストラップに支えられて揺れている。
「あ……」
美鈴は駆の姿を認めると、丸い瞳をさらに丸くして、驚きに小さな唇を開いた。しかし、次の瞬間には、あのひまわりが太陽に向かって咲くような、一切の陰りのない笑顔を浮かべ、トントンと小気味よい靴音を響かせて駆の方へと駆け寄ってきた。
「水瀬くん! 本当に、また会えたね。雨の日じゃなくても、会えるなんて思わなかった」
「凪利さん……。君がこの写真展を企画したの?」
「うん、写真学科の有志の四人で、スペースを借りて企画したの。……ねえ、佐藤先輩。水瀬くんをちょっとだけ、借りてもいいですか? ちょうど、私の展示の解説員が足りなくて、空間のデザインに詳しい人の意見を聞きながら、他のお客さんに説明したかったんです」
「おう、喜んで! 水瀬、お前ラッキーだな。可愛い女の子の解説員なんて最高だろ。俺はあっちのパネルの撤去手伝ってくるから、粗相すんなよ」
佐藤はニヤニヤしながら、駆の背中をポンと押して、他のブースへと消えていった。
残された二人の間に、ギャラリーのざわめきを遠くに追いやるような、静かな空気が流れる。美鈴は嬉しそうにカメラに触れながら、駆を自分の展示スペースへと誘った。
「見て、水瀬くん。これが私の、今回の個人テーマ。『雨のパレット』っていうの」
彼女が誇らしげに両手を広げて見せた壁面には、十数枚の正方形の写真が、等間隔に整然と並べられていた。
すべて、雨の日に撮影された街の情景だった。水たまりに写り込む街灯の光、傘を差して急ぎ足で行き交う人々の群れ、濡れて黒光りするアスファルト、紫陽花の葉から滴り落ちる水滴。駆の目には、それらはすべて、自分が日々見ているモノクロームの濃淡でしかない。だが、不思議と、どの写真も光の捉え方が尋常ではないほどに繊細で、影のなかに吸い込まれるような圧倒的な深みがあった。
「……すごいな。本当に、光の配置が完璧だ。色が、その、分からなくても、ここにどんな湿った空気が流れているか、肌で感じるみたいに伝ってくる」
駆が本心から漏らした言葉に、美鈴は一瞬、はにかむように俯いた。
「ありがとう。……でもね、水瀬くん。この写真たち、本当はすごく『カラフル』なんだよ。例えば、この、夜の横断歩道にできた水たまりの写真。ここにはね、街のネオンの『鮮烈なピンク』と、車のライトの『深いエメラルドグリーン』が、まるでパレットの上で絵の具が溶け合うように、綺麗に混ざり合っているの。ねえ、水瀬くんの目には、何色に見える?」
美鈴が、試すような、しかしどこか祈るような潤んだ瞳で、駆の顔をじっと覗き込んできた。
一週間前のあの古い図書室で始まった「嘘つきゲーム」の第二ラウンドが、五月の晴天に包まれた、明るいギャラリーの中で、突然に再開されたのだ。
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駆は、壁に掛けられた「水たまりの写真」を穴が開くほどに凝視した。
俺の目に見えている現実は、中央部分が白く色抜けしたような高輝度のグレーで、その周囲を油膜のようなドロリとした暗灰色が取り囲んでいる、ただのモノトーンの図像だ。ピンクも、エメラルドグリーンも、彼の網膜には最初から一ミクロンも存在しない。
だが、ここで「俺には白黒にしか見えない」と言えば、すべてが終わる。彼女が自分に向けてくれている、あの特別な、救うような眼差しが、一瞬にして憐れみと拒絶に変わってしまうかもしれない。その恐怖が、駆の背中を強く突き動かした。彼は、これまで二十二年間、周囲を騙し続けてきた「視覚の嘘」のテクニックをフル回転させた。
「……そうだね」
駆は、あたかもその色彩が脳内に鮮明に見えているかのように、一切の淀みがない滑らかな声で、嘘を吐き出した。
「真ん中の光の反射は、ただのピンクっていうより、少し紫がかった、夜の妖艶なピンクだろ? で、その影になっている左側の部分は、深いエメラルドグリーンというより、少し青みの強い、南国の海の底のような色だ。……すごく、綺麗に調和してるね。光のバランスが最高だ」
それは、駆がこれまでの人生で必死に培ってきた、光の波長と輝度、被写体の状況から正解の色を導き出す「色彩の推測」による、完璧な知ったかぶりの嘘だった。夜の街のネオンであれば、赤やピンク、緑が定番だ。輝度の高さからして、その組み合わせは間違いないはずだった。
美鈴は、駆の言葉をじっと静かに聞いていた。彼女の表情から、一瞬だけすべての感情の生気が抜けたような、奇妙で不気味な空白の時間が流れた。彼女の瞳が、わずかに細くなる。
「……うん。大正解」
美鈴は、いつものように微笑んだ。だが、その微笑みは、どこか薄いガラスの仮面を顔に張り付けたような、不自然な硬さを孕んでいた。
「水瀬くんは、本当に色に対して繊細で、敏感んだね。私の写真の、一番見てもらいたかったお気に入りの部分を、一発で言い当ててくれちゃうんだから」
「これでも建築を学んでるからな。色彩設計の講義も受けてるし、空間における色彩の調和には、人一倍うるさいんだよ」
嘘に嘘を重ねていく。自分の胸の奥にある心臓が、罪悪感とバレるかもしれない恐怖によって、不規則で嫌なテンポでドクドクと脈打つのを感じながら、駆はさらに言葉を続けた。ここで立ち止まれば、嘘の綻びが露呈してしまう。
「君の着ているそのスカートも、落ち着いた、少し深みのある『モスグリーン』だろ? 初夏のこの眩しい季節にぴったりだ。白いブラウスの清潔感と、そのシックな緑が、お互いを引き立て合っててすごくよく映えてるよ」
実際の彼女のスカートの色を、駆は全く知らない。俺の目には、それはただの「暗いグレー」にしか見えなかった。ただ、初夏の芸術学部の女子学生が好みそうな、オーガニックで洗練された色合いを、頭の中のカラーチャートから適当にピックアップして口にしただけだった。
美鈴は、自分のスカートの裾を指先で少しだけつまみ、ひらひらと小さく揺らした。
「モスグリーン、か。……うん、そうだよ。大正解。やっぱり、水瀬くんの目には、何でもお見通しなんだね。私、水瀬くんには全然敵わないや」
美鈴はそう言って、いつものようにクスクスと笑ったが、その直後、不自然なほど急に、自分の左胸のあたりをぎゅっと右手で強く押さえた。彼女の細い指先が、白いブラウスの生地を痛々しいほどにくしゃりと丸める。
「……凪利さん? どうしたの、顔色が悪いけど。どこか痛むのか?」
駆は、彼女の顔が一瞬にして土気色のような、暗い灰色に変わったのを見逃さず、思わず一歩踏み出した。
「あ、ううん! なんでもないの、本当に大丈夫!」
美鈴は慌てて胸から手を下ろすと、後ろに一歩下がり、何事もなかったかのように天真爛漫な口調を作って見せた。
「ちょっとね、この数日、写真展の準備とプリントの作業で寝不足が続いてただけ。ちょっと立ちくらみがしちゃったの。……ねえ、水瀬くん。お礼と言ってはなんだけど、私のお気に入りの、とっておきの場所に案内してあげる。大学の敷地のすぐ裏手にある、古い植物園。あそこ、平日の昼間はほとんど誰もいなくて、すごく素敵な『色』に満ち溢れているの。一緒に行こう?」
「植物園? でも、写真展の受付とか、パネルの移動の手伝いは……」
「そんなの、佐藤先輩たちに任せちゃえ! ほら、行こう、早くしないと休憩時間が終わっちゃう」
美鈴は駆の返事を待たずに、俺の大きな手首をきゅっと掴むと、ギャラリーの出口に向かって走り出した。彼女の手のひらは、一週間前のあの土砂降りの雨の日と同じように、初夏の陽気には到底似合わないほど、驚くほどひんやりと冷たかった。
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大学の敷地の最果て、生い茂る雑木林の境界線に佇む旧植物園は、半ば野生化した熱帯植物が、巨大な鉄骨とガラスの温室の中で鬱蒼と茂る、学生たちからも半ば忘れ去られたような、静寂の空間だった。
天井の歪んだガラス板からは、容赦のない五月の強い陽光が容赦なく降り注ぎ、温室内の細い未舗装の小道を、白くギラギラと炙り出している。
「ここ、すごいでしょ。私、授業をサボるときは、いつもここに来るの」
美鈴は、温室の中央にある、塗装の剥げかけた古い木製のベンチに腰を下ろすと、愛用のカメラを構えて、頭上を生い茂る巨大なヤシの葉の影をパシャリと撮影した。乾いたシャッター音が、静かな温室内に不自然に響く。
「私ね、来年の春から、海外の大学に留学する予定んだ」
美鈴は、カメラを膝の上に置き、レンズキャップをはめながら、遠いガラス天井の向こうを見つめて唐突に言った。
「留学……? 急だな。どこに行くの?」
駆はベンチの少し離れた場所に腰を下ろし、驚きを隠せずに彼女の横顔を見つめた。
「フランス。パリの、路地裏にある小さな芸術学校。そこにね、私の大好きな雨の風景を、ものすごく、それこそ世界で一番綺麗に切り取る高名な写真家の教授がいるの。その人のアシスタントをやりながら、写真を一から学び直したいんだ。だからね、私にはもう、この街で、この大学で過ごせる時間が、あんまり残されていないの。あと、数ヶ月、かな」
美鈴の言葉は、駆の胸の奥底に、冷たい楔となって深く重く突き刺さった。
来年の春。あと、一年に満たない限られた時間。彼女は、この退屈で灰色の世界に突如として現れた、唯一の眩しい光のような存在だった。その光が、自分の手の届かない、海の向こうの遠い異国へと去ってしまう。その事実に、駆は言葉にできないほどの激しい喪失感を覚えた。だが、彼に彼女を引き留める資格など、どこにもない。
「そう、なんだ。……素晴らしいことじゃないか。応援するよ。凪利さんなら、きっとパリの美しい雨の景色を、もっと素敵にたくさん撮れるよ」
駆は、胸の中で暴れる寂しさを必死に押し殺し、精一杯の祝福の言葉を口にした。
「ありがとう、水瀬くん。あなたにそう言ってもらえるのが、一番嬉しいな」
美鈴は、本当に嬉しそうに、少女のように無邪気に微笑んだ。それから、ベンチのすぐ脇、湿った土の中からひっそりと顔を出していた、小さくて風変わりな形状をした一輪の花を指差した。駆の目には、その花びらは薄い灰白色で、中心部が黒く濁っているように見える、ただの「名もなき灰色の植物」だった。
「ねえ、水瀬くん。最後に、もう一問だけ、今日の『嘘つきゲーム』につき合って」
美鈴は、その花の前にしゃがみ込み、顔を近づけながら、静かに、まるで秘密の儀式を行うかのように囁いた。
「この花の名前はね、『勿忘草』っていうの。フランスの古い伝説では、恋人たちがどうしても離れ離れにならなきゃいけない時、お互いを忘れないために贈り合う、切ないお花。そしてね、この花の色は、抜けるような、どこまでも澄んだ、美しい『青色』をしているの。……さて、水瀬くん。これは本当? それとも、私のついた嘘?」
澄んだ青色。
駆は、その花の名前と、それが持つ本来の色彩を、知識として知っていた。
だが、建築学科の課題で植物のスケッチや庭園デザインを学ぶ駆の脳は、目の前にあるその植物の形状を、極めて冷静に、冷徹に分析していた。それは、勿忘草ではない。勿忘草の花びらは通常五枚で、もっと平らだ。だが目の前にある花は、筒状で、葉の形も肉厚で全く異なる。これはおそらく、温室用に栽培されている熱帯性の別の観葉植物の花だ。
美鈴は、嘘をついている。
彼女は、この全く違う花を、わざと『勿忘草の青』だと偽って、駆の反応を試すために問いかけているのだ。
(彼女の嘘を、暴くべきか。それとも、このまま騙されたふりをするべきか)
駆は、しゃがみ込む美鈴の、華奢な横顔を見つめた。
ガラス天井から降り注ぐ強烈な逆光のせいで、彼女の身体の輪郭は白く発光し、今にもこの世界の光の中に溶けて消えてしまいそうなほどに、儚く透き通って見えた。そして、その瞳の奥には、言葉にできないほどの、深い、深い、底なしの絶望のような影が、色濃く沈んでいた。その影を見た瞬間、駆は真実を口にする言葉を完全に失った。
「……本当だ」
駆は、静かに、そして自分自身に言い聞かせるように、大きな嘘を吐いた。
「それは、間違いなく勿忘草だ。君の言う通り、吸い込まれそうなほどに綺麗な、どこまでも澄んだ青い色をしているよ。……嘘なんかじゃない。俺の目には、はっきりとその美しい青が見えるよ」
美鈴は、駆のその言葉を聞くと、ゆっくりと、愛おしおそうに目を閉じた。
彼女の長い睫毛が、微かに、しかし確かに震えていた。彼女は胸の前で、もう一度静かに、自分の左胸をそっと手で押さえた。
「……うん。大正解だよ、水瀬くん」
彼女の声は、まるで遠い異国の地から届く朝の風のように、かすれて、儚く、今にも消え入りそうだった。
「この花はね、世界で一番綺麗な、青色をしているの。……私の言葉を、信じてくれて、本当にありがとう」
美鈴はゆっくりと立ち上がると、「じゃあ、私、展示の受付に戻るね。佐藤先輩に怒られちゃうから」と言って、今度は駆の手を握ることもなく、温室の出口に向かって歩き出した。その背中は、五月の強烈な白い光の中に、まるでモノクロのフィルムが露出オーバーで完全に溶けていくかのように、白く、白く、消え入るように見えなくなった。
一人残された、蒸し暑い温室の中で、駆は自分の胸ポケットにそっと手を当てた。
そこには、一週間前に彼女からもらった、あのハッカ飴の透明な包み紙が、お守りのようにまだ大切に入っていた。
(俺たちは、お互いに、最低で、最高に臆病な嘘つきだ)
駆は、自分の目が見えないという現実から逃げるために嘘をつき、美鈴は、留学という名の、何か別の大きな秘密を隠すための嘘を吐いている。
その互いのついた二つの嘘が、相手を傷つけないための「優しい盾」でありながら、同時に、二人の本当の距離を決定的に引き裂いていく哀しい凶器であることに、駆が気づくのは、まだ少し先のことだった。
アパートの薄暗い部屋に帰宅した駆は、電気もつけず、再び、あの古い棚の上にある壊れたオルゴールのネジを静かに巻いた。
ポロン、ポロロン……不規則に狂ったテンポのメロディが、静まり返った部屋に、寂しく響き渡る。
駆は、モノクロームの天井を見つめながら、美鈴が言った『世界で一番綺麗な、青色』という言葉を、夜が更けるまで、何度も、何度も、頭の中で反芻し続けていた。その世界のどこにもない青を、俺は心の奥底で、必死に描き出そうとしていた。




