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ゼグラーン戦記  作者: 椿
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インフラ設備

「防衛線がもう作られている?」


ゼルティに戻ったユウヤが驚いたのは、すでに防衛線が構築されていることだった。


「ハルトか?それともシュウキか?」


馬に乗ったユウヤがゼルティに近づくと、監視所から光が見えた。


それは魔術望遠鏡からの光だった。


「ユウヤ元帥だ!ユウヤ元帥を迎えろ!」


そう監視所の男が言うと、すぐさま多くの兵士がユウヤを迎えた。


「国境付近での戦闘お疲れ様でした。ユウヤ元帥」


ユウヤに敬礼をし、そういうのは参謀補佐のリュウキだ。


「リュウキか、なんだ見てたのか」

「はい、召喚獣を1体送り、空から見ておりました。元帥閣下が心配で」


ユウヤは、少し微笑み、留守を守ってくれてありがとうと感謝を述べて、リュウキと共に仮本部に戻っていった。


「あ、そういえばさ、あの防衛戦は誰が作ったんだ?」

「は、シュウキ同志とハルト同志、その指揮下の部隊が召喚獣を合わせて建設いたしました。」


それを聞いたユウヤはシュウキ達に感謝を言いたいと思い、馬の速度を上げた。


「お前も来い」

「は!」


リュウキを馬に乗せ、仮の本部が置かれている街の中心部へ向かった。


街の中心部には、まだほとんど何もなく、あるのは仮本部と大量の資材が積まれた土木場だけが存在していた。


「シュウキ発見!」

「ん?」


その声を聞いたシュウキがユウヤに気づく。


馬が勢いよく止まり、それに乗る二人がシュウキの前に降りる。


「無事だったんだな、よかったわ」


腰に手をおきながらそう言ったシュウキにユウヤはすぐさま感謝を述べた。


「防衛線ありがとう、こんな早くにできているとは思わなかった」

「そんなことか、俺は謝ろうと思ってたけど」

「ん?なぜだ?」

「有限である資材を4人全員の同意なく使用したからや」


それを聞くとフッとユウヤは笑い答えた。


「全然いいよ、それくらいはちゃんと予備を用意してる」

「さすが参謀長」


なんとなく自然に二人は握手をした。


「ハルトにも礼を言わないとな」

「ハルトなら湖までの道の工事と水源確保しに行ったで」

「ありがとう、行ってくるわ」


タケヒロはどこかに行ったが、シュウキとその部下、民間労働者とともにダルンケスト大通りの建造物を一斉に建設していた。

ユウヤはハルトの場所を確認した後に、数人の護衛とともに湖まで馬車で向かった。


湖への道のりでは、すでに整地された道が続いていた。そのおかげで移動が何倍もスムーズになり、今まで1時間ほどかかっていた時間が20分程度で移動できるようになった。


湖へ到着すると、大量のテントや、木造の建物が並んでいた。

そしてあちこちには2mほどのゴーレムが資材を運んだり、伐採作業を行なっていた。

その中に、一人大きな作業図のようなものを持ちながらそれを凝視している男がいた。


「ハルト!」


ユウヤの声が聞こえた、振り向くと数人の護衛とともに馬車から降りてきた。


「おお、お帰り、タケヒロは?まさか…」

「安心しろ、生きてるけどどっか行った。街にはいると思う」

「そっか、でユウヤはどうしたんや。こんななんもないとこに」


そう聞くとユウヤが俺の方に手を置いてきた。


「防衛線の構築、ありがとう。俺も同じことを考えていたんだが、ハルトとシュウキが先に作ってくれたおかげで初動が遅れずに済んだ」

「俺らも焦って作ったが、なかなかちゃんとできてたやろ?」

「ああ、だが、敵が攻めてくることを想定すればまた話し合うことになるはずや」


さすが参謀長であり第一書記長、俺には到底できない役割だ。

だが、その分俺たちはユウヤを支えなければいけない、まだまだ準備が必要だと感じた。


「すまんなハルト、水源の設備頼んだ!」

「了解」


そう言い残し、ユウヤは護衛とともに街に帰って行った。

それを見送ると、一度従者に休憩を指示した。


「どうぞ、中将」


簡易的な木造の建物の中は、食堂や休憩所が設けられており、2階には将校専用の部屋も用意されている。


「ありがとうツバキさん」


温かい飲み物を口に含み、体も心も温まった。


「街よりこっちにいる方が多くなってるやん、これは労働者の鏡やろなぁ…」


まだまだこの湖でやる俺の仕事は多いが、これもゼグラーンの利益のためだ。明日からも俺たちの戦いは終らない。

カップに入れられた飲み物が光を反射し、美しく輝いていた。


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