文化祭2日目(中編)
今回は途中に少し澪視点が入りますのでご了承ください。
「どこだ、どこにいる!?」
俺は人で溢れる校内をキョロキョロと周りを見渡しながら走っていた。先ほどから澪にメッセージを送っているのだが一向に既読が付かないため自分の足で探すしかなかった。通りすがりの生徒たちにも聞いてみるが見つかっていない。
走り続ける中、俺の脳内にはある日の声が響いていた。
『もうやだよぉ!助けてよ、翔斗君!』
「・・・クッソ!」
俺は足を止めることなく走り続ける。何かがあってからでは遅いことを俺はよく知っているからただひたすら走り続ける。
~澪視点~
つけられていることに気付き、翔斗君にメッセージを送った私は人気のまったくない体育館裏である一人の男子と向かい合うように立っていた。
「・・・久しぶりだなぁ?成宮。」
「うん。久しぶりだね、内藤君。」
私は内心、腸が煮えくり返りそうなのを必死に抑えながら挨拶を交わす。
「それで?わざわざこんなところにまで何の用かな。」
「いやな、お前たちがこの学校に通ってるって知ったからには挨拶しに行かねぇとなぁと思ってな。」
内藤は気持ちの悪い笑顔を浮かべながらそんなことを言ってくる。
「ふーん。それじゃあ、挨拶も済んだしもう帰っていいかな?」
「そう言うなって。それに、お前も俺に話があんだろ?いい加減、その気色悪い笑顔を止めろ。」
内藤がそう言うと、澪は普段クラスメイトに見せている笑顔を止め、感情の全くうかがえないほどの無表情になった。
「どうせ、あいつももう来るんだろ?それまでは、少し付き合ってくれや。」
どうやら、内藤は翔斗君が来ることを分かっているようだ。
「・・・その必要もないよ。・・・だって、もう来たから。」
「澪、無事か。」
翔斗君は私と向き合うように立っている内藤を睨みつけながら私に声をかけてくれた。
~翔斗視点~
「内藤・・・。」
「よぉ、田宮。お前とも随分と久しぶりだな。」
俺が軽く睨んでも内藤はどこ吹く風といった感じでひょうひょうと返事をしてきた。
「何をしに来た。」
俺は澪を庇う様に立って、内藤と向かい合う。
「別に何かしようってわけじゃねぇ。俺自身も今の生活をなくすのは惜しいからな。今日は本当に軽い挨拶をしに来ただけだからよ、安心しろや。」
内藤がそう言っても、俺は警戒を一切緩めなかった。
「俺がその言葉を信じるとでも?」
「はっ、信用されてねぇなぁ。」
「・・・自業自得だろうが。」
そして、しばらく俺と内藤は向かい合う。すると、突然、内藤が俺たちに背を向けて校門方面へ歩き出した。
「さっきも言ったが、俺も今の生活が大事なんでなここらでお暇させてもらうぜ。」
内藤はそう言い残して、その場を歩き去っていった。俺は内藤の背中が見えなくなるまで警戒を緩めないで背中が見えなくなったら、肩の力を抜いた。
「・・・後で説明してもらうぞ。」
「うん、勿論。」
俺と澪も仕事に戻るために校舎方面に2人で歩いていく。
今回はかなり謎の多い部分になりました。そろそろ、翔斗たちの過去がわかるかもしれませんね。




