託される想い
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「でもどうやったらそれが出来るんだ...?
まるで神職と血のつながりのない俺が出来ることなのか?」
「今ならさっき繋いだパスの影響で繋がりやすくなってるから、
浬さんでも出来るはずだよ」
それでも到底あんなことが出来るとは...
不安がる俺を前に彼は体勢をくずして体の力を抜いているようだ
「まずはリラックス、それからだよ浬さん」
そう言われて俺も足を伸ばすことにした
お互いがまず気持ちを緩めてからでないと、
成し得られない業なのかもしれない
そうして彼は改まって正座に座りなおすと言った。
「想いを共鳴させるんだよ」
「え?」
「僕は...浬さんの気持ちになって同じ心情を持つことに集中したんだ...
そうしたら出来たんだ」
同じ気持ちになる...心を合わせて、とはよく聞くが
本気でそれを起こそうとする日が来るとは
「じゃあ、嘉男くんはさっきどういう心情に気を向けたんだ...?」
「...迷いだよ」
それを答える時だけ彼は少し俯いた
「俺が...迷っているように見えたのか?」
「...僕が同じ立場なら大事な人の存在の身体を持った奴と戦うなんて...
まずは悲しみや怒りよりも...迷うんじゃないかなって...そう思ったんだよ」
...ああ、
確かにそうだ
覚悟は決めた、
そう思いつつ引っ掛かっていたのは...彼女と争うことの迷いだ
自分の身の危険や皆と戦う覚悟は出来ているつもりだ。
だが...
彼女を傷つけてまでも救う
その覚悟は決まっていなかった...まだ信念は確立していないのだ
「だから今度は」
彼の目は迷いなく俺の目を捉えた
「戦うという覚悟を持ってください...
パスが繋がれば
僕は浬さん、あなたに神霊の霊気を分け与えます。
つまり俺も戦う覚悟を持たなければならないんです
優しく、温かく僕に接してくれていた従姉を傷つけてしまうかもしれない力を
対峙するあなたに分けることによって」
彼も俺の立場を考えてだけでなく
彼自身が迷っていたことに気付く。
実の従姉に刃を向けることを
「故に...今度念じるべきものは迷いではなく、
覚悟を...
頼みましたよ...浬さん」
そう告げる
彼は、
まさに男の顔つきになっていた
今や可愛らしい面影は消えている
ならば...
それに俺も応えなければ...ならないはずだ
「...分かった」
目を閉じて雑念、弱気、そして迷いを払拭することに集中する
神職の血筋であって経験があるであろう彼が、
容易くは出来なかった精神の繋ぎ。
自分に出来るのか?
そんな不安を切り捨て
どんなに時間が掛かってもブレない覚悟を築く、
覚悟をするための覚悟が決まった。
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