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幼女と初めての戦闘

振り返った先にいたのは白いウサギだった。

それなら安心だって?

バカを言っちゃいけない。

アレのどこが安全というのか。


赤い瞳から感じるのは可愛らしさなんてものじゃない。

邪悪なものだ。

分かる、分かるぞ。

あの目は。

獲物を見つけたって目だ。


中型犬ほどの大きさのウサギは

俺を恰好の餌だと認識しているらしい。

犯罪者の目だ。

何故だろう?

ヘンタイの人に見つめられているように感じる。

まあ、俺自身はそんな奴にあった経験はないが。

絶対そうだ。確信できる。


涎を垂らす口には鋭利な牙。

怖い。

怖いがそれは牙による恐怖ではない。

もっと別の何かだ。

口元の歪み方がとてもウサギとは思えない。


俺は男だよ。

見た目通りの幼女じゃないよ。

だからそんな目で見んな!


異世界で初めてのエンカウントがこれだとちょっと先が思いやられる。

どうしよう、露出狂みたいなの現れたら。

いや、考えちゃダメだ。


兎に角どうにかしなくては。

ここには俺しかいない。

覚悟を決めるんだ。

幼女の敵は世界の敵だ。

ここで滅べ!



エロウサギ(実際そうかは知らない)は

俺の覚悟など知らず、ゆっくり近づいてくる。

嫌な視線を感じる!


警戒は全くしていない。

チャンスはあるハズ。

俺はそっと腰の剣に手を伸ばす。


あと少しで間合いに入る。

あと一歩。

今だ!

剣を一気に抜き去る。


当たる、そう思ったのがいけなかったのか。

ウサギは後ろに飛び退いて難なく躱した。


しかし、警戒している様子はまだ見えない。

これはあれか。

抵抗する様子をも楽しんでいるというのか?!

ウサギは楽しそうに口元を歪める。

実にゲスっぽい表情だ。

ホントに人間じゃないかと思うほどだ。


さて、どうしたものか。

攻撃手段はこの剣のみ。

体力的にも早めに決着をつけたい。

クソっ、どうしたらいいんだ。

俺が悩んでいると、

ウサギは「どうしたもう終わりか?」とでも言うような表情を浮かべる。

そして、突進してくる。

ヤバイっ!!


速い!

思わず、目を閉じる。

ぶつか・・・らない?


・・・あれ?

恐る恐る目を開ける。


そこには真っ白だった毛皮を血に染めたウサギの姿が。

何があった?


何かにぶつかったのか?

血液の飛沫的には・・・

あっ、俺か?

俺だな。

にしてはローブに血痕はない。

これが洗濯不要の効果か。

完全犯罪をしたい人なら喉から手が出るほどだろう。


この惨状の犯人は俺になるらしい。

凶器はたぶんだがローブだろう。

ウサギの突進の威力をこのローブの守護力とやらが、どうにかしたのだろう。

流石は幼女のためのローブ。

効果は抜群だ!


ポ~ン

―――――――

戦闘終了

勝利によりステータス全体が

やや上昇しました・・・

アイテムが解放されました・・・


アイテム

幼女のおもちゃ箱

幼女のお気に入りのアイテムを保管できる箱。時が停滞する。

―――――――


Oh〜。

なんてアバウト。

テキトー過ぎでしょ。

いやー、初戦闘に初勝利。

やるな幼女。

この経験を本にまとめようか?

幼女でも勝て〜〜ってタイトルで。

おや?

誰か来たようだ。

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