表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
5/5

メンバーは現在、8人。

なんとか大会には出場できる。

でも、11人でシステムを成り立たせたいなー。

まぁ、律なら8人でも面白いサッカーを考えるんだろうけどね。

サッカー教室の試合を見に行ってスカウトしようかな。

でも、掲示板にもHPにも載せてるからなーそれでも来ないってことは、興味ないってことだよね。でも、悩んでる時間もない。瑠が私を見つけてくれたように、私も誰かを見つけなきゃ。


「鈴、明日の練習、キャンセルするの?」

「うん。ごめん、律。サッカー教室の試合が見たい」

「そか、俺がコーチの試合だわ」

「そりゃいいわ。一緒に意見できる」

「俺は仕事だけどな。だから、誘うのは鈴に任せる」

「わかった。ただ、律の思うシステムの最適なピースを選びたい」

「お!舐めんなよ。俺はどんな選手も輝かせちゃうから」

「へいへい。じゃ、私が選ばせてもらうわ、名コーチ様」

「あざーす」

「褒めてないし」


試合は、20代から50代の律が運営するサッカー教室のチームと地域の草サッカーチームの対戦。地域の草サッカーチームは20代から30代で、どう見ても経験者揃い。サッカー教室チームは少し前の私のように、大人になってからサッカーを始めた面々。練習の段階で勝敗が見える個のスキルの差。


どうする?律。


「はーい。集合してくださーい。今日のシステムね。433で行きます」

433か。

「おだんごにならないように距離感を大事にしましょう」

教室だと丁寧だね、律。

ホワイトボードにマグネットを置いて続ける。

「それから、これ大事ね。相手のボールホルダーの3m手前に必ず1人立つこと。これは、ポジションは関係なく、自分の前に現れたら必ずね。取りに行かなくていいよ。ただし、次で取りに行こう。近くのポジションが前に立ったら、次にどこにボールが動くか考えよう。パスミスがあれば、奪おう。むしろ、パスミスを誘う作戦だからね。インターセプトの気持ちは忘れない。でも、パスミス以外は突っ込まない。3m手前に立つ。常に自信がある10番はドリブル突破を仕掛けてくる。10番の時だけは後ろのポジションが、ゴール前を閉める。OK?多分、これで君らは勝負に出られる。奪ったらゴールにボールを運ぶことを考えよう。失点しなきゃ、負けない。ただし、得点しなきゃ勝てない。得点はね、シュートする数で確率は上がるんだ。だから、ガンガン打っていきましょう。さぁ!行こう!」


縦パスは通さないって作戦ね。

律ってさ。本当にサッカーを面白くするよね。


(勝てる)って可能性だけで、チームは輝く。

みんなやる気に満ちてる。

これなら、楽しくサッカーができる。

がんばれ!サッカー教室チーム!


前半は律の作戦通り。

縦パスは通すことなく、ミスを誘うことができた。

でも、相手は、テクニックとスピードがあり失点をしてしまった。0−1


「前半、お疲れ様です。まずは水分とってください。耳と目だけこっちに向けてくださいね。皆さんは、作戦を忠実に守りました。まずは、拍手です。私のミスは、9番を見誤ったってことです。9番は、得点確率の高い10番にボールを送ります。9番が持ったら10番へのインターセプトもチャレンジしましょう。必ずボールを出しますから、思い切ってコースに入りましょう。さぁ、インターセプトが成功したら、そのままぶっちぎりましょう。ドリブルでもいい。パスでもいいです。9番10番に絶大な信頼を置いてるチームですから、そこを断絶すれば一瞬プレイは止まります。そこが、皆さんのチャンスです」


プロのコーチだ。

相手の個の力と自分のチームの一人一人の個性を生かした指示だ。後半に向かってちゃんとテコ入れしてる。


後半、開始10分で9番から10番へのパスをインターセプトしてかっさらって1点返した。まんまと読み通りのプレイにサッカー教室チームは盛り上がった。でも、そこまでだった。個人プレイに走った10番に陣形は崩され1−2で負けてしまった。


私は2人のプレイヤーに声をかけてみたた。

1人は見事なインターセプトを決めた彼。

律の作戦に最も忠実に反応していたと思うんだよね。

もう1人は相手チームのインターセプトされた9番。

前半の10番へのパス供給率は見事だったと思う。後半は律の作戦で封じられたけど、欲しい選手。話してみて、感触も悪くなかった。多分、律が作るチームに魅力を感じたんだろうね。今日の試合でただのYouTuberという印象が覆ったみたいなこと言って感心してた。


蒼のパパが言うには、律のサッカーはドラゴンマスクのとうちゃんのサッカーを踏襲してるらしい。律には、ピッチにとうちゃんが見えてるんだって言ってた。なんかそれって、嬉しいような切ない話だけどね。


でも、蒼パパ。

律はちゃんと、今いる選手も見てるよ。

上手い人も、そうじゃない人も。

速い人も、遅い人も。

その人が持ってるものを見つけて、サッカーにしてくれる。


だから、私も見つけなきゃ。

私を見つけてくれた瑠みたいに。


「一緒にサッカーしませんか?」。

今度は、私が声をかけるよ。

11人のサッカーのために

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ