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さびれたレンタル道具屋の転生おっさん、道具の使い方を教えまくる。~客のS級冒険者が俺を歴戦の英雄と勘違いして弟子入りを求めてくるんだが~  作者: 遥風 かずら
第三章 レンタル道具を指導するおっさん

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第39話 凱旋と呼んでいいか分からないぼっち帰還

 アルゾス共和国での迷惑連中を反省させた俺は、口の悪い聖女立会いの下、共和国の幼女大統領にそのまま報告した。


 俺がこの国に留まる意味はなくなったことを意味するわけだが、大統領から言われたのは簡単なものだった。


「では、アクセル。胸を張って自分の国へ帰ってもよいぞ」

「本当に帰っていいのか?」 

「うむ。余としてもアクセルにはもっとアルゾスにいて欲しかったのじゃが、お主が下したならず者どもの処置をしなければならぬのでな」

「……殺すのか?」


 罪人をどう処置しようとこの国の勝手だが、俺としては反省させるだけでいいと思うが甘いだろうか。


「ふふ、殺さぬよ。ただ、他国に迷惑をかけたのは事実じゃからな。相応の罰は受けてもらう。何にせよ、アクセルが気を遣う必要はないぞ」

「気など遣ってない。少し気になっただけだ。奴らの中には明らかに弱い奴が混じっていたからな。そいつとは道中に少し関わったから気になっただけだ」

「……なるほど。その辺の奴も含めて、聖女に任せておる」

「それならいいんだ」


 この国にそこまで思い入れもないし、俺としてはとっととおさらばするだけだ。


「では、アルマ。アクセルを転送の間へ」

「かしこまりました」


 ……転送の間ってことは帰るのは一瞬か?


「さぁ、アクセルさま。こちらへお進みになって」


 俺に対し散々口悪かったアルマが、またしても猫を被った話し方をしてくる。


「口の悪い聖女はやめたのか?」

「聖女ですから使い分けるのは当たり前のことですわ」

「そうか」


 今後会うこともないだろうし、流石に言葉遣いは改めた感じか。


「ところで俺の仲間……いや、俺についてきてた彼女たちはどこにいる?」

「ダークエルフや王女たちでしたら、やることがあると言ってすでにこの国を発ちましたけれど」

「何、そうなのか? 俺だけ幼女大統領と会ってるからおかしいとは思っていたが、そうか。それならいいんだ」

「仲間だと思っておいででしたのね。ですけれど、あなたは王都バーネルのレンタル道具屋。このまま大所帯で戻られてもどうも出来ないかと」


 聖女の言う通りだな。


 俺だけならともかく、よほど店が繁盛しない限り彼女たちを養っていく余力なんて生まれないだろうし、生活させていくのも困難だ。


 王女は自分の国に帰せば済む話だが、シャンテやリミアは俺を慕ってついてきてただけに問題が解決した後のことをあまり考えてこなかった。


 だが俺の知らぬ間にすでにいなくなってしまったのであれば、俺が心配する必要は無くなったわけだ。


「その通りだな。まぁ、とにかくようやく王都に帰れるのはありがたい」

「……ええ。そう思いますわ。転送の間から王都バーネルへは一瞬で移動出来ますので、感傷に浸らずともまた共和国においでいただくことも可能ですわ」


 転送だから一方通行でもないということか。


 とはいえ、俺の道具で迷惑をかけてた連中は一掃したわけだし俺がアルゾスに来る用事はもう無いだろうな。


「いや、大丈夫だ」

「承知しましたわ」


 しかし、本当に淡々と話す聖女だ。俺に対し口悪くしていたのは、あくまで割り切っていたということか。


 アルマの案内された転送の間に入ると、そこには床面に魔法で描かれた円形の図のようなものがあった。


「この上に乗って頂ければ、それだけで飛べますわ」

「あ、あぁ」

「心配なさらずとも確実に王都に着くかと思いますので、心を落ち着かせてくださいませ」


 彼女たちともあっさり別れたのは何とも言えないが、一応問題の解決を果たしたから凱旋になるのか。


 最初はミレイたちに付き添ってもらったから良かったが、まさか帰る時にぼっちになるとはな。


「ふぅ~……。よし、行ける」

「それでは、アクセル様。ごきげんよう! また会えるのを楽しみにしていますわ」


 それはないと思うが、多少は世話になったし笑顔だけ向けておくか。


「ああ、またな! アルマ」


 聖女アルマへの別れを告げた直後、俺は魔法の光に包まれた。


 眩しい光でしばらく目が開けられずにいたが、目を開けた俺が立っていた場所は王都バーネルの街が見渡せるどこかの丘だった。


 何だ、外じゃないか。しかも丘の上って、山下りさせるとか勘弁してくれ。


 ……転送も完璧じゃなかったようだが、今後は外歩きも滅多にないはずなので俺はしぶしぶ山を下りて王都に帰ることにした。

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