日常②
二日後――。
「熱、あつッ!」
「食材を無駄にするなっ!」
「イエッサー!」
激励が飛ぶ。マスターは料理はできるっぽいので助かったが。
「目が、目があ――」
いつの時代の映画だよ、とツッコミたいことをヴァイアランが言う。
男どもは、壊滅的だった。
「おいおい、玉ねぎごときにやられるのってどうなんだよ?」
「ああ。わかっている、いあだがこれはどうにも……」
涙目で言う。まともには、なってきたのだが――
――一週間後。
「できたぜいっ!」
「レシピ通りだがな」
目の前には、生物兵器を作るためのレシピ――失礼、ただのチャーハンのレシピで作られた――普通のそれがある。
一口だけ入れる。
「――及第点、だな」
「ええそうね」
「いいよっしゃああぁっ!」
「なるほど難しいな」
何とか料理はできるようになった、ようだ。だが、食費は変わらない――いやむしろ増えた。この前のレシートには、245103という文字が……見えた気がした。
国から食費が出てるとしても、大迷惑だろうな。
「アヴァランチ?」
「すまない、考え事を」
「そうか――にしても、うめえな。俺って天才?」
「レシピを考えた人間に言えよ」
調子に乗るディーヴァを、ヴァイアランが止める。
「まあそうか――って、もうないのかよっ! はあ、作り直しか……」
少し寂しげにしながらまた取り掛かる――
――そんな日常を過ごしつつも、着々と準備は進んでいた。
こんばんは。今日もまた投稿していきます。




