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「おや?自分から帰ってきてくれましたか。今呼び出しに行こうと思ったんですけどね」
部屋に帰ってきた二人を見るなり、神崎はそんなことを言ってくる。
しかし、そういう割にはテーブルにつきゆっくりしているので、本人は全く行く気がなかったのだろう。
「そんなくつろいでて私たちが帰ってこなかったらどうするつもりだったのよ」
「そんなの簡単なことじゃないですか。そうなったならあなたたちはその程度だったってことですよ」
陽菜の当然の質問にそう笑顔で返した。
その様子に冬夜たちは首をかしげながらも気にしないでおく。
「それで、まだやっておきたいことってなんだ?」
「ああそうでした。皐月くん、これを受け取ってください」
そういって神崎はソフトボールより少し大きめの球体を投げる。
謎の球体は綺麗な放物線を描いて飛んで行く。
「おっと……あぶねえ、落とすところだった」
冬夜はなんとかバランスを取り、落とさないように両手でしっかり持つ。
「よかったですね。落とされて壊れでもしたら私がこの学園にいられなくなりますから」
神崎は笑いながらそんなことを言うが、投げられた側は微塵も笑えない。
そんなくだらない話をしていると冬夜が持っている球体に変化が起こる。
その球体は一瞬光ったかと思うと、とげとげした氷の塊へと変わっていた。
「ん?なんだこれ?」
あまりに一瞬の出来事だったので、冬夜は理解することは出来なかった。
更に付け加えるなら、この球体だったのもが何かもわからないので途方に暮れてしまう。
しかし、冬夜を除く2人は違った反応をしていた。
神崎はニコニコしているし、陽菜は固まってしまっている。




