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プロローグ
この世界は、広くて狭い。
いや、狭くて広いのだろうか。
何百人といる同じ学校の生徒の中で、
すれ違うことなく卒業していく関係もあれば、
たった一度の出来事で人生に深く関わる存在になることもある。
そして、たったひとつの「出会い」が、
自分でも気づかないほどの小さな変化を生み、
やがて大きなうねりとなることがある——。
柊佳織と柳井良規も、
そんな「小さな変化」に巻き込まれた二人だった。
交わることのなかった世界の住人同士が、
ある出来事をきっかけに、
ゆっくりと、しかし確実に互いを意識するようになっていく。
だが、それは決してドラマのように甘く、簡単なものではなかった。
これは、
二人の世界が静かに交差し始める物語——。




