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公爵家の隠し子だと判明した私は、いびられる所か溺愛されています。  作者: 木山楽斗
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弟から見た王太子

「カルディアス兄上?」

「うん、サガードから見てどんな人なのかな?」


 私は、サガードと一緒に客室にいた。

 カルディアス様との話が終わった後、私達はそれぞれの婚約者と会うことになった。ちなみにアルーグお兄様だけは、現在もカルディアス様と話している。


「どんな人かと言われると……どう答えていいか、少しわからないな。尊敬するべき人だとは思っているかな。次期国王は、やっぱりカルディアス兄上が相応しいんだと思う。色々な人から慕われているしな」

「そっか……」


 サガードの言葉からは、カルディアス様への敬意が確かに感じられた。

 カルディアス様は、やはり立派な人なのだろう。私はよく知らないけれど、支持する人も多いのかもしれない。

 ただなんというか、サガードの口振りはお兄様に向けてものではないような気もする。カルディアス様も言っていた通り、距離感があるのかもしれない。


「えっと、お兄様としてはどうなのかな? 兄弟仲はいいの?」

「まあ、悪くはないと思うけれど」

「なんだか微妙な反応だね?」

「……実は、そんなに頻繁に接している訳ではないんだよ。カルディアス兄上は、兄弟の中でも特に忙しい人だからな」


 次期国王であるカルディアス様とは、弟であるサガードでもそもそも接することができる時間が少ないようだ。家族であるのに、それは寂しいものである。

 王家というものは、やはり大変なものなのだろうか。ラーデイン公爵家も高位の貴族であるはずだが、それともかなり違うものなのかもしれない。


「カルディアス様はかなり寂しそうだったよ? 兄弟と距離感があると思っているみたい……」

「距離感、か。まあ確かに、俺もカルディアス兄上の前では畏まるな……今までずっと、そうするように言われてきたし」

「そうなの? キルクス殿下のせい、みたいにカルディアス様は言っていたけど」

「別にキルクス兄上に言われたという訳ではないさ。でも、確かに俺のカルディアス兄上への態度は、キルクス兄上の真似かもしれないか。基本的に、俺はキルクス兄上と接することが多かったし」


 サガードはキルクス様と行動をともにしている。それはどうやら、私と会う前からそうだったらしい。

 そんなキルクス様がカルディアス様にお堅い態度だから、サガードもそうなったということなのだろう。本人と接する機会が少ないこともあって、そうなったのかもしれない。


「もう少し気軽な感じで接してあげた方が、いいのかもしれないね。サガードだって、王族ということでそういうことがあったんでしょう?」

「え?」


 サガードは、私の言葉に目を丸めた。その反応はなんというか、妙である。

 サガードは王族という立場もあって、友達が少ないから私と友達になった。会ったばかりの頃にそう思ったのだが、それは違ったのだろうか。


「初めて会った時、サガードは結構強引だったよね? キルクス様に挨拶しに行った時に、私に話しかけて……」

「ああ、そうだけど……」

「あれは王族だから友達が少なくて、同年代でお兄様の婚約者の妹の私と友達になりたいから話しかけてきた、って私は思っていたんだけど、違うのかな?」

「いや、あれは一目惚れしただけというか……」

「え?」


 サガードの言葉に、私の頭の中は真っ白になった。

 それからすぐに、真っ赤になる。一目惚れ、それは思ってもいない言葉だったから。


「そ、そうだったの?」

「ああ、まあ、そうだな。今更、隠す必要があることではないし言ってしまうけど、そうだ」

「そうだったんだ……それなら、私は勘違いしていたんだね?」

「えっと、確かに一目惚れだったけど、ルネリアの内面を知って、さらに良いと思ったというか……」

「あ、うん。ありがとう、サガード」


 部屋の中には、微妙な空気が流れていた。私達はお互いに照れてしまって、なんだか上手く言葉が出てこない。

 でもそれは、悪いものでもなかった。サガードの言葉は、私にとってとても嬉しいものだったから。

 そのまま私達は、しばらくの間二人きりで過ごすのだった。

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