第14話
魔法少女の続きです。
りるかは考えていた。
「…魔法少女はどうしても戦わなくちゃならないの?…折角仲良くなった怪人さん達と、このままでいたいのに…」
お茶の時間、昔魔法少女だったママにその旨を尋ねた。
「ねぇ、ママ…魔法少女って、どうしても戦わなくちゃいけないの?…このままじゃ駄目なのかしら?…」
そこにすかさずる~んは口を挟んだ。
「魔法少女は絶対に戦わなくっちゃいけないんだよ!ホントはこいつらをやっつけなくっちゃいけないんだよ!」
言いながら、テーブルを囲んでいる3人の怪人達を見回した。
今日のおやつはママが揚げたドーナツ。
砂糖が振りかけてあるものの、さほどくどさはなく、一口かじるとパンのようにふかふかの食感。
昔ながらのドーナツだった。
「ええっ!ママ?る~んの言った通りなの?そんなの哀しい…教えて!」
りるかは縋るような目でもう一度ママに尋ねた。
「…う~ん…ママが魔法少女だった頃は…そうねぇ…戦わなかったわよ!…最初はワンダーコアを守るってことでなったんだけど、やっぱり怪人さん達がとっても良くしてくれてね。…だから…魔法は日々のことにちょこっと使う程度だったかなぁ…」
「えっ?日々のことって?なぁに?どういうこと?…」
「…ああ…そうね…例えば仲良しのお友達がお母さんと喧嘩しちゃった時とか、子猫が木から降りれなくなったとか…いたずら坊主にお灸をすえるとか…ああ…後ね、一度ママね、図に乗って、テストの答案を魔法の力で。なんて考えたことがあったの…その時は急に魔法が使えなくなったし、おばあちゃまからかなり叱られちゃったわ…うふふふふ…そうそう、魔法で近所を荒らしてた泥棒さんを捕まえたこともあるのよォ!…すごいでしょ!」
ママは嬉しそうに恥ずかしそうに、当時の様子を教えてくれた。
「…へぇ、そうなんだぁ…あっ!そうそう、前からねギャランさん達に聞きたいことがあったの…あのね、ワンダーコアをとって世界制服っていうけど…具体的にはどうするつもりなの?…世界中の人や動物、植物なんかを全員消しちゃうとか?そんなの怖いのに…淋しいのに…」
りるかは急にテンションが下がった。
「…ああ…ごめん、りるかちゃん…僕達はその…わからないんだよねぇ…実はさぁ…とぐろ城で毎日世界中の株を取引したり、世界規模の大きな会社を買収して運営したりしてるからさぁ…わざわざワンダーコアを戴かなくても、ある意味世界を征服しているようなもんだし…」
ビーエムは困った顔で説明してくれた。
その答えにりるかだけじゃなく、ママもる~んまでもが「へ~ぇ…」となった。
「…そうなんですよ!冴子さん…だから、僕達の能力も是非冴子さんとりるかちゃん、後は地域の皆さんに使っていただいた方が嬉しいというか…その…何と申しますか…このドーナツおいしいですねぇ!さすが冴子さん…」
ギャランは激しく照れて真っ赤になりながらも、自分の意見を真正直に話した。
「…そうなんだぁ…りるかね、いつもギャランさん達の魔法ですごく楽しくて素敵なの…うふふふふ…だけど…アイルトン先生ね…りるか達に最初の頃…くっくっくっくっ…がははははぁ~って…今じゃ信じられないくらい下品な感じだったよねぇ…る~ん~…」
「…ふっふっふっふっ…そうそう…そうだったよねぇ…僕たちに対する言葉が下品でねぇ…」
りるかとる~んがくすくすと思い出し笑いをしていると、「なっ!…なっ…しょうがないだろう…あん時はりるかと対決しなくちゃならないと…俺だって真剣だったんだぞ…だから…テレビとか映画で研究してだなぁ…」とアイルトンが慌てて口を挟んできた。
「えっ?何?最後の方…なんて言ったの?兄さん」
ビーエムがにやにやしながら、アイルトンに聞いてきた。
「…だっ…だからぁ~…映画やテレビを見て研究してだなぁ…」
「…はっ?ごめん、聞き取れなかった…もう一回?」
「りるかも聞こえなかったぁ…アイルトン先生…もう一度はっきり教えて下さ~い!」
「…だ~か~ら~…テレビや映画を観て研究したんだよっ!」
アイルトンは半ば切れ気味に大声で答えてくれた。
一同の目がアイルトンに釘付けになったかと思うと同時に、そこにいる全員が「ぶ~っ!」と吹き出して笑い出した。
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