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外伝その一 満月:私のEND!

これに登場している人物は前にでてきた人です。

満月さんのEND

少年と少女はまだ少しだけ寒い海で遊んでいた。時間帯は既に、夜。空を覆う満月が二人を照らしていた。


「冷たいですよ!かけないでください!」


「ほらほらぁ!もっとかけちゃうぞぉ!!」


 嫌がる少年に少女は水をかける。少年はどうにも、嫌がっているのだが・・・・仕返しなど出来なかった。いや、見ているだけで飽きれるバカップルぶりである。


「じゃ、今度は『満月』をつかって、西瓜割りをしよう!!」


「え?西瓜は持ってきてませんよ?」


「勿論知ってるよ!西瓜の代わりに使うのは・・・・」


「使うのは?」


「君のあたまだぁ!」


「・・・え、ほ、本当ですか?」


 少年は剣の腕の立つ少女がいつの間にか自分の剣を持っていることに気がつき、あせる。当然、彼女が冗談で言っているのはわかるのだが・・・・実際にやりそうで怖いのだ。


「勿論、嘘だよ?」


「よ、よかった。」


「じゃ、あっちの岸まで競争だぁ!!」


 少年を置き去りにし、少女は走り出した。少年も当然、走り出す。たまに、波が襲う。


「私を捕まえてごらんなさぁーい♪」


「え・・・なんで水の抵抗ありでそこまで早く走れるんですか!!」


 少年は少女にあっさりと負け、岸で両膝を突いた。そして、そのたれた背中に少女が乗る。


「負けた人は勝った人の言うことを一つ、必ず聞いてね?」


「・・・・。」


「なによぉ、その不満そうな顔は?」


「ええと、とりあえず要望は何ですか?」


「勿論・・・・ずっと私だけの騎士でいてくれるっている誓いの・・キ・・・ス。」


「恥ずかしいです。あっちで高校生が見てますよ!!」


「いいじゃん!!どうせあっちも恋人同士なんだからさ!!言った私の身にもなってよ!」


 少女は剥れ、そっぽを向く。微妙にわがままなところがあるのだが、少年は返事を返した。


「・・・・・わかりました。お姫様。」


「ちぇ、いっつもそうやって私が剥れたときだけ言うこと聞いてくれるんだからなぁ。普段からやさしいけど・・・・まぁ、たまにはもっとやさしくしてくれてもいいんじゃないかな?」


「そ、そうは言っても・・・・ええと、その・・・周りの目がですね・・・気になるから・・・ほら、いやいやながらに言うことを聞いているってことにしておけば僕の恥ずかしさも減るって言うか・・・・。」


 少年は満月に照らされた顔を朱に染めながら上目遣いをしてくる少女に弁解をはかる。


「ふぅん、それなら周りの目がないなら私がどんなことしようとしてもいいんだよね?」


「そ、それも・・・ええと・・・・」


 優柔不断な少年はあたふたするしかなく、そんな少年に少女は体を預けた。


「別に体重をかけるぐらいならいいよね?構わないよね?」


「え、まぁ・・・。」


「じゃ、手を回すぐらいは・・・」


「ま、まぁ・・・・」


「・・・・好き。」


「あ・・・・はい。」


 頭の後ろを掻きながら少年は目のやり場に困ったようにとりあえず満月を見ることにした。勿論、そこには照り輝く満月がきちんとあった。だが、この行動も少女の機嫌を損ねた。


「むぅ、私がいながら浮気?」


「ええと、空を見上げただけですか?」


「満月、見てたでしょ?」


「え、ええ。」


「見るなら私でいいんだよ?」


「すみません。」


 少年は少女を抱きしめ、今度は目の前の満月を見たのであった。



 その話を聞き、俺は呆れた。場所は下校途中の普通の道路だ。


「・・・・あの、その話をするためだけにここに来たんですか?」


 学校の屋上であった少女が俺の目の前にいる。一人で下校としているといきなり背中を叩かれて振り返ったらそこに、ドレスを着た少女が立っていたのだ。あの時と違って空を飛んでおらず、きちんと足は大地に立っている。


「そうだよ?恩人さんにはきちんと経過を話しておかないといけないと思ってさ。うらやましいでしょ?あ、そろそろデートの時間だから、またね?」


 彼女はそういって走っていった。本当に、何をしたかったのか不明だ。それに、土俵と言うものが違うと思うのだが?大体、あの人は何者なのだろうか?俺は一人で首をかしげていたのであった。


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