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零時:よし、勉強をしよう!

この話でこの章は終わりです。

四十四、

 風邪?はて、いつの話かな?俺・・・風邪なんてひいてたっけ?まぁ、そんなことどうでもいいか・・・でも近頃の記憶が綺麗さっぱりない気がするんだよなぁ。


「零時、そろそろ期末テストが近いわね?」


「そうだなぁ、でも、俺のノートにはそこまで何も書かれていないんだが?どうも、授業の中身もかなり変わっているみたいだし・・・。知らないことのオンパレードだ。」


「それはそうでしょうね、飛び降りた後に記憶、なくなっているみたいだから。」


「え、誰の記憶が無くなってるって?」


「え!いやいや、独り言よ!気にしないで。」


「さて、お二人もがお話をしていられる余裕はないと思うんだけど?」


「そうだね、二人とも・・・テスト、大丈夫?」


「任せてくれ、このまま行けば俺は間違いなく赤点をたたき出してしまい、挙句の果てに夏休みに補講がスケジュールに侵入してきそうだ。断言しても大丈夫だ!!」


「まぁ、零ちゃんは当然だと思うけど・・・セレネは?大丈夫だよね?」


「私?ええと、赤点になるのは国語ぐらいかな?あ、後は・・・他も結構あるかな?」


「古文も?」


「そうね。ええと、他は平均的に解けていると思う。」


「今度のテスト、難しいよ?平均じゃ、まちがいなく赤点だろうね。セレネは諦めたら?」


「零時君、今から勉強すれば大丈夫かな?」


「大丈夫?そんな言葉は俺の辞書に載ってないよ。」


「私の辞書にも載ってないわ。」


「全く、そこまで薄い辞書を見たのは初めてだよ。」


「・・・・・とりあえず、覚えるべきところを紙に書いて、覚えたらその紙を食べるといいと思う。」


「それはちょっと・・・・。」


「こういうときは・・・・助っ人を呼ぼう。」


「助っ人参上!!マスターを助けに私、ローザがやってきました。」


「零時君、ローザを呼んでもあまり解決にならないんじゃない?」


「・・・・そうだな、助っ人呼ぶなら瑞樹とかのほうがよかったかな?」


「ひ、ひどいです・・・。」


「とりあえずローザに問題を出してもらうとして、セレネと零ちゃんの得意科目って何?明日あるテストは国語、保健体育、日本史だよ?苦手分野から勉強したほうがいいからさ。」


「俺の得意分野は国語だな。これなら別に勉強しなくても六十点以上は確定だ。因みに、苦手分野の数学は赤点を必ずとるだろうな。」


「じゃ、セレネは?」


「私は・・・・数学かな?でも、明日数学無いから平均的に取れると思うけど?」


「はいはい、じゃ、ソーラの得意分野が零ちゃんの苦手な数学であることを祈ってソーラの得意分野って何?どう考えてもソーラに欠点はありえないと思うからね。」


「私?私は保健体育が得意。」


「へぇ、珍しいな。でも、なんで得意なんだ?」


「それは・・・零時君のために・・・」


「・・・・・ええと、とりあえず零時はソーラに勉強を教えてもらうとして、私たちもそろそろ勉強したほうがいいんじゃないのかな?」


「そ、そうだね。じゃ、零ちゃん、がんばって!」


「ああ。じゃ、ローザは悪いけど問題を出してくれ。」


「てっきり帰れと言われるかと思いました。というより、なんだか出番が少ない気がします。もうちょっと私がマスターに引っ付いているような感じがよかったのですが・・・。」


「そんなことはどうでもいいからほら、日本史でも出してくれ。」


「零時君、日本史の覚え方はやっぱり書いて覚えるのが一番だよ?まず、その物事に関係してくるものも覚えられると効率いいんだけど・・・。」


「じゃ、問題を出しますね?第一問・・・・あ、因みに答えるときは『ピンポーン』と頭を叩いて手を上げて答えてください。」


「わかった。」


「では、気を取り直して第一問!大化の改新で殺されたのは誰でしょう?」


「蘇我入鹿。」


「残念ながら『ピンポーン』が抜けていたので先ほどの答えはなしです。残念でしたね?」


「どうでもいいと思うんだが?」


「では、第二問!蘇我入鹿の父は?」


「『ピンポーン』答えは・・・・・」


 そんなこんなで勉強会は続いていった。そろそろ夜も明けようとするところで勉強会も終了した。

 期末テスト当日。俺は愕然とした思いに駆られた。因みに駆られたのは今日のテストが終わった後である。


「・・・・・範囲、間違えてたな。」


「うん、全く違うところから出てきてたね?」


「俺が全く知らないところが出たんだが?」


「あ、零ちゃんは数日ほど休んでいたからかな?」


「とにかく、保健体育以外は赤点だな。」


 俺は暗澹たる心持で家に帰ったのであった。

勿論、俺の頭の中をスキャンなどしてみればきっとお味噌が詰まっているに違いないとはおもう。

しかし、その脳みそもそろそろ賞味期限が切れているのかもしれない。夏休みに入る数日前、俺は先生から呼び出され、夏休みの補講を言い渡されたのであった。今回のテストは簡単だったのにあれだけ点数をとれない人は二人目だといわれ、俺より前に先生に呼ばれたのはセレネだった。まぁ、当然と言えば当然かもしれない。


前書きで宣言したとおり、今回でこの章は終わりです。次回はとうとう最終章!剣山零時の物語もENDを迎えます。因みにENDはそれぞれありますので、期待していてください。

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