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零時:しかしまぁ、二十回目か・・・・。結構続いたもんだな。

皆さんのおかげで二十話になりました。感謝感謝ですね。

二十、

 俺はにやける顔を抑えることが出来ず、右腕に持ったドライバーを奇怪に動かしながら今では動くことが出来なくなった相手にゆっくりと近付いていった。


「い、嫌!やめて!!近寄らないでぇ!」


「くくく・・・・俺がやめるとでも思ったか?さぁて、その内部はどうなってるのかなぁ?俺に見せてくれないかなぁ?なぁに、ちょっと眺めるだけだから・・・。」


「・・・・おのれは変態か!剣山 零時!!」


「ぐはぁぁ!!」


 俺は後ろから飛んできた激流(なにやら服の一部が溶けているような気がする。)に襲われて目の前に迫っていた機械の角に頭を打ってしまった!いてぇ!!


「だれじゃぁぁぁぁ!!俺の浪漫を邪魔する不埒で無粋な野郎は?」


 振り返ったところにはセレネ、ソーラ、ノワルが立っていた。俺は慌てて立ち上がって機械を隠すような感じで後ずさる。な、何も無いですよ?


「零時!せっかく助けに来たのに何やってるの!」


「う・・・別に何も俺はしてないぞ?別に誰かに誘拐されただけだ!それにただ俺は襲い掛かってきたとても変な機械を捕まえて倒そうとしただけだ!」


 納得したのだろう、セレネはどうやら言葉に詰まったようだ。俺は満足して後ろの機械を更にがんじがらめにして(勿論、叫ばれては困るのでガムテープで口は防いである。)足で後ろに追いやった。あ、勿論丁寧に足でそっと押した。

 しかし、今度はソーラが口を開いた。目が引きつっている。


「・・・・零時君、確かに貴方を誘拐したのはその機械だけど・・・それ以前にそのこ、女の子だよ?女の子に暴力をふるうのは零時君じゃないよ。」


「勿論だ、俺はこんなに可愛い女の子に暴力をふるうことなんて絶対にしない。ちょっと中身を覗かしてもらうだけだ。ちょーとだけだからな。覗くだけだ。」


 俺がそういうとソーラは少し低い声で俺に話しかけてきた。その声には怒りが含まれているのは誰でもわかるだろう。空気を読めない人物は誰もいなかった。


「・・・・・零時君は・・・女の子に暴力をふるうわけないよね?」


 ごめん、俺はどうやら今まで追いかけてきた夢を捨てなきゃいけないみたい。だって、ソーラが怖いんだもん。セレネは悔しそうな顔してるし、ノワルは泣きそうな顔をしているのだ。これ以上、彼女たちの機嫌をよくないほうに持っていくのはさすがに・・・・片方の天秤が落ちるばかりだ。それはよくないことだ。


「・・・・ごめんなさい、俺が悪うございました!!お代官様、お許しくだせぇ!!」


「・・・・ん、よろしい。零時君、今すぐその人の口を塞いでいるガムテープを取ってあげて。ノワル、仮に彼女が襲い掛かってきたときのために零時君の近くに行ってあげて。絶対に油断しないでね?勿論、零時君の行動にも気をつけて。」


「わかったよ。さぁ零ちゃん、大人しくしてなさいな。」


 俺は未練残りまくりだったのだが、ゆっくりと痛くないように傷をつけないようにガムテープを取り、相手に謝った。土下座する勢いなのは気持ちの問題だ。


「いたいけない貴方に暴力を働いてすみません。そんな俺を許してください。」


「零時、その機械の女の子にまだ・・・・何もしてないよね?」


 セレネの質問に俺は頷く。むぅ、悔しいが認めざるおえんな。


「ああ、これからしようとしたときにセレネたちが来たからな。いやぁ、もうちょっと俺が早く意識が戻ってたら分からなかったけどな。悔しいな。」


「・・・・零時君、家に帰って覚悟しておいてね?立てないようにしてあげる。」


「冗談です、ソーラ師匠。俺はその場の空気を和ませようとしただけです。」


 縄を完璧に外し、俺は後ろから突き刺さるような視線を背中に浴びながら・・・相手を立たせた。勿論、今のうちに体の見た目の構造を頭の中に叩き込むことを忘れない。いつか、俺の手で似たようなものを作って見せるさ。それまで我慢。

 そんな俺の隣にソーラが立った。そして、立ち上がった相手を睨みつける。


「・・・・聞かせてもらいましょう。何故、零時君をさらった挙句に零時君に襲いかったのかを・・・・答えによってはスクラップになってもらいますよ?」


「なぁ、そこまでしなくていいんじゃないか?ほら、俺はこの通りぴんぴんしてるし・・・・いや、なんでもないです。俺が悪かったです、はい。」


 そういった俺をソーラは睨みつけて黙らせた。そ、そこまでしてくれなくてもいいのだが?こいつをスクラップにしたら俺がとても悲しむのだが?

 その眼光に相手もびびったのだろう、怯えながら話を始めた。まぁ、この状況(俺の師匠たちはとても実力派だからな。まぁ、一人・・・成長途中の魔法使いがいるのだが)どうやら俺と話していたときの口調は強がっていただけらしい。


「そ、それは・・・マスターの命令なのですよ。うぅ、私は従っただけです。」


「ほぉ?そのマスターとは誰ですか?今すぐここで名前を言ってください。ついでに、住所と電話番号、携帯のメールアドレス・・・・他の個人情報も病院にいきたくないなら教えてください。おっと病院ではなくリサイクルBOXですね。」


 この人怖いですよと言わんばかりの目を俺に向けてくる謎の機械・・・いや、俺を襲っておきながら俺に助けを求めるなんて図々しいにもほどがある。俺が助けるなんて思ったか?そんな甘い考えを・・・ええい、そんな目で俺を見るな!


「・・・・ソーラ、相手が怖がってるからちょっとは優しく言ってあげたらどうだ?ほら、こんなに怯えてるだろ?さすがに・・・女の子が怯えているの見てると俺としても寝覚めが・・・」


「・・・・うるさいですね、零時君は・・・いいですか、この人は機械です。女の子ではなく、単なる機械です。女の子の前に奇怪な機械なんです。」


 何処かの誰かは種族の先に来るのは性別だといっていたのではないのだろうか?あの、そこのところはどうなのでしょうか?気になるなぁ・・・・。


「ま、まぁ、今回は許してあげたらどうだろうか?な、一回だけは許してやろうぜ?ほら、俺たちもそろそろバイトの時間だろ?遅れたらまずいし・・・。」


 そういって俺は時計を見せた。これは本当のことだ。


「・・・・わかりました。今回だけは見逃してあげますよ。・・・一応聞いておきますが、貴女の名前は何ですか?それぐらいは答えられますよね?」


 再び睨みつけられた謎の機械がびくりと震え、がたがたしながら答える。


「ええと、私の名前はですねぇ・・・・『P−X001』でしゅ・・・い、いえ・・・通称は『ローザ』と呼ばれています。どうぞ、お見知りおきを・・・。」


 途中ソーラの睨むような視線に更に怯え、言葉を噛んだ。そして、ソーラは名前を聞き終えるとふんと鼻を鳴らして俺に告げた。他の二人は固まっている。


「・・・零時君、帰りましょう。ほら、行きますよ。」


「あ、ああ・・・・。」


 俺は名残惜しげに相手を見ていたのだが、ソーラに首根っこを押さえつけられて引きずられていったのであった。そして、ソーラは背中から羽を生やして去っていった。他の二人がようやく固まりを解いたのであった。


「あ、ちょっと待って・・・零時、ソーラ!!」


「零ちゃん!私たちを忘れてるって!!ソーラもさぁ・・・・置いてかないで!」


「いや・・・それはソーラに言ってくれ・・・って、ソーラ!!危ないぞ!!」


「・・・・零時君、落ちそうなら私に抱きついておいてください。」


 言われたとおり、俺はソーラに抱きついた。だって、首しか持ってないぞ。


「零時!何ソーラに抱きついてるの!!」


「え、だって・・・。」


「零ちゃん、だっては言い訳なんだよ?」


 二人に今度は責められてしまった。うん、責められたではなく、攻められたのだ。だって、俺たちの後ろからやってくるセレネとノワルはそれぞれ・・・・水の弾と黒い弾を持ってるんだもん。あれ、当たったら痛いで済まされないような気がするのだが?それも俺の気のせいだろうか?


「・・・・ソーラ、今日はどうかしたのか?具合、悪いのか?」


「・・・・零時君、私は本当に心配したんですよ?それなのに・・・この責任は取ってもらいます!!明日の午前十時、公園に必ず来てください。」


 有無言わさずに俺にそう告げたソーラの泣きそうな声は俺に唸らせる様に肯定の声を上げさせたのであった。え、なんだか今回のソーラ、おかしくない?


二十回目記念として何かをしようと思いましたが、特に思いつきませんでした。すみません。だけど、まぁ・・・・いいですね。今は三十回目に到達できることを祈りましょう。これからもよろしくお願いしますね?

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