表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『Cold Heart, Sweet Love ~かかって来い、私の初恋!これが恋だって、気づかなかった。』  作者: 季波


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/15

第1話「恋愛は戦略である」

「恋愛は戦略である」

凛はノートにそう書いた。

そして二重線で囲む。

さらに星印を三つ付け加える。



「よし」

満足そうに頷く。



「何やってんの、お前」

隣の席から声が飛んできた。



凛は慌ててノートを閉じた。

「あっ、今見たわね?」



「見てない」



「絶対見た」



「興味ないし」

柊は窓の外を見たまま答えた。



「何よ、その言い方」



「だって見たら怒るだろ」



「それはそうだけど」



「面倒くさいな」



「誰が面倒くさいよ!」

凛は机を叩いた。



すると柊は小さくため息をつく。

「ほらな」



「うっ……」

反論できない。



その時だった。

教室の空気が少しだけ変わる。

「あ、夜咲先輩だ」

「ほんとだ」

「今日も格好いいなぁ」



聞こえてきた名前に、凛の動きが止まった。

ゆっくり窓の外を見る。

校庭を歩く男子生徒。

整った顔立ち。



自然と人が集まる雰囲気。

夜咲海斗。

成績優秀。

運動万能。

性格も良い。

まさに完璧。



凛は真剣な顔で呟いた。

「通称――好感度の化け物王子」



「お前しか呼んでない」

即座に柊が返す。



「だって考えてみなさいよ」

凛は身を乗り出した。

「勉強できる」

指を一本立てる。

「運動できる」

二本目。

「顔がいい」

三本目。

「しかも優しい」

四本目。

「もう人類の性能じゃない」

「こんなの反則でしょ」



「最後で全部台無しだな」



「褒め言葉よ!」



「だから先輩の前で言うなって」

柊は呆れたように言った。



凛は聞いていなかった。

窓の外の夜咲だけを見ている。

そして。

ぎゅっと拳を握った。

「決めた」



「何を」



「私、夜咲先輩の彼女になる!」



柊は数秒黙った。

「はははっ」 「無理だろ」



「かかって来い、私の初恋!」

凛は勢いよく立ち上がる。



「絶対に付き合うんだから!」



教室中の視線が集まった。

数秒の沈黙。



「凛」



「何よ」



「誰に宣言してるんだ?」

凛は辺りを見回した。

誰もいない。



窓の外に向かって叫んでいた。



「ねぇ、騒がしいけど何かあったの?」 ちょうどその時、美琴が教室へ入ってきた。



柊が即答する。

「こいつ、今さっき夜咲先輩と付き合う宣言した」



「凛、大胆ね」



「しかも校庭に向かって」



「えっ?」



「本人に聞こえるレベルで」



凛の顔から血の気が引いた。

「うそ」

「聞こえてた?」

「……本人に?」

ゆっくり窓の外を見る。



夜咲がこちらを見ていた。

そして――困ったように笑った。



【主な登場人物】

真白ましろ りん高校一年生。 主人公。 強気で負けず嫌い。 恋愛経験ゼロ。 夜咲先輩に憧れていると思っている。


藤代ふじしろ しゅう 高校一年生。凛のクラスメイトで、昔からの友人。冷静でマイペース。凛の空回りを面白がって見ている。


桜井さくらい 美琴みこと高校一年生。

凛の幼なじみ。明るく社交的で誰とでも仲良くなれる人気者。面白いことと恋バナが大好きで、凛の恋愛作戦を楽しみながら応援している。からかうことも多いが、いざという時は頼れる親友。


夜咲よざき 海斗かいと 高校ニ年生。 学園で人気の先輩。 成績優秀で面倒見も良い。 誰にでも優しく、後輩から慕われている。 凛にとっては憧れの存在。

第1話を読んでいただきありがとうございました。

凛の初恋、開戦です。

少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ