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朱色のゲートウェイ ー境界ー  作者: 此花 陽
第4章:禁忌の淵

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「クチナシ」の真実


 コトシロが、蓮の石化した右腕を優しく撫でた。



「あなたは、自分が特別な才能で成功したと思っている。

 鬼童という男に復讐し、世界を手に入れたと。

 

 ……滑稽な話だ」



コトシロの声が、鋭く蓮の脳に突き刺さる。



「日本という国は、非常に効率的です。

 膨大な大衆のストレス、嫉妬、日々の不満。


 それらが蓄積し、国が腐りそうになると、彼らは『生贄』を欲しがる。


 ……まず一人の若者を祭り上げ、

 全能感を与え、富を与え、全人類の注目を浴びさせる。

 

 そして、その『器』に、

 日本中のドロドロとした負の感情をすべて流し込むのです」



 蓮の身体を侵食している石。


 それは、ハッキングの代償などではなかった。


 人々が蓮を「愛している」と叫びながら、

 その裏側で吐き出した


 **「なぜお前だけが」「お前もこっちへ落ちてこい」という呪いの結晶**


 そのものだったのだ。



「あなたは神に選ばれたのではない。

 

 日本中の『ゴミ』を一人で引き受けるための、

 使い捨ての『ゴミ箱』として選ばれたに過ぎない。


 ……鬼童も、あの狂ったファンたちも、そして私との契約も。


 すべては、あなたをこの『最終的な解体』へと導くための演出だったのですよ」



 蓮は絶望に膝をついた。


 自分が手に入れたと思っていた「黄金の帝国」は、

 自分を効率的に太らせ、最後においしく食らうための「肥育箱」だったのだ___。



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