シュガーの日常
早朝の目覚ましが鳴り、男はわずかに眉をひそめ、温かい布団から手を伸ばしてアラームを止めた。
「ん……あと五分だけ寝よう……」
独り言を言いながら、意識は徐々に覚醒し、誰かとの約束を思い出し、仕方なく布団を跳ねのけた。
素早く洗顔と着替えを済ませ、朝食を数口食べると、時間を確認した。
「うん、時間にはまだ余裕がある。」
リュックサックを背負い、ゆっくりとした足取りで学校へ向かった。
部屋の中で目覚ましが鳴り響き、女は眉をひそめ、布団を引っ張って頭まですっぽりとかぶった。
「……あと五分……」
しかし、うつらうつらとしながらふと時計を見ると、瞳が大きく見開かれた。
「やばい!遅刻だ!」
勢いよく起き上がり、慌てて服を着替え、顔を洗い歯を磨き、朝食は牛乳を数口飲んだだけで、慌ただしくリュックサックを掴んで学校へ猛ダッシュした。
校門の柵のそばで、男は壁に寄りかかり、両手をポケットに突っ込み、行き交う学生たちを眺めながら、口元に笑みを浮かべていた。これから起こることを確信しているようだ。
案の定、しばらくすると、息を切らせた見慣れた人影が走ってきた。
「はあ……はあ……ま、間に合った……?」
男は軽く笑い、指を伸ばして女の額を軽く突いた。
「どうやら僕の勝ちみたいだね。」
女は唇を尖らせ、不満そうに突かれた額をさすった。
「むー……不公平だ!」
「どこが不公平なの?」
「あなたはきっと二度寝なんてしなかったし、私より早く起きたんでしょう!」
「んふん、これは努力の成果だよ、僕のせいじゃないだろう?」
「ふん、次は絶対勝つんだから!」
男は笑いながら手を伸ばして女の頭を優しく撫でた。
「じゃあ、楽しみにしているよ。」
——この日の甘い日常は、この小さな勝負から始まった。
午前の授業中、女はずっとあくびをしながら、なんとか授業を聞いていたが、昼食前の最後の授業でついに耐えきれず、がくりと机に突っ伏し、完全にダウンしてしまった。しかし、先生は容赦なく彼女に向かってチョークを投げつけ、見事に額に命中した。
「うー……」彼女は額をさすりながら、不満そうに先生を睨みつけたが、仕方なく体を起こし、目を大きく開けて授業を聞き続けた。
昼食の時間、学生食堂は人でごった返していた。女は両手を軽く叩きながら、向かいに座る男を期待に満ちた表情で見つめた。
「デートしようよ!二人きりで過ごすの、すごく久しぶりだもん!」彼女は興奮して提案した。
しかし、男は自分の昼食に夢中で、彼女の甘えに全く気づいていない。それを見た女は頬を膨らませ、ふんと鼻を鳴らし、彼の食事を食器ごと奪い取った。
「おい——」男は困ったように彼女を見た。「これじゃ僕の昼食がなくなっちゃうよ?」
「だって、無視するから!」女は得意げに食器を振り回し、口元に勝利の笑みを浮かべた。
彼女がこんなにデートをせがむのは、実は先日の中間試験が忙しく、全然二人でゆっくり過ごす時間がなかったからだ。そして彼女は、とりわけ甘えん坊だった。
男は仕方なくため息をつき、手に持っていた飲み物を置いて、ようやく彼女の頼みを真剣に受け止めた。
「じゃあ、放課後どこへ行く?」
その言葉を聞いた女は目を輝かせ、迷わず答えた——
「商店街!」
午後の授業も相変わらず退屈極まりなく、女は何度チョークをぶつけられたかわからないほどだったが、ついに放課後のチャイムが鳴った。彼女は待ちきれないとばかりに男の手を引き、まるで最終電車に乗り遅れないようにとばかりに、慌ただしく校門を飛び出した。
二人は賑やかな商店街にやってきた。女は目をキラキラと輝かせ、まるで遊園地に来た子供のように、興奮してあちこちを見回した。
「まず洋服屋さんに行こう!」彼女は男の袖を引っ張り、目指す店へと一直線に向かった。
試着室の中で、女は可愛らしいワンピースに着替え、くるりと一回転して期待を込めて男を見た。
「どう?」
男は真剣にじっくりと見つめ、頷いた。「とても似合っているよ。」
女は満足そうに笑い、すぐに男を次の目的地——クレーンゲームのコーナーへと引っ張っていった。
「あのウサギさん、すごく可愛い!」
女は両手を合わせ、男を見上げた。「取ってよ!」
男は苦笑しながらコインを投入し、挑戦を始めたが、何度か失敗した後、女は我慢できずに交代し、すると彼女は運良く一発で成功させた。
「ふふん、やっぱり私の方が上手でしょ!」彼女は得意げに戦利品を抱きしめた。
それから二人は雑貨店にも立ち寄り、ぶらぶらと見て回った後、お腹が空いてきたので、温かい雰囲気の小さなレストランを選んで夕食を共にした。
夕食後、二人はすぐに帰らず、手をつないで公園をゆっくりと散歩した。夜の帳が下り、そよ風が木の葉を揺らし、街灯が柔らかな光を投げかけていた。
「今日、本当に楽しかった。」女はそっと男の肩に寄りかかり、どこか満足げな口調で言った。
男は軽く笑い、手を伸ばして彼女の頭を撫でた。「ああ。」
いつの間にか、女の家の前に着いていたが、彼女は男の腕にしっかりと抱きつき、甘えるように首を横に振った。
「帰ってほしくない……」
男は苦笑した。「明日も授業があるだろう?」
「でも……」
彼女は少し唇を尖らせ、頬を赤らめた。
男は困ったようにため息をつき、結局玄関先でしばらく彼女と話し、彼女が満足そうに笑顔を見せるまで、名残惜しそうに別れを告げた。
彼女がドアを閉めた瞬間、男はそっと微笑み、振り返って家路についた。足取りは軽く、口元にはかすかな笑みが浮かんでいた。
女は玄関に立ち、背中をそっとドアに預け、頬を赤らめて小さくつぶやいた。「本当は残ってほしかったのに……どうして言えなかったんだろう……」
そう呟いた途端、女の顔はさらに熱くなり、まるで茹で上がったエビのように真っ赤になり、すっかり慌ててしまった。深呼吸を一つして、自分の頬を叩き、冷静になろうと試みた。
リビングに入ると、母親がソファに座ってテレビを見ていた。女は少し声を上げて言った。「ただいま。」
母親は娘を一瞥し、笑って言った。「ずいぶんと遅かったわね。」
女は少しうつむき、そっとつま先を立て、何も言わずに急いで二階へ着替えに行った。
浴室では、温かい湯が優しく肌を洗い流していた。泡だらけの腕が水面に浮かび、頭の中は男の姿でいっぱいだった。
「今日の彼の笑顔……ずるいなぁ……」
女は唇を尖らせ、手に持った泡を顔に塗りつけ、頭の中に浮かんでくる姿を追い払おうとした。しかし次の瞬間、自分でも思わず笑ってしまった。
「うう、だめだめ、早く洗って、もう彼のことは考えない!」彼女は勢いよく水を払い、我に返った。
風呂から上がり、部屋に戻って小説や漫画を開いたが、どうしても内容が頭に入ってこない。結局宿題を取り出し、無理やり勉強に集中した。
夜が更け、窓の外から虫の声が聞こえてくる。女はようやく全ての宿題を終え、伸びをしてから、柔らかい布団に潜り込んだ。
ぼんやりとした眠気が襲ってくる中、小さく呟いた。「明日こそ……絶対彼に勝つんだ……」
夜は静けさに包まれ、温かい夢がそっと訪れた。




