男の娘の憤怒モード
地下20階のフロアボスの部屋にライトは単騎で突撃した。
激おこで理性がほとんど飛んでる状態で扉を開けると、そこにはオーラだだ漏れのライトでも驚く光景が広がっていた。
なんと、巨大な九尾狐が300近くの雑魚の動物型モンスターを従えていたのだ。
しかも、それはライトに睨まれた程度で心停止する連中とは全然違う。
確実に一体一体がかなりの力を持っている。
それを相手するのにライトはいきなり両方の羽を出した。
「八つ当たりにはちょうど良さそうだが、ここのボスはモンスターハウスにでも住んでるのか?」
引きつった苦笑いでそう言うと、声で敵の侵入に気付いて雑魚が襲ってきた。
部下達が襲いに行ってる間、ボスはライトを凝視して様子を伺っていた。
「我に対して飛びかかるとは。不敬であるぞ!」
飛びかかる雑魚に上から見下ろされてる気がしてムカついたので叩き落とした。
ライトには銀のカゲロウの羽が4枚あるので、それで素早く飛んで敵を撃ち落とすなど造作もない。
「我は純白な服を着込む大将である。貴様らごときが一瞬でも上をとるなど、許されることではない!」
空中で下にいる雑魚どもを見下ろしてそう叫んだ。
その一喝で真下の雑魚どもはしびれて身動きが取れなくなった。
さらに、見えない何かに捕まって完全に動きを封じられた。
「〈見えざる蟻地獄〉我が力は蟻地獄とカゲロウのものなり。貴様らごときが我の罠から逃げられると思うな」
見下した顔で純白の大将はそう言った。
その様子を見ていたボスは厄介な魔法を一目見て対策が思いついたらしい。
そして、その対策を部下達に伝達させた。
そうすることで真下の雑魚の処理を楽しもうとしていたライトに一撃が入った。
「なっ!我に横から攻撃だと!何をした!」
怒りながらライトが攻撃の方向を見ると、ボスの指示で蟻地獄に捕まらないように跳ねたり走ったりして移動を続ける雑魚が見えた。
「あー、なるほどな。我の攻撃を避けるのにそうしたわけか。舐めてるのか?」
そう言うと〈乱反射の獄〉を発動して無数の羽を縦横無尽に飛ばした。
それは特に移動を続ける雑魚に当たって倒していった。
ボスはその地獄絵図の中で気配を殺してなるべく攻撃が当たらないようにしていた。
「ビュンビュン飛ばしてるんだから死に晒せ!」
狂乱のライトがおまけにそう言うと魔力を追って反射するようになった。
それによって全ての雑魚が断末魔をあげて3分間で全滅した。
「ふぅ、スッキリした。でも、まだ残ってるな。今日の最終戦闘になるから我の本日最後の実験に付き合ってもらうぞ」
雑魚が砕ける中、1番奥で座ってゆったりとして九尾狐にライトはそう言った。
すると、こいつも高貴な雰囲気で立ち上がり、いきなり幻術をかけようとしてきた。
だが、ライトには効かなかった。
「すまないな。そう言うのはこの装備には効かないんだ。悪く思わないでくれ」
本当にすまないという顔でそう言うと、九尾狐は敵なのかと疑問を持たせるような行動をした。
それは、敵であるライトにこちらこそすまないと頭を下げたのだ。
その姿に傲慢で冷徹なライトは感銘を受けた。
だから、倒すのに実験的な弱い力を使うのをやめた。
「やめだ。今から本気でやってやる。〈憤怒モード〉で貯めた怒りを出してやるから覚悟しろ」
本当に高貴なモンスターに敬意を払ってライトは本気を出した。
〈憤怒モード〉は産まれてから今までに貯めてきた全ての怒りを少量ずつ消費して自信を強化する力だ。
それによってライトはさっきまでとは比べ物にならほどのオーラを出した。
「死ぬ時も威厳を持って死にたいだろう。なぁ?貴様になら許可する。静かな怒りほど恐ろしいものが無いことを教えてやる」
悪魔のような顔でそう言うと覚悟を決めて戦うことを諦めた九尾狐に背中の羽を取って向けた。
それはまるで刃のようなので、ライトのお得意の剣術で終わらせる気なのだ。
化け物を前にしても逃げることもしない九尾狐、ライトは苦しめないために素早く動いてスッと切った。
そして、怒りのオーラをさっきまでの大きさに戻した。
そこから一気にほぼ通常状態になった。
「ゆっくりと休め。ゲームのモンスターであろうと、思考がある時点で一つの存在なのだから」
顔を伏せて優しくそう言うと、九尾狐は消えながらコンッと鳴き声を残して行った。
〈憤怒モード〉と〈怒り制御〉を獲得したライトは、ここでキャンプにワープしてからゲームを終わらせた。




