男の娘のイベント終了後
イベント終了後にライトとスペードは宿に戻ろうとして呼び止められた。
呼び止めたのはクラスメイト達だった。
委員長が先頭に立って最初に頭を下げた。
「ごめんなさい!ここまでするような人を無視してなんて!私達はその人の才能や努力を踏みにじってた!本当にごめんなさい!」
委員長がそう言うと全員が続いて「ごめんなさい!」と頭を下げた。
あのバカ達も一応頭を下げている。
努力で誰も寄せ付けない強者になった。そんな相手をバカにするのは雑魚のすることだとイベント終盤に委員長に言われたからだ。
「頭を上げてよ。僕はもう何もしないからさ。ていうか、僕はみんなに感謝してるんだよ。みんながいたからこのゲームに会えてスペードを恋人にできたんだからさ」
そう言うライトの目は鋭い剣士の目ではなく、とても暖かい恋人想いの旦那か嫁の顔をしていた。
それを見てクラスメイト達はホッとした。
ここで殴られる覚悟もしてたから許してもらえて心底ホッとしている。
「でも、今度弱み握ってきたら容赦なく相手するから、覚悟しといて」
ホッとさせてからライトは鋭い威圧感のある目を向けた。
イベントを見にきた全クラスメイトがそれにゾクッとして、感じたこともないような恐怖を味わった。
これが俗に言う死を目の前にした感覚なのかと委員長は特に鳥肌が立ってそれを実感した。
ゲームでもリアルでも剣術を嗜むライトだからできることだ。
それにビビりながら3人がこの場でパーティーを結成して2人に向けて宣言した。
「今のはビビったけど、今からゲームを進めてビビらずに立ち向かえるようになります!あなたはもはや人生のかっこよくなる目標です!絶対に追いつきます!」
こっそりと委員長とバカどものリーダーとクラス唯一の体術使いがパーティーを結成した。
委員長でレイピア使いの紫月有彩、プレイヤーネーム〈マリア〉で通常ランキング1462位。
いじめ主犯格で本来は真面目な近所の最高なお兄さん、槍と盾使いの黒崎裕一、プレイヤーネーム〈メシア〉で通常ランキング2067位。
明とやり合った経験があって、剣道に敗れた格闘家、グローブ装備の桃井健也、プレイヤーネーム〈ナックル〉で通常ランキング921位。
今回の件は片付いたけれど、面倒なクラスメイトが敵になって楽しくなりそうだ。
ライトはこの3人のポテンシャルは知ってるから、いつかやり合うのが楽しみになった。
「僕はこのゲームのイベント初代チャンピオンだからね。期待して挑戦者を待ってるよ」
一気に天狗になったライトに3人は真剣な目を向けた。
「人間はいつでも挑戦者です。ゲームではエルフにしましたから、それ専用の魔法で対策します」
「今度は陰湿じゃなく正々堂々だ。今までのすまないという気持ちを乗せて次のイベントで渡してやるよ」
「あの時のことは忘れてない。今度こそ拳と蹴りであなたを倒す!」
かっこつけて3人はそう言うと、クラスメイト達から離れて森に向かった。
あのパーティーは本気らしい。
てか、いつの間にかフレンド申請がライトに送られてきたので、それを返してフレンド成立した。
フレンドとやるイベントが来たら間違いなくあの3人と手を組むことになるだろう。
スペードにはあの3人の悔しさが伝わってきてたから強くなるのを確信している。
その時が来たらと考えると、期待が止まらなかった。
あの3人は行ってしまったのでクラスメイト達はバラバラと帰って行った。
その中の9人くらいが残って、その人達も打倒ライトを目指してゲームを真面目にやるつもりになったのが見えた。
ライトは自分を中心にゲーム環境が変化するのを見て嬉しく思っている。
だから、強そうなクラスメイト達がライバルになるのは楽しくてしょうがない。
ただ、そんなに強くならなければまた捻り潰すことになるだろうけれど。
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ライトとスペードは宿に戻ってイベントの賞品を確認しようとしている。
その前に2人とも掲示板サイトを確認した。
2人についてのスレが立って色々と騒がれている。
その中には対策を考えるものもあったけど、結論は何度やっても魔法の獲得と、ステータスの振り方の見直しと、装備の強化になった。
それを見て2人はクスクスと笑っている。




