第3話 何とかなりそう…か?
アイドル要素はまだしばらく無いです。
「それでだな、私の方は新入部員を連れて来たぞ」
ふーん…中々いい仕事してますね…
あ…椅子出さないと。あとお茶も。
「じゃあ…二人ともここに座って?」
「ああ、ありがとう先輩」
「じゃあ、とりあえず自己紹介してもらってもいいか?」
「1年A組、大友 唯です。宜しくお願いします。」
おお…何だか大和撫子って感じがするな。無論、可愛い。
「ところで、玲奈ちゃんはどういう経緯でこの子を連れて来たの?」
「昨日私がアイドル同好会に興味を持っている人がいると言っただろう?それがこの大友さんと言う訳だ」
「なるほどね」
これで三人集まったから後二人、か。意外と部員数に関しては何とかなりそう…か?
「それで、他に二人に当てはあったりする…か?」
「私は自分のクラス以外の事はあまり分からないから、特に当ては無いぞ」
「私も結城さんと一緒です」
「んー…どうしようかな」
この後色々案を考えたが、結局いい案は出ずに、時間だけが過ぎて行った。こんなんで大丈夫か…?
「もうこんな時間だし、今日はここらで終わりにするか」
「うん、じゃあそうしよっか」
「大友さんは入部って事でいいかな?」
「お願いします」
「分かりました」
PM06:30 帰路
ここで二人は元の話し方に戻った。楽に会話が出来るほぼ唯一の時間である。俺はこの時間が楽しみでしょうがないのだ。
「あぁーっ…ものすごく疲れたね」(身体が波多野、心が今川)
「そうだな」(身体が今川、心が波多野)
「これってさぁ…何時になったら戻れるんだろうね」
「ずっとこのままだけは嫌だな」
「うう…元の身体に早く戻りたいな」
「俺も」
「ところでさぁ、アイドルコンテストで使う曲も作らないといけないけど…間に合うかな?」
「あと一ヶ月半後だから、微妙だな」
「どうするか考えておかないとね」
「そうだな」
PM07:30 今川家にて
「ただいま」
「おかえり、凪。夜ご飯食べちゃって」
「はーい」
昨日と同じように夜ご飯を食べ、お風呂に入ってから自分の部屋に向かった。
「はぁ…今日も疲れたな」
ここまで丸一日今川さんとして生活してきた中で、一つ分かった事がある。それは…「トイレ」が大変、と言う事だ。
何が大変かと言うと、そもそも元の身体とは何から何まで違うので、中々出ないのだ。それに…今川さんの「あれ」が………
はっ…全く俺は何を考えてるんだ。今はそれが自分の身体だと言うのに…
ん?待てよ待てよ…俺がこういう状態と言う事は今は俺の身体の今川さんも…
何か急に恥ずかしくなって来た。…今日はもう寝よう。
4/14 AM08:15 2年D組 教室にて
今川さんと入れ替わり生活、三日目である。流石にもう今川さんのふりは疲れて来た…
「波多野君、おはよ〜」
「今日もこのままだったな」(身体が今川、心が波多野)
「うーん…もうずっとこのままなのかな」(身体が波多野、心が今川)
「そんな事は無い…と思う」
「そう思うしか無いのかなぁ」
「とりあえずは…な」
実際元に戻れるはずだ、と言うのは俺の心の中の望みとして存在している。最早そうなればいいな、と思う程度となってしまったが。
「そう言えば私たちってL〇NE交換してないよね?」
「そうだな」
「交換しておこうよ、一応」
「ああ」
と言う訳で俺達は〇INEを交換しておく事にした。やっぱり情報の共有は大事だからな。
「これでとりあえずは何とかなるかな?」
「多分な」
この超可愛い今川さん(今は俺の身体だが)とLI〇E交換出来たのがめちゃくちゃ嬉しかったのは秘密である。
PM04:30 アイドル同好会 部室にて
「…と言う訳で、そのアイドルコンテストで使う曲をあと半月後には完成させないといけないんだけど、二人はどっちか作曲出来る?作詞は私と波多野君でやるとしてさ」
「えっ」(聞いて無いんですけど)
「私は一応作曲はできるぞ」
「私も出来ますよ」
「二人とも出来るの?うーん…じゃあ、二人で一緒に考えて来てくれるかな?」
「了解しました」
「分かったぞ」
「そうだな…曲が出来るまでやる事も無いしな」
「じゃあ、部員集めの方法でも考える?」
「よし、決まりだな」
「何かいい案はある?」
「「「うーん…」」」
あれ?この流れ、ちょっと前に見たような…
「あーっ!」
!?…あーびっくりした…急に大声出さないでくれよ、今川さん…
「大友さんってさ、この部が廃部寸前って知ってたっけ?」
「直接は言われて無いですけど、話の内容とか聞いてたら分かりますよ」
「だったら良いんだけどな」
その後も結局、いい案は出ずに時間となってしまった。この流れもちょっと前に見たような…
PM09:00 今川家にて
俺は早速今日交換したLIN〇を使って今川さん(今は俺の身体だが)と曲の歌詞について話し合う。ちなみに文脈は元の状態の感じである。
「何か作詞でいい案はあるか?」
「曲作ってる二人の感じが分からないとどうしようもないよね」
「そうだな」
「波多野君ってどっちかのLI〇E持って無いの?私は持ってないけど」
「俺も持ってないな…あ、そー言えば犬山が結城さんと中学時代同じ部活だったって言ってたと思う」
「じゃあ聞いてみる?」
「頼む」