第2話 やっぱり入れ替わってる…よな?
「「わーっ!?」」
ん…んん?何で気を失って…ああ、そうだ。雷が目の前に落ちてきて…
「うーん…」
「今川さん大丈夫…って…え?」
「どうしたの…って…ん?」
「「…」」
「「ええーっ!?」」
「「な、何で俺(私)の身体が俺(私)の目の前に?」」
い、今川さんが俺で、俺が今川さん?どういう事だ?
「ちょっと待って、これどういう事なの?」
「うん、認めたくはないが、認めたくはないが…俺たち、」
「入れ替わってる…って事かな?」
「多分」
「とりあえずお互いの家族には迷惑とか掛けたくないから…この事は二人だけの秘密、と言う事にしておこう」
「そう…だね」
しかし一体どうしたものか…と言うかこれって元に戻れるのか?一生このままとかはやめてくれよ…
「これをどうするかは明日考えるとして、今日はこのままお互いの家に帰ろう?」
「まあ、そうするしか無い…か」
PM07:45 今川家にて
「た、ただいま」
「あら、おかえり凪。お風呂入れるわよ」
「わ、分かった」
うーん…お風呂か。今川さんの身体で入るのか…
………駄目だ駄目だ。幾ら何でもそんな事は駄目に決まっている。何も考えずに…
「ふぅ…」
よし、何とか普通に風呂に入れた。でも、何だか違和感が凄い。今川さんは胸も結構あるのだ。そこが…ね?
そう言えば、今川さんのお母さんもかなりの美人だったな。今川さんがこんなに可愛いのも納得、と言う感じだ。
他人の身体とはいえ、やはり風呂と言うのは最高に気持ちいいものだ。出来れば自分の身体が良かったが…
風呂から上がり、夜ご飯を食べ、俺(?)は二階にある今川さんの部屋に入った。
普通の可愛い女の子の部屋、って感じだな。だが、小物や雑誌などはアイドルの物が多い。アイドルが好きと言う事が良く分かるな。
何だかいい匂いがする。どうして女の子の部屋っていい匂いがするんだろうな。
「ん…もうすぐ10時か。とりあえず寝ようかな」
俺(?)はベッドで横になった。今川さんは大丈夫だろうか。
「元に…戻れるといいな」
まあ、この身体も悪くないけど。
4/13 AM07:00 今川家にて
「うーん…やっぱりこのままか」
一晩明け、もしかしたら元に戻って居るかも知れないと思ったが…そのままだった。
「まあ、とりあえず普通に学校に行くしか無いよな」
と言う訳で制服を着ようとしたのだが…着方が分からない。
「どうやって着るんだコレ…」
何とか制服を着た俺(?)は二階の部屋から一階のリビングに行き、朝ご飯を食べた。
とりあえず学校に着いたら今川さ…じゃなくて今は波多野君だな(自分の名前を君付けで呼ぶのは気持ち悪いな)、とこれからどうするか話し合わないとな。
「…やっぱ慣れねえな、この身体」
AM07:45 電車の中にて
今は電車に乗っている訳だが、ここでは周囲の人の目もあるので出来るだけ女の子らしくしなければならない。
それにしても…何だか周りの目線が気になるな。やはりルックスのせい(おかげ)なのか?見られるのがこんなに気になるとは。
普段の(波多野 秀樹の)時の俺は学校からそれ程離れていないから徒歩で登校している(普段は学校から一番近い駅で今川さんと別れている)が、まさか電車通学がこんなに辛いものとはな…この人の多さだけでも疲れてくる。大変だな、電車通学。
AM08:30 2年D組 教室にて
はあ…やっと着いた。ってうわっ、遅刻ギリギリだな…
「おはよ〜、珍しいね、遅刻ギリギリなんて。どうしたの?」
ん…?ああ、浪岡さんか。確か今川さんとは幼なじみで親友、とか犬山が言ってた様な気がするな。ここは今川さんっぽく…
「おはよ〜。いやぁ、ちょっと寝坊しちゃってさ…」
「本当昔から凪は朝に弱いんだからね」
「本当にね」
そう言えば、今川さん(身体は波多野 秀樹だがな)はどこだ?…あ、いた。
「い…波多野君」
「は…今川さん、どうした?」
何で二人とも同じような間違いしかけてるんだか。と言うか、今川さんの無理やり波多野君やってますよ感が凄いな。俺も人の事言えないけど…
ここで二人とも普段の話し方に戻る。もう力が尽きた…
「今川さんの方はどうだった?」
「んー…まあ何とか…」
「今川さんも俺も、とりあえず部活までは頑張ってお互いの普段の感じでいよう。」
「そうだね」
今川さんが何とか無事で良かった。うーん…普段の今川さんの感じで一日持つんだか…
AM11:45 2年D組 教室にて
「…なのでこの式のxの解は3になると言う事だが、そもそもxと言うのは…」
「あー…眠い」
うーん…今川さんとして授業を受けるのも楽じゃないな。何せ寝てはいけないと言う俺にとっては厳しい制限があるからな。
数学も面白く無いしな…真面目に授業を受けるのは辛いな。
PM04:30 アイドル同好会 部室にて
「ふぅ…波多野君として生活するのも大変だね」
「俺も疲れたな」
「そう言えばさ…部員を集めるのにどうしたらいいと思う?」
「ごめん、俺すっかりその事忘れてた」
「失礼するぞ」
「「げっ…」」
「先輩たち、どうかしたか?」
この一日で意外と慣れたもので、二人とも瞬時にお互い入れ替わっている方の動きになった。
「いやいや、別に?」(身体が波多野、心が今川)
「うん、どうかしたの?」(身体が今川、心が波多野)
「…だったらいいのだが」
「「あ、そう」」
「それでだな、私の方は新入部員を連れて来たぞ」




