第10話 休日のリガシエ
お久です!
日曜日のリガシエ。
日曜日に不定休を取るリガシエに和音一行が集まっていた。
「ごめんね〜もう少しかかりそうだから〜…」
「なんかめっちゃいっぱい作ってるんだな…」
空さん、好、天音がキッチン…と言っても、デカイ業務用のキッチンだが…そこでせっせと料理を作っていた。
「こんなに作って食べられるのかな…」
少し苦笑しながら鈴音がポロっとこぼしていた。
こう見ていると3人は本当に”料理のできるプロ”に見えてくるなと改めて感じた。
まず好だが、好の出で立ちはいつも家で料理をする時のエプロンではなく、リガシエの制服のブラウスを着ている。服に筆記体で” Cafe Regalo del cielo”と書いている制服だ。
それだけでなんかもういつもとオーラが違った。いつもの自由な人のオーラじゃない…好じゃないみたいとでも言おうか。
なんなんだこの人。
今は、見てて明らかにチャーハンを作っていた。あのテレビでよく見かけるフライパンを動かして空中にチャーハンを舞わせて混ぜるアレである。
…あれなんて言うか分からないけどね…
でも、あれやってるだけですっごい料理ができそうに見える…けどさ。
喫茶店にチャーハン?
おかしくない?
そう言ってたら好が来た。
「ふ〜…やっぱり、チャーハンを作るのは疲れるぅ〜…汗こんなにかくの久しぶりかも…」
汗を拭う好。
「相変わらず、中華系統は好ちゃんに叶いそうにないわねぇ…」
空さんが声をかけた。
「いや〜、空さんも上手いじゃないの…。」
「いやぁ〜、女性でチェーンの餃子王で大元の料理長にまで上り詰めてるんだからぁ〜…中華料理は絶対に負けちゃうわ〜。」
「あ〜もう!その話はやめてって言ってるじゃ〜ん!!恥ずかしい…」
2人がめっちゃ盛り上がっている。
「え…ちょっと待ってください!好さんって、昔そんなに偉かったんですかぁ!!??」
こちらもめっちゃ悪魔ちゃんが驚いている。
「私も餃子王にいたのは知っているが、そこまで上り詰めてるとか知らなかったぞ…」
透桃もびっくりしている。
無理もないだろう。この人は大手中華料理大手チェーンの餃子王で店内の料理長をしていたのだ。そこから、県の料理系のお偉いさんになれるようだったが、こ〜んな自由な好は、途中でやめてしまったのだ。らしいよね。
「もーう!その話はもう嫌なのよも〜…」
ちょっと照れ気味の好。
「そーなのよ。だから、好ちゃんが一番上手なのは中華料理なのよ〜。だからリガシエでもその腕を…本領発揮してもらおうかな〜…と思ってね。」
ニコニコしている空さん。
どうやらこの好の過去を知ってもらえてよっぽど嬉しいらしい。
「あ〜!恥ずかしいわね〜!」
赤くなっている好。こちらは相当恥ずかしいらしい。
大昔に「あんなの黒歴史だから言いたくないの…」と言っていた。何がダメなんだろう。よく分からない。
「あの時は、いろいろあったんだよねぇ〜好ちゃ〜ん。」
ニヤニヤしている空さん。
「あああああああ!!!!それ以上はやめて空ちゃ〜ん!!!」
絶対になんかやらかしたんだろ…母さん…。
「そんな事言ったら、空さんだって、イタリア料理系が最強でしょ〜?だって、昔イタリア行ってたんですからね。料理修行にね〜。」
天音がそこに口を挟んできた。
そう言いつつ、天音はオムライスを再び作っていた。卵の部分を作っているが、その手さばきがすごい。ホントに高3なのかよと思うほどだ。
好と空さんとでも引けを取らないんじゃないかな。争えそうだ。
「ええっ!?空さんもイタリアで修行してたんですか!!」
「それは聞いてないぞ!?」
「私も知らなかった…」
鈴音まで今度はびっくりしていた。
「それは…あのさ…」
空さんが珍しく明らかに動揺している。
「そうね。空ちゃんは、20歳の時にイタリアに料理修行に行って、イタリア料理は神の領域に入っちゃってるわね…」
先程の反撃とばかりに、好が言っている。
「だから、新メニューにパスタを入れることにしたのよ。」
好が今度はニヤニヤしている。
「も、も〜う…そうね。過去が恥ずかしいのはお互い様だったわね…恥ずかしいわ…」
空さんも恥ずかしそうだ。
「すごい…リガシエには2人の料理の神が2人がいるわけですねー!」
目をキラキラさせる悪魔ちゃん。
「やめてよ〜悪魔ちゃん!」
「もーう好ちゃんこういう過去の話は恥ずかしいわね〜。」
照れている2人は幼馴染みらしい。2人は仲が良く、同じく2人とも料理の道へと進み、2人とも出世したが、2人ともやめてリガシエを作ったというわけだ。
自由な2人を物語る人生だ。人生を楽しんでいそうだ。羨ましい。
「さて、全部完成したわよ〜!」
テーブルの上には大量の料理が乗っている。
流石に全部小ぶりだが…
「これ全部作ったのか…?」透桃が目を見開く。
「エヘン!全部作ったのでーす!」
好が胸を張る。
「エヘン!」
空さんも続く。
…2人の膨らみに格差がある気がするが、そこはスルーしておこう。
「これはさっき天音が作っていたオムライスだな。」
透桃がオムライスに反応していた。
「オムライスしかまだ上手に作れないんだけどね…」
天音がポリポリしながら苦笑する。
「そんな事言って〜。他のも上手よ?」
空さんが微笑む。
「そんな事ないですよ…」
「いや〜これは美味しいですね〜!」
悪魔ちゃんが食べている。天音のオムライスはうまいからなぁ…
「私達に教えてね〜!天音ちゃん。」
「ええっ!もう一人で出来るじゃないですか…」
「これがいいのよ。お願いねっ!」
「はっ、はい!」
いつも天真爛漫な天音が2人に押されている。
「で、これがおばさんが作ったチャーハンだな。パラパラでうまいぞー!」
「さすが好ちゃ〜ん!パラパラね!」
「空ちゃん茶化さないでよ〜…体が覚えてるんだから!絶対に美味しいからね!」
ちょっと開き直った様子の好。
「喫茶店にチャーハンってなんかおかしい気もするけど、好ちゃんのこの中華料理スキルが勿体無いから決定ね!」
…やっぱり空さんも自由な人だ。
「さて、次はスパゲッティだね!ナポリタンにカルボナーラ…パスタって事は空さんですね!」
悪魔ちゃんがそのスパゲッティに驚きの目で見ている。
「はーい!そうですよ私です!結構本気でいい出来になったと思うよ〜!」
空さんも開き直ったようだ。
皿への置き方がマジだ。巻いて置いている。これだけで美味しそうに見える。というか絶対うまいだろこれ。
「なんでこんなに美味しいんだろ…」悪魔ちゃんが漏らしている。
スパゲッティの茹で加減がすごい。なんで茹でるだけなのにここまで違うのだろうか。
「喫茶店にスパゲッティならいいでしょ?」
空さんが笑顔だ。
サンドイッチとかもあり、新メニュー選考会は盛り上がった。
3人の料理スキルを改めて感じる事になった…
「ねー天音ちゃん。うちでバイトしてかない?本当にいい逸材だわ〜!」
「天音だったら、十二分にやれるわ〜。」
2人がまた天音を弄り始めたようだ。
「そ、そんな事ないですよー…」
「こういう実践でやっていくレベルに来てるわよ〜。制服もあなたらしいの用意してるから!」
「うーん…やってみようかなぁ…確かに実践大事ですからね〜…」
「じゃあ、一回制服着てみようよ…」
「そうねぇ…」
2人がニヤニヤしている。
————————更衣室から声が微かに聞こえてくる…
「え…これですか?」
「天音ちゃんの個性を表した結果よ?」
「いいんですかこれ…」
「いいじゃない天音。私達もコッチの人間なんだから、ほ〜ら。私達より大きい物持ってるんだし…」
「あぁん!もーう!色々とダメな気がするけど、分かりましたよー!!」
「絶対可愛いわー…」
「いつもなら乗れるのに、なんで恥ずかしくなってるんだろ私…」
天音は主導権を握られるとダメなタイプのようだ。
20分後。ガチャっとドアが開いた。
「さあ天音ちゃん出てきて〜!」
恐る恐る出てくる天音。
その姿に沈黙が発生した。
天音の姿は凄かった。メイド服っぽいのを着ているのだが、バーニーのように胸が無防備だった。こぼれそうだ。
沈黙のリガシエ。
ブーンブーン…
バイブが鳴っている。
「あ、もしもし?ママどしたの?…え?…うん。わかった…」
悪魔ちゃんが明らかにテンションが下がっていっている。
「今度の祝日お留守番してって言われた…無理だよ…」
なんだこれ、色々起きすぎててイミワカンナイんだけど…
また間隔開くかもしれないですけどお願いします!!




