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外星戦記  作者: 無名の凡夫


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第139話 遮断

「そんな…大尉殿があっさりと…」(テレス)


「ティル! ぼさっとするな!」(サカ)


タタン!


サカが叫んだその刹那、ガーツが、重装歩兵小隊のフルフェイスのヘルメットへ向け狙撃を開始する。


「何だ? ただの小銃なんて効かないぞ?」(サカ)


疑問に思ったサカだったが、ヘルメットの位置がずれたところを、BJが日本刀でかち上げた。ヘルメットが宙を舞い、頭部が露になった兵士達は、フロリアンの銃撃に倒れる。


「ぎゃっ」


「あの小さな隙間を…なんて正確な射撃…」(サカ)


「くそ…まずはあの2匹から片付ける!」(サカ)


「駄目です、軍曹殿! やつらの射撃が正確で近づけません!」


「むう…こうしているうちにも味方がやられていく……」(サカ)


「ぐわっ!」(テレス)


「ああ、テレス伍長!」


頭部が露になったテレスがBJに討たれた。気が付けば、重装歩兵小隊はサカを含めた残り6名になっている。


一方、シャーク、エルメス、パルヴァー、リスターの4名は、後方で機動歩兵分隊と戦っていた。


「下等生物がたった4匹で勝てると思ってるのかい? すぐに殺してやるよ、覚悟しな!」(ビシャット)


ビシャットが、エ敏捷性を活かして壁を蹴り、空中からマシンガンを連射してくる。


「総員、散開して高所から叩け!」(ビシャット)


「防災基地の中でスカイダンサーのつもりかい?」(エルメス)


「ダンサーになったつもりはないわ!」(フィア・アーティメン上等兵)


アーティメンは、空中で身体を捻り、エルメスが放った銃弾を巧みに避ける。しかし、その背後に「死神」がいた。


「捕えた!」(パルヴァー)


パルヴァーが機関銃の掃射を止め、背負っていたグレネードランチャーを近距離で叩き込む。


「なっ、至近距離で!?」(アーティメン)


「うわああああ!」(アーティメン)


アーティメンが咄嗟にガードをするが意味をなさない。爆風に煽られ姿勢を崩す。その瞬間を逃さず、シャークとエルメスが左右から距離を詰めた。シャークの散弾銃が火を噴く。アーティメンが、機動歩兵の身軽な装備ごと、胴体をボロ布のように引き裂かれた。


「(こいつら…ただの人間ではない!? この反応速度、何なんだ!)」(ビシャット)


ビシャットは動揺を隠せない。彼女や彼女の部下たちは、機動力を組み合わせた戦闘のプロだ。それが、重武装の人間たちに力技と経験則で圧倒されている。


「下等生物の分際で、機動力で私に勝とうなんて100年早いわ!」(ビシャット)


ビシャットは動揺を振り払うように叫び、ブーツに仕込まれたブースターを噴射。通路の天井を蹴って、弾丸のような速度でシャークの懐へ飛び込んだ。手に持った特殊合金のナイフが、シャークの喉元へ一閃される。


「――遅いよ、あんた」(シャーク)


シャークは最小限の動きでそれを躱すと、逆にビシャットの腕を掴み、その勢いを利用して壁へと叩きつけた。


「がふっ……!?」(ビシャット)


シャークが容赦なくサブマシンガンを接射しようとするが、間一髪、ビシャットの部下2人が援護射撃に入り、シャークを後退させる。


「分隊長、ここは一度引いて体勢を……!」


「引けるわけないだろ! 通信室(あそこ)を落とされたら、私たちは文字通りの害虫として駆除されるだけなんだよ!」(ビシャット)


ビシャットが叫び、再び銃を構えたその時、通路の奥から凄まじい爆発音が響いた。


「今の音、何?」(エルメス)


「――バックアップ親機、破壊完了。……これで、この基地の耳目は完全に潰れたわ」(ビービ)


無線の向こうでビービの冷静な、しかし確かな勝利の報告が流れる。その瞬間、防災基地内の全ての電子モニターが砂嵐に変わり、帝国兵たちのヘッドセットからは鼓膜を裂くような不快なノイズが溢れ出した。


「指示が聞こえない!」


「暗くて何も見えん……」


暗視ゴーグルのプログラムもジャックされた帝国軍は、暗闇の中、誤射を恐れて発砲することが出来ず、敵の反撃に身を震わせることになった。




「なっ、通信が……全回路ダウンだと!? 電子隊は何をやっている!」(メンキ)


立川で戦う帝国兵達が愕然とする。通信途絶は死刑宣告に等しい。


「……終わったな。次は掃除の時間だ」(BJ)


「く……」(ビシャット)


BJの日本刀が、暗闇の中で青白く光った。通信が死に、混乱に陥った敵兵たちに対し、GASTのプロフェッショナルたちが、一切の情けを捨てて牙を剥く。


「ぎゃああああああ!」




一方、その混乱の余波は、屋外で戦う35普連にも届いた。照明が赤く点滅し、非常用警報が鳴り響く中、隼人は前方に広がる巨大なシャッターを見据えた。


「(通信が死んだ……やってくれたんだ!)」(隼人)


「段場、突入するぞ! この先に”兵站の心臓”がある!」(和戸)


登場人物紹介

フィア・アーティメン

種族・性別:猫型獣人族の女性

所属・階級:陸軍上等兵、立川広域防災基地防衛部隊・第18機動歩兵分隊

備考:シャークによって討たれる


BJ……GAST「ピットブル班」班長

シャーク……GAST「ピットブル班」副班長

エルメス……GAST「ピットブル班」

パルヴァー……GAST「ピットブル班」

ビービ……GAST「アマゾネス班」班長

ジェクト・サカ……重装歩兵小隊所属の軍曹

ティル・テレス……BJに討たれた

ヴラシナ・ビシャット……機動歩兵分隊の分隊長

アレレスチャ・メンキ……テリムト立川基地と広域防災基地の司令官

段場だんば 隼人はやと……本編の主人公

和戸わこ 一暁かずあき……35普連4中隊の中隊長

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