表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
初恋  作者: rein
第3章〜高校3年生〜
94/98

93話「大雪の日に」

今日は、今年1番の大雪。


授業が終わり、外を見ると真っ白だった。


私は、この後バイトだったので、歩いてバイト先へ向かった。


風が吹いてとても寒い。


私は、ポケットの中に手を突っ込んで、下を向きながら歩いた。


店内に入ると暖房が効いていてとても暖かかった。


「お疲れ様です」


「おー、お疲れ。外寒かったやろ?」


「めちゃくちゃ寒かったです。今日ごみ捨てしたくないですね」


「確かに、めっちゃ分かる。でも神崎さんの時、新人さんと2人やしその子ごみ捨てまだ教えてないからごめんやけど、ごみ捨てやってね」


「はい、分かりました」



19時頃、お客さんの足がばったり途絶え、暇していたので、私は新人さんに前陳など任せ、ごみ捨てに向かった。


ごみ捨ては外での作業で、風を遮るものが何も無いのでとても寒い。


ゴミを集めて口を縛るのだが、手が悴んで全然縛れず、奮闘していた。やっと縛れ、ごみ捨てを終え中に入ると、とても暖かかった。


「ごみ捨て大変ですか?」


「んー、全然大変じゃないんだけど、今は寒いからごみ捨てに行きたくないって感じかな?今日は、寒すぎて手が悴んで全然ゴミ袋の口縛れなくて大変だった」


「どうりで。手先赤いなって思いました」


私は、新人の子と話しながら前陳したり、賞味期限の確認をしたりなどしていた。


私と交代の人が来たので、後のことはお願いして帰り支度を始めた。


母に迎えに来てもらうため、電話をして外に出た。


近くに用事があり、もうすぐ着くということだった。


外に出ると、後ろからお客さんが出てきたのが分かり、端に寄った。


すると突然温かいペットボトルが頬に当てられた。


ビックリして後ろを振り返ると優大がニコニコしながら渡してきた。


「え、どうしたん?」


「お前全然気づかんな。ずっとおったんに見向きもせんし」


「全然分からんかった」


「まぁ、寒いやろ。これあげる」


優大がくれたのは、ミルクティーだった。


温かく、疲れた体に甘さが染み渡る。


「ありがとう、糖分と温もりが身体に染み渡ってく」


「こんな大雪の日までバイトって大変やな。でも会えてよかった」


「そうだね、今日1回も顔合わせてなかったもんね」


そうこう話しているとお母さんが来た。


「ミルクティーありがと。気をつけて帰ってね」


「おぅ、ありがとな。じゃーな」


私は帰り道、ずっと優大から貰ったミルクティーを握りしめていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ