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初恋  作者: rein
第3章〜高校3年生〜
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63話「疲れと嬉しさ」

夏休みなのに、休めない…


就活で忙しく、履歴書を書きに学校へ向かった。


1文字でも失敗すればまた1から書き直し。


下書きの時点でもう4枚目に入っていた。


「それ何書いとるん?」


「何や、優大か。」


「何やとは失礼やな〜で?」


「企業に送る履歴書書いてるの」


「下書きしてから本番か」


「そや、ほら向こう行った行った」


「はーい、俺らも勉強してきまーす」


優大に話しかけられて集中力が切れたかもと思ったが、逆に今ならミスなく書ける気がした。


予感的中。失敗せずに書くことが出来た。


「怜奈もう終わったん!?」


「終わったよ〜美鈴頑張れ!」


「えー!もう帰るん?」


「今から面接練習です…」


「うわ…頑張れ」


履歴書を書いたあと、3人の先生と面接練習をしなくてはならない。


1人目は数学の江波先生。


「お願いします」


「よし、じゃあ始めるか。ん?」


先生がドアの方を見たので振り向くと何人か外で先生を待っていた。


「お前らちょっと後にしてくれ。こっち終わったら行くから」


「よし、じゃあ気を取り直してやるか」



一通り終わり、先生にアドバイスを貰う。


「神崎、とりあえず自信持って話そうか。ちゃんと言えとるんやし胸張って言わんと。」


「はい」


「いいところは相手の目を見て話しとるとこやな。ずっと目が合っとると逸らす人が多いんに神崎は1回も逸らさんかった。これからも頑張りや」


「はい、ありがとうございます。またよろしくお願いします」


先生からのアドバイスをメモ帳に書き、次の先生の所へ向かった。


2人目は音楽の先生で、3人目は国語の先生。


音楽の南先生は、リラックスしながら面接が出来た。


国語の西浦先生は、的確なアドバイスをくれて、正直西浦先生の面接が1番良かったと思った。


全てが終わり、私は帰る準備をしてチャリ小屋に向かった。


『もー全然書き終わらん!笑先帰っとって〜』


と、美鈴からLINEが来ていた。


チャリ小屋には、優大と中野がいた。


「2人とも今帰るん?」


「そーや、もう疲れた」


「うちも。でもこれからが本番って思うとしんどい〜」


「あ、優大。俺用事思い出したから先帰るわー」


「そんな気使わんでいいんに」


相変わらず中野はわかりやすい。でも嬉しかった。


私は優大と話しながら帰る。


「ちょっとは息抜きせーや?最近夜中まで何かしとるやろ」


「え?何で分かったん?」


「目の下にクマ出来とるぞ」


「バレた?今日は早く寝るよ〜」


「おー、そうしろ。今度息抜きがてらに花火大会とか行くか?」


「うん!行きたい!」


「他行きたいとこある?」


「んーっとね、水族館とか?」


「あー、いいね。俺も久しく行ってないから行くか」


「やった」


忙しくて遊びに行くことなんか出来ないと思っていたけど、2つも行けることになって本当に嬉しかった。


「じゃあ、それまでお互い頑張らんとな」


そう話しているうちにもう家に着いてしまった。


「じゃあ、また今度ね」


「おう、面接練習とか頑張れよ」


「ありがと、優大も勉強頑張ってね」


花火大会も水族館も楽しみで堪らない!

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