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初恋  作者: rein
第3章〜高校3年生〜
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52話「絶望」

大会まであと2日。皆張り切って練習に望んでいる。


今日、明日は試合をして身体を慣れさせる。


「いよいよって思うと意気込んじゃうね」


「確かに、怜奈はいつもそれで怪我するから気をつけなよ?」


「怪我してでも出るから!」


私は冗談でそう言っていた。



そして前日。昨日と同じく試合を行う。主に男子と試合をし、速い球になれる特訓。たまに女子とし行動を読む。この繰り返しだ。


「やばいめっちゃしんどい」


「連続でやってるからもう脚パンパン」


「昨日から筋肉痛だよ」


と、美穂と梓達と話していると2人が不思議そうな顔をしてこっちを見てくる


「2人ともどうしたん?」


「怜奈、今筋肉痛って言った?」


「うん、そうだよ。珍しく両足。それがどうかした?」


「うちらはともかく他の人らも筋肉痛になったって言う人いないから…」


「嘘!?」


私はその時少し嫌な予感がした。確かに普通に考えればいつもよりセット数、取得点数も少なく筋肉痛になることはほぼない。それに…


「ねぇ、筋肉痛って両足なったことある?」


「ない」


2人ともそう答えた。筋肉痛になるのは大抵負担がかかる右足で左足はなることがない。


「大丈夫、大丈夫!ただの筋肉痛だって!」


私は2人にこれ以上心配かけないようにそう言った。


「一応接骨院行って診てもらったら?」


「一応ね〜でも大丈夫だって〜」


私はそう信じたかった。



部活が終わり、急いで向かう。


ガラッ


「こんにちは」


丁度ドアを開けたらコーチがいた。


「どうしてん?」


「両足筋肉痛だと思うんですけど痛むので一応」


「ちょっと屈んでみ」


そう言われ屈むと少し痛かった。


「ちょっとベッドに上がって」


診察してもらった後コーチはこう言った。


「両足肉離れ、やな。今はまだ軽い段階やけどいつから大会やったっけ?」


「明日からです」


「そうか…」


私は少し泣きそうだった。もちろんショックだったということもあったが団体メンバーに入れてもらい、そしてペアが美穂。最後の大会なのに片方ならまだしも両足…


絶望的だった。


「固めて上からサポーター着けて出ろ。多少は痛むけどないよりかはましや。それなら出ていい」


「分かりました。ありがとうございます。」


診察が終わり家に帰った。


皆になんて言おう。まず美穂に何て言えば…


そう考えていると美穂から電話がきた。


『もしもし?』


『美穂…ごめん』


『どうしたん?』


『両足肉離れになっちゃった…』


『怜奈!大丈夫やぞ!いつも頑張っとるのずっと近くで見てたうちが言うんやから間違いない!怜奈は怪我になんか負けん!』


私はそう言われた瞬間涙が溢れ出た。


普通なら怒ったり泣いたりするはず。なのに美穂は逆に勇気づけてくれた。


『美穂、ありがとう。明日から全力で頑張るよ!』


『うん!サポートするからね!頑張ろ!』


電話を切り、もう1人に電話をかける。


『もしもし?どうしてん?』


相手は優大だ。


『優大に話しておきたいことがあって』


『なんや、改まって』


『あのね…』


私は両足肉離れになったこと、その怪我はまだ軽いこと、大会は処置をすれば出れることなどすべて話した。


『そうか、最後なんにな』


少し沈黙が流れた。


『俺は脚を壊してまで頑張って欲しくはない』


驚いた。優大なら応援してくれると思っていたからだ。


『でも、後悔はしてほしくない。だから矛盾しとるけど諦めんと頑張って欲しい』


『ありがとう』


こんなこと言ってくれたのは初めてだ。だから余計に嬉しかった。


『しんどい時は言えよ、俺が助けに行くから』


『うん!頼りにしてる』


ありがとう、明日から後悔しない試合をしよう。私はそう心に誓った。

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