45話「サプライズ」
『パウンドケーキ出来たよ〜』
『おー、明日頼んだな』
『はーい』
私は最後の仕上げとして、ラッピングを始めた。
「よし」
我ながら綺麗に出来たと思う。
明日喜んでくれたらいいな。
そして翌日。
部活を終えた私は優大にLI〇Eをした。
『家帰ってからそっち行くね』
『分かった。おかんには内緒にしとくわ』
私は急いで家へ向かった。
家に着き、シャワーを浴びて身支度を始めた。
準備が出来たところで今から行くと優大に送り、パウンドケーキを持って家へ向かった。
『着いたよ』
そう送るとすぐに優大が出てきた。
「今おかん丁度出かけとるげん。おとんと今準備しとるところで、怜奈も手伝ってくれん?」
「うん、いいよ」
私は家にお邪魔し、お父さんに挨拶した後、一緒に準備を始めた。
「お母さんいつ帰ってくるとか知っとるん?」
「夜までには帰るって」
「そーなんや」
「あ、怜奈ちゃん。怜奈ちゃんがよければやけど料理とか作ってもらえん?」
私はいきなりすぎて驚いた。だが、
「いいですよ。そんな大したもの作れないですけど…」
「ありがとう、自分ら料理出来んし、かといって誕生日なのに作らせたくもなかったから、助かるよ。なんなら一緒にどう?」
「いえ、お気持ちだけ頂いておきます。」
「そうか、残念。でもありがとう。料理優大も手伝ってやれや」
「言われなくても」
「あ、お母さんって何好きなん?」
「えーっとね、なんやろ?」
「ロールキャベツ昔から好きやったと思う」
そう、お父さんが言った。
「分かりました。ありがとうございます」
私はキッチンを借り、作り始めた。
冷蔵庫の中には丁度材料が揃っていた。
実は私の母もロールキャベツが好きで、毎年誕生日に作っていた。
「ロールキャベツとその他もろもろ作っておきました。」
「ありがとう、ごめんな俺なんも出来んくて」
「大丈夫だよ、盛り付けは優大に任せた!」
「はい!」
「じゃあ、そろそろ。お母さんにおめでとうございますって伝えておいて」
「分かった」
私は2人に挨拶をして、家に帰った。
夜ご飯を食べていると、
『サプライズ成功したよ。めっちゃ喜んどった』
と、LI〇Eがきた。
『よかったね』
『おかんが、ありがとうやって。めっちゃ美味しいって言ってた』
『よかった、嬉しい』
『今度は俺の好物作ってね〜』
『はーい』
自分の料理で笑顔になってくれるのは本当に嬉しい。私は引き受けて良かったと思った。




