33話「花火大会①」
それから1週間ほど経ったが、思い出す度にやけてしまう。そんな様子を見た梓が話しかけてきた。
「怜奈最近ニヤニヤしすぎー!何かあった?」
「ニヤニヤなんてしてないよ」
「沢峰とした?w」
「何も〜?」
「えー本当は?」
「キスなら…」
「まじでー!w」
「もー内緒やからねー!」
私は恥ずかしがりながら梓と話した。
もう少しで8月。8月の初めに花火大会がある。
私は優大を誘ってみることにした。
『ねぇ?8/3って何か予定ある?』
『いや、特にないけど。何かあるん?』
『花火大会行かない?』
私は返事を待つ間とてもドキドキしていた。
『いいぞ』
この瞬間私は子供のように飛び跳ねた。
そのくらい嬉しかったのだ。
『ありがと!』
『どうやって行くん?』
『歩き?近いし』
『じゃあ一緒に行くか?』
『うん!』
私たちは色々なことを話し合った。
何時に行くか。どういった服装か。
もちろん私は浴衣だ。
『そういや、その日って部活あったっけ?』
『うん、午前練』
『午前ならまだいいか』
『そうだね』
確かに午後から練習より午前の方がいい。
午後からだと絶対ドタバタしてしまう。
私は当日までウキウキして過ごした。
〜花火大会当日〜
「怜奈今日どうするん?」
「どうするって?」
「花火大会に決まってんじゃん!」
「行くよ〜」
「誰と〜?」
「もちろん彼氏さんとw」
知っているのに聞いてくる。だけど、私も言いたくて仕方がなかった。今までお家デートだったが今回は会場まで行くのだ。しかもいつもとは違った服装で。
「ラブラブやな〜」
「ありがと!」
今日の部活はいつも以上に頑張れた。
楽しみが待っているとこんなにも楽しいんだなと思った
部活が終わり、家に帰りシャワーを浴びていた。
その間も頭の中は花火大会のことでいっぱいだった。
~♪
『支度出来たら家来い。浴衣やと時間かかると思うけど』
『分かった。とりあえず準備できたらまた連絡するね』
私は一刻も早く優大に会いたかったので急いで支度した。
浴衣はお母さんに着付けてもらい、その後髪をセットして少し化粧もした。やっぱりきれいな姿で彼に会いたかった。
『支度出来たし今から向かうね』
『りょ』
ピンポーン
「気合い入ってますな〜」
「1年に1回しか着ないんだもん」
「まぁ、いいんじゃね。似合っとるし…」
そういうことをあまりいう人ではなかったので私は少し驚いたが嬉しかった。
「ありがと」
「それにしても浴衣着ると体型丸わかりやな」
「それはどういう意味でしょうか?」
どーせ胸のことを言われると思い答えは準備していた。
わざと潰してるんです!そう言おうと思っていた。
「いや、細いなって。ウエストが」
「あ、そっち。まぁ、少しダイエットて痩せたかな」
「ダイエットする必要ねーやろ」
「最近お腹やばかったし、これ着るために頑張らんなんって思って。男子は分からんと思うけど」
「まぁ、着んからな」
そこから2人とも少し黙った。すると、
「ちょっとリビング行ってくる」
そう言うと優大は行ってしまった。
怒ったのかな…?そう思ってしょんぼりしていた
ガチャ
「ちょっと目瞑って」
そう言われたので従い目を瞑った。
髪の毛に触れられ何かを付けられた感じがした。
「いいぞ」
私は目を開け手鏡で頭を見た。
するとそこには浴衣にぴったりなアクセサリーが
付けられていた。
「これどうしたん?」
「昨日親にお前と付き合っとること言ったんや?そんで花火大会に行くことも伝えたら、買い物行くぞって言われて、そんでこういうの買ってあげれば?って」
お母さんに言われて買った。そう捉えられたが、私はそう言われながらも自分自身で選んで買ってくれた。そういう風に捉えた。私は嬉しくて涙腺が緩んだ。
「そんな泣かんでも〜」
「だって、こんなことしてくれるなんて思ってなかったから。それにさっき言い方強かったかなって思って…」
「もしかしてそれでさっきしょげとったん?」
コクリ
私が頷くと優大がそっと抱きしめてくれた。
「さっきのは俺も悪かった。でも今はそんなん忘れようぜ。」
「うん。これありがとね。写真撮ってもいい?」
「おう」
いつもは写真を嫌がるのに今回は撮ってくれた。
「そろそろ時間かな。行くか?」
「うん」
私と優大は手を繋いで会場へ向かった。
会場に着くともう人でいっぱいだった。
歩いていると見覚えのある顔があった。
部活の後輩と中野と森戸だった。全部で4人いた。
彼らは私たちを見つけた瞬間驚いていた様子だった。
「お前ら2人?」
「おう」
「どういった関係で…」
「見ての通りです」
「いつからよ、つか今付き合ってどんだけ?」
「去年から。今は7ヵ月やんな?」
「うん」
「まじかw全然分からんだ」
3人からの質問攻めが凄かった。中野は前々から知っていたので何も言ってこなかった。
その後中野と森戸が優大と小さな声で何か話していた。
「おめでとうございます」
「ありがと」
前田くんと越田くんが祝ってくれた。
「お似合いですよ」
「ほんと?嬉しい」
「先輩の格好制服か部活の服しか見たことなかったんで何かめっちゃ新鮮です」
「浴衣は1年に1回程しか着ないからね〜」
「綺麗です」
「お世辞でも嬉しいよw」
そういった言葉はあまり言われ慣れてなかったので少し返答に戸惑った。
「コラ。何を口説いとるんやw」
「口説いてませんよ〜w」
話が終わったのかこっちに戻ってきた。
「そろそろ俺らは退散しやす」
「おう、またどこかで」
「会いたくねーわw」
そう言って彼らと別れた。
「何話してたん?」
「ん?さっきか?」
「そう」
「あいつらが綺麗やなって」
「綺麗って?」
「いや、だからお前が…」
「あら嬉しw」
そう言うと少しふてくされたような顔をした。
「どうしたの、そんなふてくされたような顔して」
「確かに綺麗やけどジロジロ見て欲しくないっていうか」
「ヤキモチ?」
私が笑いながらそう言うと
「かもなー。まぁ座る場所探そ」
ヤキモチ焼いてくれてるんだ。そう思うと少し嬉しかった。
場所を見つけ座って花火が打ち上がるのを待った。
その間多くの知り合いがここを通り色んな人にバレた。
中には中学の頃の先生もいた。
「お前ら付き合っとん?何ヶ月?おめでと」
皆そう言って通り過ぎていく。
そろそろかな?そう思って待っていると
カシャ
シャッター音が聞こえた。後ろを振り向くとまた中野たちがいた。
「今すぐ撮った写真を消しなさい」
「それは無理な話だな〜男子のグループ見てみ」
そう言ったので優大がグループを見た。私ものぞき込んで見た。するとグループ内での会話は優大の彼女は誰なのか。その話題で持ちきりだった。
「1年の何人かがお前ら見たんやと。優大は分かったけど一緒におった人が誰か分からんって言って今この会場におるヤツ必死に探しとるぞw」
「ほーそれでここに俺らがおるっていうのをグループに写真を載せようと思ったんやな〜?」
「そうそう!…あ、言っちまった」
「まぁ、いつしかバレることやし、それどうせ後ろ姿やろ?それならまぁ、いいんじゃね?」
「うちも優大がそれでいいから構わないよ?」
そう言うとすぐにグループに写真を載せた。
その瞬間グループが一気に荒れた。
その場所はどこなのか。相手は誰なのか。
優大が私の顔を見てきた。
「優大が嫌じゃないんだったら言ってもいいよ?」
そう言うと優大はグループで発言した。




