22話「告白」
私が彼の家に到着してから数分後。
「悪い、ちょっと遅くなった」
そう言って優大が来た。
優大は自転車を置いてから
「とりあえず寒いし中入って」
私は優大の家に入った。といっても玄関までだ。
「話って何?」
優大は黙ったままだった。何か考えているようだった。
「いきなりこんなこと言うのも何やと思うんやけどさ。俺と付き合ってもらえませんか」
優大は恥ずかしそうにそう言った。
私は状況が理解出来ていなかった。
「え?」
私はもちろん嬉しかったのだが、
「本当にうちなんかでいいの?というかいきなりどうしたの?」
「お前がいいからそう言っとるんや。本当はまだ言うつもりじゃなかったんやけど、今日お前部活の時に付き合ってないって否定したやんか?」
「うん」
「何かその時悔しいというか悲しいっていう気持ちになってさ。その後色々考えてみた。何でこんな気持ちになるのか」
優大がそう言った時、あの顔は悲しみの表情だったということが分かった。
「色々考えた結果、俺お前のこと好きなんかな?って。」
「そっか。でも言ってもらえて嬉しかったよ」
私がそう言うと少し驚いた顔をしていた。
「私で良ければよろしくお願いします。」
「マジで…?」
「何でこんなとこで嘘つかなきゃなんないのw」
優大は状況を理解出来ていなかったのかしばらく沈黙したままだった。
「えっと、じゃあよろしくお願いします」
私は最初、話したいことがあると言われた時は怖かった。だけど今はとても嬉しい。
このまま幸せに過ごせたらどれだけよかったか。
私と優大が付き合ったことは、いつしか必ず美鈴に言わなければならない。だけど、私はまだ言う気分にはなれなかった。
美鈴にこのことを伝えるのはいつになるのか…




