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オレンジボレロ  作者: 廃墟のロボット


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UFO

 空が一瞬光った。違和感、流れ星ではない。俺はすぐさま立ち上がって目を凝らした。虹色の3センチぐらいの縦長な光が空き地中央の西から東の方角へ落ちるように飛んだ。


 本当に僅かな時間、コンマ数秒で消えてしまったが残像が頭に残っている。小学生の頃によく集めたホログラムカードのような光だった。自然の光とは思えないが飛行機のそれとも違う。パッと煌めいてパッと消えた、スピードにしたら流れ星と同じくらい。


「UFO……?」


 それ以外に無い。未確認の飛行する物体は総じてUFOであると誰かが言っていた。


「UFOだ!」


 一人でいるにもかかわらず声を上げてしまったが、恥じらいは無かった。むしろ誰かに聞いてもらいたかった。


「すげぇ……」


 壮大な未知なる感動に触れたような気がした。空地を一周全力で走ってから切れ切れの息で自転車を立たせる。


「お前も見たよな?」


 ベルを鳴らすと深い金属音が夜気の中に響き渡った。




「あ」

「あ」


 自転車置き場で行き会うなり俺と坂井は顔を見合わせた。


「おはよう」

「おはようございます」


 おはようって、キャッチボールで言えば軽い肩慣らし程度の球だ。でもその時の俺たちの間では飛び交う球が見えなかった。


「……」


 坂井は無言で俺の横を通り過ぎていく。何か声を掛けようかとも思ったがやめた。坂井もまだ俺と話をしたくはないはずだ。こればっかりは時間に頼るしかない。


「ごめんな」


 小声で呟いた一言は地面に重く落下した。




「高橋!」


 教室に入るなりドアのすぐそばに座っていた立花が俺の腕をぐっと掴んできた。


「何だよ?」


 突然のことに驚いたが、目の前にある立花の興奮しきった表情に余計に驚いた。


「昨日UFO見た?」


 早朝のクラスの雑踏の中、立花の声だけが俺の鼓膜を揺らした。


「立花も?」

「うん!」


 立花ならUFOでも探すだろう、あの時の想像は間違っていなかった。


「どんなだった?」

「そうだな~、キラカードってわかる? あれみたいな光り方だった」

「そうそう、そんな感じ! どこで見たの?」


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