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Your  作者: 雑彩多色
1/4

まだ見ぬ人へ

/////プロローグ/////




「君は、1人ぼっち。」


と、彼女は言う。


「君を分かってくれる人は、

君を必要とする人は、

誰も、誰もいないの。

とっくに、分かってるんでしょう?」



その声は、何度も何度も僕の(なか)で、冷たく響きわたる。


僕は、と彼女に問う。



僕は、なぜ1人なの。


「皆が、あなたを見ようとしないから。あなたを、理解しようとしないから。」

どうして、誰も、理解してくれないの。


「それは、あなたが、繊細だから。

繊細で、敏感で、

皆が見えてないものや、

見ないふりして、放ってしまうものに、

あなたは、いつも、気がつくから。」

それって、僕が悪いの?

「いいえ。君は、ちっとも悪くない。

悪いのは、

鈍感で、君をおいてけぼりにする、

君の、周りの世界だよ。」


僕は、変わりもの?


「この世界に同化するよりはマシよ。」


「私は…」と、彼女が言う。


「…私も、1人ぼっち。」

君も?

「ええ、そうよ。

あなたと、同じ。」

僕と…同じ…。

「もう、1人は嫌でしょう?

だから、私が一緒にいてあげる。」


そう言って、彼女が笑う。

笑って、僕の顔をのぞきこんでは、また笑うのだ。

僕のすべてを、見透かしたような顔で。


「…信じても、いいんだね?」

僕がそう問いても、彼女は何も言わない。

でも僕には分かる。彼女の返答(こたえ)が。

ニッコリと笑みを浮かべ、ただ黙っている彼女に、僕は一言、こう言った。



「 僕には、君がいるんだ。」


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