アーサーの旅立ち3
買い取りカウンターでベンがヒュージボアの牙と皮、魔石を出して、査定で少し時間が掛かるようだ。
「それにしても、アーサーの突きは凄かったよな」
「ベン、まだ言ってるよ」
「閃光突きだったよね、一瞬の出来事だったよ」
雑談をしていると査定が終わったようで僕たちは買い取りカウンターへ向かう
「解体の手際が良いから査定額はアップだ。それにしてもどう倒したんだ?皮に傷なんてないぞ」
「それはアーサーが杖で倒したぜ」
「杖術か」
「ガンダルフ先生に教えてもらいました。」
ここでアーサーは忘れていた。『魔術師殺し』のガンダルフはシャムロック王国、王国外でも有名人だった。
「ちょっと待て、坊主 『魔術師殺し』の弟子なんだよな」
「そうなりますね」
「坊主、お前の父親はクライドだったりするか?」
「よく分かりましたね」
査定額を貰い、冒険者ギルドを出ようとすると巻き込まれました。
お父さんとお母さんの事も知れたからいいんだけど
買い取りカウンターにいたおじさんがここのギルドマスターだったこと
『剣王』クライドと『エレメントマスター』マリーナの息子で『魔術師殺し』ガンダルフの弟子ってことで宴会が始まった。
夕方頃にようやく解放され、冒険者ギルド持ちで町の宿に泊まれることになった。
「アーサーの父ちゃんと母ちゃんは凄い人だったんだな」
「僕も知らなかったよ」
「冒険者ギルドの料理はお酒に合う味付けだったけど宿の料理の方が美味しかった。」
「マイトは勉強熱心だね」
「村にお店を開きたいんだよ」
「俺が店を作ってやるよ」
「僕は怪我したら治すよ」
3人は未来を語りながら眠りについた
翌朝、宿の朝食を食べてから領都の学校がある街を目指して歩き始めた。
「今日はこの辺りまで着くと明日には到着する予定だね」
「アーサー、昨日、冒険者ギルドに寄らずに進んでたらどこまで行ってた?」
「その場合はこの辺りで野営していたと思うから到着は今日の夕方頃かな」
「そうか」
「ベン、入学式に間に合うように歩いてるから大丈夫だよ」
「マイトの言う通りだよ、寮に入ってから必要な物を買いに行く日も欲しいから余裕があるよ」
3人は街道を歩いていると
「アーサー、あそこの木にある果実は食べれるよ」
「アーサー、俺が登るぜ」
「ベンに任せるよ」
ベンが木に登り、果実を採って降りてきた。
「甘酸っぱい匂いがして美味そうだぞ」
ベンはもぎたての果実を2人に渡し、仲良く食べた。味は甘酸っぱくてとても美味しかった。
3人は歩いていると前方で馬車がゴブリンに襲われていた。
「アーサー、やばいぞ」
「助けないと」
「僕も戦うよ」
マイトは解体用のナイフを手に持ち
「俺もやってやる」
ベンはトンカチを持っている。
「じゃあ、2人でゴブリンを1体頼むね」
「任せろ」
「任せて」
3人はゴブリンに襲われている馬車へ走って向かった。




