影武者3
「サラ、見つけた・・・
守護者この後どうする?」
ケルレンはそんな場合じゃないというのに
思わず声のほうを振り向いてポカンと口を
開けてしまった。
恐ろしく綺麗な顔立ちの銀色の髪と
深い緑の瞳を持った10歳くらいの少年と
これまたそれよりは少し大きい年頃の
銀色の少年とは違う美しさながらも
物凄く整った容姿の
深紅の髪に金色の瞳の少年が立っていた。
「ああ・・・・・私のルイド、会いたかった
どうしてその男と一緒に居るの?
私のルイドよ!返して!
ルイド、ルイド、愛しい子こっちにいらっしゃい」
銀の髪の女性は、銀の少年に焦がれるような
愛しげな視線を、そして深紅の少年に嫌悪と憎悪の
瞳を送って
両手を広げて銀の少年を呼ぶ。
銀の髪の女性と銀の少年は特に色合いが
よく似ていて、
でも、深紅の少年と銀の少年も何処となく
雰囲気や面影の所々に似ている部分があって
血縁があるのでは無いかと思えた。
ケルレンは突然現われたこの少年達が
フールンとケルレン自身にとって良い物なのかどうかと
フールンを抱きしめる力を強くした。
影のような男が歩み寄る。
フードの下から見えた
その魅力に溢れる顔に押さえきれぬ
喜びを称えて男は言う。
「王よ、そして若君、どうして憎悪しても
したりぬあの国へと行ってしまわれたのですか?
おのれ・・・・人間ごときが我らの王と若君を
捕らえるなど不遜な事を・・・
今、城を・・・・・この国の者達の
憎悪と恐怖と狂気を土台に、一族の中心となるもの
3名を柱にして築き上げられる城をご用意しております。
すぐに魔法陣を描いた
私にて導かれた場所にて争いが始まるでしょう・・・」
「なに!?」
「ごめんね、邪魔だから此処から離れてもらえるかな?」
男の言葉に驚くケルレンの方を
振り向いて深紅の少年がそう言って
何かの力でポイッとばかりに何処かに移動させられたみたいで
気が付けば眼下に平原が広がっていた。
(誰か教えて・・・・ティル
もう何だっていい誰でも良い助けて)
ケルレンは、目頭が熱くなってきた。
でも、ひとつ首を振り
「フールン、大丈夫
私、守るから治して上げるからね・・・・・・フールン!?」
抱きしめたフールンに視線を落とすが
フールンの息が止まっていた。
心臓も動いていない
ケルレンは必死で息を吹き込み心臓を押した。
何度繰り返してもフールンの反応が無い、
「どうして、フールン!起きて!起きてよ!」
一方、ケルレンの身体はなぜか凄く軽くなっていて
生命力が注入でもされたように身体に力が漲っていた。
何故かそれに対しても、先ほどの少年達にしても
とてつもなく嫌な予感がして必死で呼びかける。
「ティル、ティル・・・・・お願い
フールンが!・・・・・来れるというのなら此処に来て助けて」




