プロローグ
皆さまは、冒険者ギルドの受付嬢という仕事に、どのような印象をお持ちでしょうか。
にこやかに依頼票を渡し、かわいらしい制服を着て、逞しい冒険者さんたちに「いってらっしゃいませ」と微笑みかけ、戻ってきたら「お疲れさまでした」と報酬を支払う、そんな平和で優雅で、ついでに少しだけ華やかなお仕事だと思っていらっしゃる方もいるかもしれません。
ええ、間違ってはいません。
間違ってはいませんけれど、かなり大事な部分が抜けています。
受付嬢の仕事とは、朝から酔っぱらっている銅章冒険者さんに「スライム討伐依頼は二日酔いで受けるものではありません」と説明し、依頼票の端に干し肉の脂をつけた方へ「こちらは公文書扱いですので、おつまみ皿ではありません」と微笑み、魔物の牙を素材買取窓口ではなく相談窓口へ並べ始める新人さんへ「標本発表会ではございません」と優しく案内し、さらに昼前には行方不明になった猫を探す依頼と、行方不明になった冒険者を探す依頼と、行方不明になった支部長の昼食を探す依頼を、きちんと別々の案件として処理する仕事です。
つまり冒険者ギルドの受付とは、世界の混沌が木製カウンターの前に列を作ってやって来る場所なのです。
私はリリアベル・アーシェント。
湖畔都市セレナーデ冒険者ギルド支部、三番窓口担当の受付嬢です。
長耳族、いわゆるエルフで、年齢については聞かれたら「成人済みです」と答えることにしています。これは嘘ではありません。成人してからかなり経っているだけです。どのくらい経っているかと申しますと、昔なじみの樫の木が立派な森になり、その森が一度焼け、その跡地に街道ができ、街道沿いに宿場町ができ、その宿場町の名物菓子が三回ほど流行遅れになった程度には経っています。
受付嬢としては中堅です。
人生としては、少々長めです。
昔のことを話すと、たまに支部長が胃を押さえながら「君の昔話は歴史の授業より重い」と言いますので、普段はあまり語らないことにしています。お年寄りの自慢話というものは、たいてい若い方の昼休みを奪いますからね。私は平和主義です。昼休みは大切にすべきです。温かいお茶と焼き林檎のある昼休みは、とくに守るべき人類の宝です。
それに、今の私はただの受付嬢です。
ええ、ただの受付嬢ですとも。
たとえ昔、少しばかり大きな結界を張ったことがあったとしても、たとえ古代竜の咆哮を受け止めたことがあったとしても、たとえ王国連合の魔導師名簿に今も私の名前が消し忘れのように残っていたとしても、現在の私は三番窓口で依頼相談を受け、報告書の誤字を直し、新人冒険者さんに「毒茸と食用茸は似ていますけれど、人生を一発勝負にしないでください」と説明する、たいへん平凡で穏やかな職員なのです。
平凡。
穏やか。
この二つの言葉は良いものです。
私は千年ほど生きて、ようやくその味わいを理解しました。
世界を救うのは一度で充分ですし、大規模戦闘は音がうるさいですし、王侯貴族の会議は椅子が硬く、戦場の天幕で出されるお茶は薄く、伝説級魔導士などと呼ばれると行く先々で厄介なお願いごとをされます。たとえば「少しだけ国境の結界を補強していただけませんか」とか、「荒ぶる火山精霊を説得していただけませんか」とか、「封印が緩んだ古代魔導炉を見ていただけませんか」とか、皆さん本当に気軽に言うのです。
少しだけ、という言葉ほど信用ならないものはありません。
少しだけ手伝ってください、と言われて本当に少しで済んだ試しは、私の長い人生において指折り数えるほどしかありません。その指も、途中で面倒になって数えるのをやめました。
そういうわけで、私は七百年ほど前にS級魔導士登録を凍結し、各地をのんびり旅した末、このセレナーデの街に腰を落ち着けました。
セレナーデは良い街です。
王都ほど大きくはありませんけれど、湖は美しく、朝市のパンは香ばしく、夕暮れには水面が蜂蜜色に染まり、街角の楽師は少し音を外しながらも楽しそうに歌い、住民の皆さんは親切で、ほどよく噂好きで、ほどよく他人の過去に踏み込まない距離感を心得ています。私のように、過去を掘ると地層どころか古代文明の遺構まで出てきてしまう者には、たいへん暮らしやすい土地です。
そして何より、ギルドから徒歩十分の場所にある焼き菓子屋さんの湖蜜パイが絶品です。
これが決め手でした。
千年生きたエルフの移住理由としては軽い、とお思いでしょうか。
甘いものは重要です。
長寿種ほど、日々の小さな楽しみを軽んじてはいけません。大きな目的ばかり追っていますと、百年単位で眉間に皺を寄せ続けることになります。眉間の皺は魔術で消せますけれど、心にできた皺はなかなか取れません。湖蜜パイは、心の皺に効きます。少なくとも私はそう信じています。
その朝も、私はいつも通り、支部の三番窓口で依頼票の束を整えていました。
朝鐘が二つ鳴り、ギルドの大扉が開くと、冒険者さんたちがぞろぞろと入ってきます。濡れた革靴の匂い、鉄の鎧がこすれる音、食堂から漂う豆スープの香り、掲示板の前で始まる小競り合い、徹夜明けの魔術師さんが机に突っ伏す気配、素材買取担当ロッソさんの「その袋を床に置くな、中身が動いてる!」という朝の挨拶めいた叫び声。
いつものセレナーデ支部です。
私はインク壺の位置を右手側へ少し寄せ、未処理依頼の束を危険度順に並べ替え、隣の二番窓口で新人受付嬢のニナさんが緊張のあまり依頼印を逆さまに押しているのを横目で確認しました。
「ニナさん、印章が逆です」
「ひゃいっ! あ、ありがとうございます、リリアベル先輩!」
「大丈夫ですよ。逆さまの印章で依頼を受けると、冒険者さんが逆立ちで討伐に行かなければならない決まりはありませんから」
「そ、そうですよね!」
「ええ。ただし副支部長に見つかると、あなたの勤務評価が逆立ちします」
「押し直します!」
素直でよろしい。
ニナさんは今年採用されたばかりの人間族の女の子で、明るく真面目で、少々そそっかしく、書類を重ねるとなぜか必ず一枚だけ逃がします。紙というものは風もないのに逃げることがありますので、若い職員にはよくあることです。私も昔、戦場で作戦書を一枚なくしたことがあります。なくした場所がよりによって敵陣の上空だったため、その後の会議で少し怒られました。少しです。たぶん少しでした。怒鳴っていた将軍の血管が三本ほど浮いていましたけれど、あれは年齢のせいかもしれません。
ギルドの朝は忙しいものです。
一番窓口には新規登録希望の若者が並び、二番窓口では依頼受注と達成報告が重なり、四番窓口では素材買取の列ができ、私の三番窓口には「普通の受付では処理しづらい相談」が流れ着きます。
普通の受付では処理しづらい相談。
聞こえは上品ですが、実際には「森で見つけたこの卵を持ち帰ったら家の屋根裏で孵りそうです」とか、「昨日受けた依頼の地図をなくしましたが、なんとなく行ける気がします」とか、「仲間が呪われたかもしれません、具体的には語尾が全部ニャになりました」とか、そういうものです。
受付嬢の笑顔は、盾です。
時には剣より強く、時には結界より厚く、時には上司からの無茶振りを受け流すための唯一の防具です。
私は姿勢を正し、窓口札を「受付中」に裏返しました。
「三番窓口、どうぞ」
最初に来たのは、銅章冒険者の少年でした。名前はトマ。たしか十六歳。剣士志望。髪は寝癖で跳ね、革鎧は少し大きく、目だけは朝の湖より澄んでいます。こういう子を見ると、私はつい地図を二枚渡したくなります。一枚は本人用、一枚は迷子になったとき拾った人用です。
「リリアベルさん! 俺、今日こそ角猪の討伐依頼を受けたいです!」
「トマさん、昨日まで角兎で転んでいましたよね」
「あれは地面が悪かったんです!」
「地面はだいたい下にありますから、冒険中ずっと付き合う相手ですよ」
「今日は大丈夫です! 昨日より強くなりました!」
「睡眠は?」
「四時間です!」
「朝食は?」
「干し肉です!」
「防具の修理は?」
「えっと……気合いで」
私はにっこり笑って、掲示前の依頼束から別の紙を一枚取り出しました。
「本日のおすすめ依頼はこちらです。南丘陵の薬草園で、角兎が柵をかじっているそうです」
「また角兎!」
「角兎を笑う者は角兎に転びます。ちなみにこの依頼は農園主さんが昼食を出してくださいます。豆の煮込みと焼きたてパンです」
「受けます!」
若さとは素晴らしいものです。
使命感と空腹の間で、空腹が勝つ瞬間ほど平和なものはありません。
私は依頼票に受付印を押し、地図を二枚渡し、毒草の見分け表と、角兎に足を引っかけられた時の受け身の取り方を書いた小紙片を添えました。トマさんは元気よく礼を言い、掲示板前で仲間を呼び、全員で豆の煮込みについて真剣に相談し始めました。
良いパーティです。
危険依頼より昼食の献立で揉めているうちは、まだ大丈夫です。
次に来たのは、中堅パーティ「湖風の槍」のリーダー、マーロさんでした。三十代半ばの槍使いで、落ち着きがあり、部下の面倒見もよく、報告書の字が少しばかり踊ります。本人は達筆のつもりらしいのですが、紙面を見るたびに、私は湖で溺れかけたミミズを思い出します。
「リリアベルさん、昨日の湖岸調査の報告だ」
「ありがとうございます。拝見しますね」
私は報告書を受け取り、目を通しました。
湖岸北部、霧濃し。小型水棲魔物三体確認。討伐済み。古い祠付近に発光苔。異臭なし。同行者負傷なし。帰路、歌声のような風音あり。詳細不明。
「歌声、ですか」
「ああ。森の方から聞こえたような気もするし、湖の方から聞こえた気もする。まあ、霧の日にはよくあるだろう」
「よくある、で済ませるには少し詩的ですね」
「俺は詩人じゃない。槍使いだ」
「存じています。詩人でしたら、報告書の字がもう少し読める可能性があります」
「そこを突くのはやめてくれ」
私は報告書の該当箇所に小さく印をつけ、詳細確認欄へ写しました。セレナーデ周辺では、湖や森に関する奇妙な報告が時折あります。多くは風、霧、精霊の気配、疲労による聞き間違いです。多くは。
受付嬢として大切なのは、全部を大事件にしないことと、小さな違和感を捨てないことです。
大げさに騒げば街が不安になります。見過ごせば誰かが危険に遭います。その間で、静かに記録を積み上げる。それが窓口の仕事です。
「念のため、同地域の依頼は今日いっぱい制限します。湖岸北部へ向かう方には二人以上で行動するよう案内しますね」
「相変わらず慎重だな」
「慎重は安い保険です。命を失ってから契約することはできませんから」
マーロさんは苦笑し、報酬受け取りのため四番窓口へ向かいました。
その背中を見送っていると、支部二階から重い足音が降りてきました。
ガルド・レインズ支部長です。
元金章冒険者で、片足に古傷があり、声が大きく、眉間の皺で小型魔物を威嚇できそうな人です。口は悪いですが、面倒見はよく、職員にも冒険者にも信頼されています。本人にそう言うと照れて怒鳴るので、皆さん黙っています。
「リリアベル君」
「はい、支部長。朝から胃薬ですか?」
「違う。いや、半分違う」
「半分は当たりなのですね」
「昨日、東倉庫の書類棚が壊れていたんだが」
「はい」
「今朝見たら直っていた」
「よかったですね」
「よかったですね、ではない。釘も板も使わず、木目が若返ったみたいに直っていた」
「最近の書類棚は健康志向なのかもしれません」
「家具が自分で若返るか!」
支部長は頭を抱えました。
あら、見つかってしまいましたか。
昨日、書類棚が壊れていたのは知っていました。原因は、買取担当のロッソさんが魔猪の牙を置く場所を間違え、棚に立てかけ、棚が恐怖のあまり崩れたためです。木製家具にも限界があります。気持ちはわかります。
修理業者を呼ぶと時間がかかりますし、倉庫の書類を床に置いたままにすると副支部長ミラさんの怒りが火山性になりますので、私は退勤前に少しだけ補修術をかけました。本当に少しだけです。樹木の記憶に働きかけ、切り出される前の健やかな状態を思い出していただき、割れ目を自発的に閉じてもらっただけです。
昔は城門にも使った術ですが、書類棚にも使えます。
便利ですね、古代樹霊術。
「リリアベル君、君はまた古代魔術を事務備品に使ったのか」
「古代魔術ではありません。生活魔術です」
「書類棚が新芽を出していたぞ」
「春が近いですから」
「倉庫の中だ!」
支部長の声が響き、近くの冒険者さんたちがこちらを見ました。私はにこやかに会釈しました。受付嬢は常に平常心です。たとえ書類棚が少し発芽していても、慌ててはいけません。木は生きています。棚になったあとも、多少は前向きに生きたい日があるのでしょう。
「あと、昨日の水路スライム駆除依頼だ」
「何か問題がありましたか?」
「新人三人組が、予定より早く帰ってきた。全員無傷。スライム十二体討伐。水路の詰まりも解消。ついでに水質まで改善されていた」
「たいへん優秀ですね」
「彼らは出発前に、君から何を渡された?」
「手書きの水路図と、滑り止めの粉と、臭い消しの香草袋と、簡易浄化符を三枚ほど」
「簡易浄化符?」
「簡易です」
「水路全体が神殿の沐浴場みたいに清らかになっていたそうだ」
「では、少し効き目が良かったのですね」
「少しで済むか!」
支部長はまた胃を押さえました。
困りました。私は目立たないようにしているつもりなのですが、どうも日常業務において、少しばかり出力の調整が昔基準になることがあります。千年前は周囲が戦場でしたから、少し強めにしておかないと何も守れませんでした。今は水路スライムです。調整幅が難しいのです。
「リリアベル君」
「はい」
「君が優秀なのはわかっている。大変助かっている。職員全員、君に頼りきりだ。それは認める」
「ありがとうございます」
「しかし、受付業務の範囲で古代級の術を使うな。新人が勘違いする」
「勘違いとは?」
「ギルドの受付で渡される道具は、全部あれくらい便利だと思われる」
「それは困りますね」
「君のせいだ!」
支部長の嘆きはもっともです。
私は反省しました。
次回から浄化符は二割ほど弱めましょう。
五割弱めると臭いが残りますし、三割ではスライムの粘液が排水溝に詰まる可能性があります。二割です。ちょうどよい塩梅とは、長い人生においてもなかなか難しいものです。
その時、ギルドの大扉が勢いよく開きました。
冷たい湖風と共に、一人の若い冒険者が駆け込んできます。肩で息をし、髪は濡れ、外套には泥が跳ね、手には折れた短剣を握っていました。顔色は悪く、目だけが大きく見開かれています。
広間のざわめきが少し低くなりました。
「湖岸北の祠で……!」
彼は息を呑み、掲示板の前にいた冒険者たちを押しのけるようにして、受付カウンターまで駆け寄りました。
「祠の奥に、扉がありました! 昨日までなかった扉です! 仲間が一人、中に……!」
支部長の表情が変わりました。
ニナさんが息を止めました。
マーロさんが四番窓口から振り返りました。
私は、先ほどの報告書につけた小さな印を思い出しました。湖岸北部。霧。歌声。古い祠。よくある話として片づけるには、少しばかり材料が揃いすぎています。
私は立ち上がり、カウンター越しに若い冒険者さんを見ました。
「お名前を伺います。ゆっくりで大丈夫です。怪我はありますか。仲間の人数は。最後に見た場所は祠の内側ですか、外側ですか」
彼は震えながら答えようとしました。
その手元から、折れた短剣が床へ落ちます。
短剣の刃には、黒い泥のようなものが付着していました。水路の汚れでも、湖底の藻でも、獣の血でもありません。少なくとも、私の知っている普通の汚れではありません。
私は胸の奥で、小さなため息をつきました。
平凡。
穏やか。
定時退勤。
人生において大切にしたい三つの言葉が、朝のギルド広間で早くも遠ざかっていく気配がします。
支部長が低い声で言いました。
「リリアベル君」
「はい」
「これは三番窓口案件か」
「おそらく、そうですね」
「君、顔が笑っているぞ」
「受付嬢ですから」
私は引き出しから緊急聞き取り用の用紙を取り出し、インク壺の蓋を開けました。ついでに、棚の奥から湖岸北部の詳細地図と、封印用の銀紐と、ほんの少し強めの浄化符を用意します。
ほんの少しです。
今回は水路ではありませんから。
若い冒険者さんは今にも泣き出しそうな顔で、私を見ました。
「助けられますか」
その問いは、いつの時代も重いものです。
千年前の戦場でも、湖畔の小さなギルドでも、助けを求める声の重さは変わりません。私は昔、あまりにも大きなものばかり守ろうとして、小さな声を聞き逃したことがあります。長く生きていると、忘れられない失敗ばかり上手に増えていくものです。
私は彼に微笑みました。
「まずは、状況を整理しましょう。助けに行くためには、慌てないことが一番大事です」
「でも、仲間が……!」
「ええ。だからこそです」
私は用紙の一番上に、湖岸北部祠異常発生、と書きました。
支部長が職員へ指示を飛ばし、ギルド内の冒険者たちが装備を確認し始めます。ニナさんは青ざめながらも救護箱を取りに走り、マーロさんは仲間を呼び集め、ロッソさんは裏手の倉庫から非常用ランタンを担いできました。
いつもの朝が、少しだけ慌ただしい朝へ変わっていきます。
私は受付窓口の札を「相談中」に裏返し、若い冒険者さんの震える手に温かい茶を置きました。
「飲めなくても、持っていてください。手が温まります」
「……はい」
「それから、安心してください」
私は声を落とし、できるだけいつもの受付嬢らしく、穏やかに言いました。
「セレナーデ支部は、依頼を受けた冒険者さんを簡単には見捨てません」
もちろん、私はただの受付嬢です。
昔の肩書きなど、今の仕事には関係ありません。
関係ありませんけれど。
もし、湖岸北部の古い祠が、新人冒険者さんには少しばかり荷の重い場所になっているのなら。
もし、支部長が胃を痛め、ニナさんが泣きそうになり、若い子たちが帰り道を見失いそうになっているのなら。
受付嬢として、できる範囲のことをするだけです。
ええ。
あくまで、受付業務の範囲内で。
私は机の下に置いていた古い杖を、足先でそっと奥へ押し戻しました。
今日は、まだ出番ではありません。
できれば、このまま出番がないとよいのですけれど。
なにしろ私は、千年前の元S級魔導士である前に、現在、冒険者ギルドの受付嬢なのですから。
そして受付嬢には、どんな非常時にも守るべき大切なものがあります。
冒険者の命。
正確な記録。
職員間の連携。
報酬計算。
それから、できれば定時退勤。
最後の一つは、今日も少々難しそうでした。




