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第二十二章:血塗られた王座
鈴鹿一家の抗争は最高潮を迎えていた。
覇真は冷徹に、そして狡猾に敵を切り崩しながら、その勢力を盤石なものにしていった。
地下の密室で行われた最終決戦。
敵対する幹部たちが次々と倒れ、覇真の血の掟が支配を確定させていく。
血に染まった拳が、砕け散った骨が、無数の叫びがその場を支配した。
覇真は静かに、しかし確実に王座へと手を伸ばしていた。
だが、その王座は決して安穏なものではなかった。
裏切りの毒牙、そして過去の呪縛が覇真の背中を絶えず刺し続けた。
その夜、覇真は血の玉座に腰を下ろしながらも、孤独に震えていた。
彼の瞳に映るのは、遠い昔に交わした兄弟盃と、それを裏切った自らの影だった。
血の王座は手に入れたが、代償はあまりにも大きかった。
覇真の心は闇に染まり、そしてその闇はさらなる血の連鎖を生み出すことを、彼はまだ知らなかった。




