麗しき兄妹愛
実妹ちゃんなのです。
俺と妹、花梨が初めて出会ったのは、俺が3歳、花梨が0歳の時。
「おぎゃあ!おぎゃあ!」
「(なんだこのメスガキ?そんなにわからされたいか、あぁん!?)」
「まあ。歩ちゃんったら、妹ちゃんがそんなに気になるの?」
「そりゃあ、歩も男の子だからね。ママそっくりの美少女を見たら、食い入るように見つめちゃうよ」
「もう、パパってば~。この子は美少女だけど、それはパパが世界一カッコいいからよ」
「いいや、僕は世界一カッコいいかもしれないけど、それはママが世界一可愛いからだよ。釣り合うために僕も必死なのさ」
「パパ···」
「ママ···」
「(コウノトリが三人目を運んでくるのも時間の問題だな······················。つうか新生児に興奮するほど飢えてねえよ!)」
この微笑ましい光景から分かるように、俺と花梨は血が繋がっている。そう、“血が繋がっている”。
愚妹が仕込まれるのも出荷されるのも見ているので、間違いない。俺が養子である可能性も、両親が養子をとれるような真っ当な人間でないのであり得ない。
そして今
「兄貴~。遠藤先輩って同じクラス?」
「そうだが。どうかしたのか?」
「実はさ、昨日告白されちゃって。兄貴から断っといてくれる?」
「はあ?体を売って俺を養ってくれるという、幼い日に交わした約束を忘れたのか!?」
「そんな約束してないし~。ていうか、ちっちゃいころの約束に拘束力は発生しないと思うんだけど、法律的に」
「クソッ!幼なじみbss風交渉作戦失敗か......」
「兄貴には本当の幼なじみがいるんだから、そっちにやってくれない?キモいから」
「なんのことだい、妹よ。僕には幼なじみなんかいないさ」
「あれ~?だったら、今日一緒に登校してた女の子は誰なのかな~?お兄ちゃんの趣味が心配になるような、見目麗しい(笑)子だったけどな~」
「あれは、ただ隣の家に住んでるだけのストーカーさ。でも確か、君には三つ年上のブサイクな幼なじみがいた気がするな~。自分はあの女と幼なじみじゃないような風に言っちゃダメじゃないか。」
睨み合う二人。まさかここまで妹が生意気になるとは。義妹でもないのに許されると思うのか、マイシスター。
「ま、アイツのことは忘れよう。本題に戻るんだが、何故俺が、お前の受けた告白を断らなければいけない?クソビ○チのお前には、棒さえ付いていれば何でも良いと思うのだが」
「ビッ○言うな、童貞拗らせ不能野郎。とにかく、断ってくれるだけでいいの。可愛い妹の頼みを聞けるんだから光栄に思いなさい」
「いや、でも、肉屋の斎藤さんに八百屋の吉村さん、魚屋の佐藤さんに酒屋の広田さん、その他の商店街メンバー全員と同時に交際しているお前が、サッカー部の補欠の癖に後輩には先輩風吹かす、寝取り専門チャラ男の一人や二人増やしたって、何の問題もないだろう?」
「兄貴は私を何だと思ってるわけ?そんなむさいおっさんどもと付き合う訳ないじゃん、てか全員既婚者だし。頭大丈夫?」
「遠藤へのフォローがない所はポイント高いぞ♪さっすが、俺の妹だ。けどな、お前が複数、それも百人近い男性と同時に交際していることは事実。なのに、なぜ遠藤はダメなんだ?」
おっさんがむさいことは否定しきれなかった。すまんな、社会の原動力。
「ぷぷ。そんなたくさんの男と付き合えると思う?そんな人間いると思う?二次元でしかあり得ない話、私にしないでくれない、キモオタさん。私は清純なのよ」
「けどな、証拠があるんだよ、証拠が」
「はっ!証拠ねwあるなら見せてみなさいよ」
「何でお前は、たまに悪役令嬢風に喋るんだ.......。ほら、これ」
「え?」
スマホの画面に、コイツが男達それぞれと撮ったハメ撮りを映してやる。こんなものを実の兄が握っていると知ったら、いくら生意気なメスガキでも顔を真っ青にすると思っていたのだが、
「あ~あ。まさかバレてたとはね。それで?こんなものを見せて、何が目的?体ならいくらでも使って良いわよ」
コイツは、人格が終わりきっているらしい。
がばがばなのです。




