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アラフィフおじさんの推し活奮闘記  作者: DAI


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第4話

私の名前は田中健二。今年で45才。いわゆるアラフィフだ。



ステージで歌い踊るStar☆Dreamは

、本当に眩しいほどキラキラとしていた。ユウくんは、もちろん、一番輝いている。でも、その輝きは、他の4人が居るからこそのものだ。5人でスタドリなのだ。


私の初ライブは、こうして終わった。


「ケンジくん、初ライブはどうだった?」

アヤ師匠に話し掛けられて、私は我に返った。

「素晴らしかったです!最高でした!」

「それは、良かった。私もケンジくんの師匠になった甲斐があるよ。」

「ユウくん、今日も最高だったねぇ。」

マサさんが言うと、

「スタドリ、みんなでしょ。」

ミドリさんが割って入る。



「さぁ、打ち上げ行こう!」

アヤ師匠が手を上げた。

打ち上げ?メシか。まだ時間が早いし、行っても良いかな?

「ケンジくんは、打ち上げ行く?」

「少しなら・・・。」

「あ。家族がいるなら、無理しないで良いよ。」

さすが同世代のマサさん、気を遣ってくれる。

「私は大丈夫です。おつき合いします。」

「よし!決まりね。さぁ、レッツゴー!」

ミドリさんは、一番、呑みたそうだ。



ライブハウスの近くの大衆居酒屋で、私の初ライブの打ち上げ飲み会が始まった。

「じゃあ、改めて、スタドリのライブの成功と、ケンジくんのライブデビューを祝して、乾杯!」

「かんぱーい!」「かんぺー!」「乾杯!」

プハーっ!

酒が美味い!

「この一口の為に生きてるな!」

・・・しまった!つい油断した!

3人の視線が痛い。。。

「ケンジくん、いいねぇ!」

マサさん、ナイス。

「すいません。つい癖で。」

「ケンジくん、面白い!」

ミドリさんが笑う。

「大丈夫、大丈夫。もっと飲んで!」

アヤ師匠は、優しいなぁ。

こんな飲み会は何年振りだろう?

楽しくて、うっかり家に帰るのを忘れてしまいそうだ。

「ケンジくんは、スタドリのファンクラブには、入っているの?」

「まだ、入ってません。」

「入った方が良いよ。活動情報分かるし。」

スタドリのファンクラブは、活動情報の通知を中心にファン同士の交流を目的に作られた。ファンクラブ主催のイベントには、何とスタドリ本人が顔を出すこともあるらしい。

「すぐに入ります!」

高らかに宣言した。

「ユウくんにも、会えるかもよー?」

アヤ師匠がささやく。

思わずゾクっとする。

ユウくんとあんな事やこんな事が出来るかも・・・。

「ケンジくん、顔赤いよ!」

また、ミドリさんが笑う。



「今度、セカンドシングルのリリイベがあるんだけど、ケンジくん、行けそう?」

マサさん、情報が早い。同世代として悔しい。

「来月の第三土曜日。明葉原のレオックスだっけ?」

アヤ師匠がすかさずフォローする。

来月の第三土曜日。予定は無い。問題は、家族への言い訳だ。どうしよう。休日出勤ってことにするか。うーん。今まで、そんなこと無かったのに不自然か。でも行きたい・・・。

「ケンジくん、無理はしないでね。」

マサさんは、優しいなぁ。

「家族は、何とかします!」

しまった!心の声が出てしまった!

「ケンジくん、ホント無理しないで。」

アヤ師匠にも言われてしまった。。。


楽しい時間は、あっという間に過ぎてしまう。

「いやー、今日は楽しかった!ケンジくん、またね。」

「また、ライブで。」

「また今度!」

「皆さん、今日は、ありがとうございました。」


3人と別れて、家路につく。

少し遅くなってしまった。


恐る恐る玄関のドアを開ける。

「た、ただいま〜。」

思わず声が小さくなる。


「お帰りなさい。珍しく遅かったのね。」

「いやー、大変だったよ。急に納期が早まって。今日中に処理しないといけなくなったから。」

冷や汗が出る。

「無理はしないでね。」

「わかってるよ。ありがとう。」

スマン、妻よ。私は嘘つきだ。

しかし、推し活を辞める訳には行かない。やっと見つけた、生き甲斐なのだ。


その日の夜は、心地良い疲れと幸福感で、グッスリと眠れた。




それから、私は、アヤ師匠に追いつくべく、スタドリの猛勉強を始めた。

もちろん、ファンクラブにも入会した。今は、スマホで全て完結できることに驚いた。スタドリは、まだデビューして間もないので、ファンクラブの情報がとてもありがたい。スマホに通知がくるのが毎日の楽しみになった。マジプリのようなトップアイドルとは、比較にならないくらい、まだまだこれからのグループだが、スタドリには、彼らの成長と成功をファンとして見届けられると言う楽しみがある。これは、至極の喜びだ。


充実した日々は、あっという間に過ぎて行く。気が付けばセカンドシングルのリリースイベントまで一週間を切っていた。






<つづく>

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