風呂敷の秘密
九話「自白」
あかりは門さんからIT会社テックの社長、安達が逃走したと連絡をもらった。
空港の警備員達が安達社長を足止めしていたのだが、門さん達が着いた途端、目の前で逃げたらしい。
「現在も捜索しているが何か分かったら連絡してくれ!」
そう言って門さんは電話を切った。あかりの様子を隣にいたモミジは不安そうに見ていた。
「茅野さん、テックの安達社長とお会いしたことってありますか?彼がよく行く場所など知ってたりしませんか?」
「え?アンタくんがどうしたんですか?」
「”アンタくん”?」
「あっ、そっその、、」
いきなりの発言に疑問符を浮かべるあかりの表情を見てモミジがまた動揺していると奥の部屋から疲労した表情のユキが出て来た。
「モミジ、野沢さんには隠し事しないで捜査に協力しましょ。アンタくんというのは安達社長のあだ名で彼は小学校の同級生なんです。先ほど彼からこんなメールが届きましたわ」
「え?」
ユキの手には見覚えのある派手なケースがついたスマホが、それは花見の時に木の下に落ちていたモミジのスマホだった。そこには安達社長からのメッセージが送られていた。その内容は衝撃的ものだった。
『モミジ、そっちに探偵の人が来ていると聞いた。その人に伝えてほしい、植木を殺したと』
「え?どっどういうことですか?」
「野沢さん、彼は、、、人志くんは本当に殺されたんですか?警察はそれを知ってたんですか?」
動揺するモミジに怒りと悲しみが混じった真っ赤な顔をぐしゃぐしゃにしていた。
「、、白馬さんのことを思って黙っておいた方がいいと、、私の勝手な判断です。申し訳ありませんでした」
「今更!、、うう、、謝られても、もう彼は帰ってこないのよ!!!」
泣き崩れるユキ。その時モミジのスマホに一通のメールが届いた。
『モミジ、先にタイムカプセル見つけといたからな』
「!モミジさん、安達さんが今いる場所ってわかりますか?こんなメールが届いたんですが」
「、、あ、、公園、」
「アンタ、まだそんな事おぼえていたのね、、」
「えっと、私たちが小学校を卒業した時にみんなでタイムカプセルを埋めたんです。多分そこだと、、、思います」
「、、、茅野さん、白馬さん。安達社長のことはまだ警察には言いません。お二人も一緒に来てくれますか?彼の話を聞きに信じてください!お願いします!」
あかりは二人に頭を下げた。
その頃、白馬酒造の事務所でサクラとユキの母、雪路さんが話していた。
「サクラちゃんは本当にお母様にそっくりよね、女の子は父親に似るというけどサクラちゃんは小春似でよかったわ」
小春というのはサクラの母親で、雪路とは同級生である。
「はあ、ありがとうございます、、」
自分の顔をまじまじと見られ気恥ずかしいサクラ、そこへあかりから一本の電話が。
「先輩?どうしたんですか?え?公園、、アンタが!?わかりました今すぐ行きます!すみません、おばさん私急用ができたので失礼します!」
電話を着るとサクラは立ち上がり出口に向かった。
「ちょっとサクラちゃん!どこ行くの?」
「すみません急いでいるので」
そう言って、サクラは雪路の静止を振り切って公園に向かおうとした。
「待って、公園に急いでいるんならうちのに遅らせるわ」
「え?」
「ごめんなさい、電話の内容少し聞こえちゃって。さあ急いでいるんでしょ早く!」
「あ、ありがとうございます」
そうしてサクラが公園に着くと、警察の規制線がまだ貼られていて、人がおらず見頃の桜を残してガランとしていた。まだ、あかりたちはついていないようだった。サクラは急いでタイムカプセルを埋めた場所に向かった。
「もう!どこに埋めたっけ?」
昔のことなので探しながら進んでいると遠くに人影が、警察かと思い近くの木の影に隠れたが雰囲気が違ったので出て近づいていく。多くの桜の花びらが風に煽られて目の前を飛ぶのでサクラは目を閉じた。
「う!もう、目にゴミが入ったかも、、!あっ、、うそ、、アンタ、、」
サクラが目を開けると目の前には桜の木の幹に縛られたロープにぶら下がる安達社長がいた。




