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53.奪還・3

こんにちは。一部に残酷描写がありますので、苦手な方はご注意ください。

 サキがリアの名を叫びながら部屋の奥へと駆けていく。音もなく二本の太い鎖を一刀で両断すると、僅かな時間をおいて小さな身体が解放された。

 

「よっと」

 

 目を閉じたまま崩れ落ちる肢体を抱きとめる。透き通るような白い肌は冷たい汗に濡れていて、ほんのり赤みを帯びているはずの頬までが青褪めていた。

 

 生気がまるで感じられない。ピクリとも動かず、呼吸すらほとんどしていないように見える。涙の跡をそっと拭って声をかけても、何の反応も見せなかった。


 とても安全な状態には見えない。胸の傷は痛々しくて目を背けたくなる。一刻も早く適切な治療を施さないと刻々と事態は悪化していくだろう。治療術に疎い俺でもそう解かるほどに儚げで、今にも消えてしまいそうだった。


「レオン! リアっち苦しそう、なの」


 同じ感想を持ったのだろう。なかなか動こうとしない俺に痺れを切らしたのか、サキは沈痛な面持ちで促してきた。


 のんびりしている時間なんて無いことは解っている。しかし、俺はずっと感じていた違和感を拭えずにいた。


 最初に違和感を覚えたのは、実際に鎖に繋がれた姿を見た時だった。外見は間違いなくリアなのに、何かが欠落しているように感じたのだ。


 違和感といっても微々たるものだ。ただの勘違いの可能性も否定できない。しかし、持っていたコンパスを見て、やっぱり何かが変だと思うようになった。


 コンパスにはリアの位置が今も表示されていて、しかも時々動いているのだ。


 反応がある場所はこの大聖堂内部。コンパスから高低を読み取ることができないので何階に居るのかは不明だが、とにかくこの建物の中で少しずつ動いている。


 見ればわかるように、目の前のリアはコンパスを持っていない。アウグストに拘束された時点でどこかに捨て置かれたならその場から動かない筈だし、破壊されていれば反応自体がなくなる筈だ。でも、実際は今も反応があって、しかもあちこちへと動いている。


 リアからコンパスを取り上げた誰かが持ち歩いているのかもしれない。無造作に捨てられたコンパスを誰かが拾っただけなのかもしれない。俺の腕の中で目を閉じている人物は、何度目を擦ってもリアにしか見えないのだから。


 しかし、俺は本物と同一の贋作を作製できる道具の存在を知っている。それがもしも道具だけではなく、人間の贋作も作れてしまうのだとしたら。


 俺が今抱いているのは、本当にリアなのだろうか。


 だから、俺はサディアに別行動を命じた。今もこの建物内をくまなく捜査している筈だ。そろそろ報告が来てもいい頃だが――


『――ふん、そういうことか。ならば私を持たせてみればよい』


 思考の途中でエク公に割り込まれてはっとする。こんなにグダグダ考えるよりも、コイツに確かめさせればすぐに解ることだったのだ。


 サキに手を借りて聖剣の柄を白い手に触れさせる。上からそっと握りこませると、冷え切っていた手に血が通ったような温かみを感じた。長い睫毛が震えるように動いて細い指に僅かに力がこもる。何かに堪えるように小さな口が僅かに動いた。

 

 こんな至近距離でもまるで綻びが見えない。あまりにも精巧で、これがモノだなんてとても思えない。まあ、俺の勘違いだったなんてオチならそれはそれで――

 

『――違う。これは、我が主ではない』


 そんな声が聞こえたとほぼ同時に、腕の中で眠っていた人物がぱっちりと目を開いた。


「あーあ、バレちゃった」


 意地の悪そうな笑みを浮かべて言葉を喋る。リアの声色でそう言った誰かの手が俺の頬を撫でて、身体の輪郭がぼやける。腕にかかっていた重みが感じなくなって、幻のように溶けていった。




「一日くらいは稼げると思ったんだけどね。やっぱり聖剣を手放したのは悪手だったよ」


 薄暗い空間の中でもよく映える金髪が風に揺れる。その右手は血に染まっていて、まだ息があったアウグストの髪を掴んだまま引きずっていた。


「が……か、ミル。きさま、何を」

 

「何って、これから貴方を殺そうとしているんだよ。解らない?」


 髪を掴まれて喘ぎ、アウグストの血走った目玉がぎょろりと動く。咳き込んだ拍子に飛び出た吐血が絨毯の染みになる。

 

「本当は首輪の呪いを利用して殺してあげるつもりだったんだけどね。まあいいよ。結果が同じなら気にすることじゃない」


「こ、の。恩知らずがッ……この私が居なければ、この国は」


「平和になるじゃない。そうだろう? ま、僕にはどうでも良いことだけどね。下らない"奇跡"とやらで人間に使われるのが我慢できなかったってだけだから」


 カミルはぐいと右腕を高く持ち上げてアウグストの体を引き上げる。涎と吐血でぐちゃぐちゃになりながら口汚く罵る様を冷淡な瞳で受け流しながら左手をゆらりと動かして、そのまま心臓の辺りに指を突き入れた。


「キ――、はじめ―ら、――――――」


「言っただろう? 相手を欺くにはウソばかりではなく真実も混ぜないとね、って。そうそう、彼女がニセモノだと気付かずに嬉しそうにはしゃいでいた姿は滑稽だったよ。笑いを堪えるのが大変だった。日天玉なんて取り出せるわけないのにね。だってニセモノなんだもの」


 柔らかいものを握りつぶすような音がして、足元に大量の鮮血が飛び散る。カミルは自分よりも一回り以上大きな相手を片手で振り回して、そのまま壁へと叩き付けた。骨が砕けるような音と同時に血走った目が白目をむく。脱力した身体はずるずると落ちて、そのまま完全に動かなくなった。



 * * *



 カミルはどこからか取り出した白い布で手を拭う。こびり付いてなかなか取れない血を鬱陶しそうに睨み、やがて諦めたように小さくため息をついてこちらを向いた。


「しかし物事は思い通りに進まないものだね。ちゃんと聖剣で刺したはずのキミが生きているし、ここでは色んな人に邪魔されるし。クリスやネイキスはともかく、魔人とキミの妹には中々てこずらされたよ……まあ、片腕を破壊してようやく大人しくなってくれたけどね。キミも騙されて帰ってくれれば良かったのに」


「……リアはどこにいる」


「彼女は、僕のモノになったよ」


 鬼の言葉は端的過ぎて、何を言っているのか理解できなかった。

 

 そんな顔をしていたのだろう。カミルはご丁寧にも説明を変えた。


「僕のような鬼が何を食べて生きているか知っているかい? そう、人間だ。彼女のような特別な人間は大好物でね――」


 言葉の途中で理性が保てなくなった。


 気付いた時にはカミルの胸を抉ろうとして――見覚えがある杖に受け止められた。

 

「見かけによらずそそっかしいね。話は最後まで聞くものだよ」


 止めたのは、血に染まったローブを着たリアだった。

 

 一体いつからそこに居たのか。さっぱり解らなかったが、今度は一目見ただけで本物だとわかる。外見も感じる気配も、間違いなくリアだ。


 しかしその瞳にはまるで温度がない。まるで憎むべき敵を目前にしたような冷ややかな視線を俺に注いでいた。


「色々と邪魔が入ったせいで、まだ精神しか掌握していないんだよ。これでもとても苦労したんだよ? お友達を助けられないっていう事実だけじゃ足りなくて、キミが死んだって教えてあげるまで素直になってくれなかったんだから」


 よく解ったかい? とカミルが笑う。

 

「心配しなくてもちゃんと残さず食べるよ。そうそう、歯や骨が欲しければあげるから楽しみに待ってなよ。頭蓋骨には穴が空いているけれどね」


「黙れ」


 落ち着けと何度自分に言い聞かせても身体の震えが止められなかった。身体が熱くなって視界が狭くなっていく。本能のままに歯を剥き出しにして睨みつける。それでもカミルは涼しい顔のままで「どうする?」と聞いてきた。


「アウグストは殺したし、僕の興味はもう彼女だけなんだ。このあたりでお別れしないかい?」


「……あ?」


 全力で敵意をぶつける俺に対し、やれやれと肩を竦めたカミルが歩いてくる。俺の目の前にまで来て、憎らしい顔をグイと近づけてきた。

 

「もう、察しが悪いなあ。キミらに用なんてないから見逃してあげても良いよって言ってるんだよ――」


 ――瞬間、赤銀の刃が煌いた。怒りを抑えて好機を待っていたサキの完全なる奇襲。人外の命を容赦なく刈り取る刃が、無防備な鬼の身体をザックリと切り裂いた。

 

 しかし、直後にリアが杖を振る。ごく短い詠唱と共にカミルの身体が青い光に包まれて即座に傷が完治する。そして刀を振り切ったせいで生じた隙を突いて、カミルはサキの頭に手を伸ばした。

 

「サキ、だったかな? キミも美味(うま)そうだ」

 

 鼻の頭が触れそうなほど顔を寄せて瞳を大きく開く。


「サキ!」


 サキを捕らえている腕を下から切り上げて吹き飛ばす。鬼は腕から血を撒き散らしたまま後ろへと下がると、リアに向かって腕を突き出した。

 

 リアが杖を振る。すると、千切れ飛んだ腕があっという間に再生してしまった。




「ごめん、なの」


 サキはとっさに目と顔を逸らしていたが、僅かに鬼のほうが速かったらしい。苦しそうに片目を閉じて息を荒くしていた。


「謝らなくていい。俺も情けない姿を見せちまったしな。辛いなら後ろに下がっていていいぞ」


「大丈夫、なの。リアっちは、どうしたら元に戻る、なの?」


「普通に考えれば、あの鬼を何とかすれば良い筈だけどな」


 この状況では、いくらカミルにダメージを与えたところで即時にリアが回復させてしまう。誇張なしに必殺であるサキの一撃すら回復するのだ。俺がいくら攻撃を叩きつけても焼け石に水だろう。


 となると、どうしてもカミルを倒す前にリアを正気に戻す必要がある。


「ったく。俺が死んだなんて信じるんじゃねーよ」


 愚痴を言ったところで届かない。冷酷に杖を振ったリアは手当たり次第に氷の礫をぶつけてきた。


 周囲が冬の雪山のように荒れ狂い、視界が白く霞む。サキを庇いながら必死に考えるが、魔眼で操られた状態から解放するなんて、術者を倒す以外の方法を思いつかない。こんな時フェリンがいれば相談できるんだけど――


 (――そりゃアレしかありませんぜ、兄さん)


 出し抜けに声をかけられて心臓が止まるかと思った。


 今まで完全に沈黙していた悪魔の指輪がいきなり俺に囁いてきたのだ。

 

 この忙しいときに声をかけてくるとか、お前少しは空気を読んでくれ。そんな願いを込めて殺気を向けると、笑いをこらえるような声が頭に響いてきた。


 (イヤイヤ、真面目な話ですわ。あのお姫様の目を覚まさせるんですやろ? だったら、すンばらしい効果がある伝統的な手法を知ってまっせ)


「伝統的な手法だって?」


 イヤな予感しかしないが、ほかに手を思いつかないのも確かだ。苦りきった顔をしながらも一応話を聞いてみた。


「却下だ!!」


 (えー、何でですか。話を聞く限り、あの()は兄さんが死んでしまったことに絶望して心を明け渡してしまったんですやろ? だったら兄さんが生きてるってコトを解らせてあげれば良いんです。完璧ですやん)


「イヤ、俺そういうのダメだって。失敗したら目も当てられないというか、成功したとしても一生のトラウマになりかねないというか」


 (だったら、諦めて逃げますか? 兄さん)


 グサリと言われて絶句する。何とか言い返してやりたいのにぐうの音も出ない。合図をしてリアから一気に距離をとった俺は、覚悟を決めてサキに計画を話した。

 

 呆れられるだろうなと覚悟していたのに、アッサリと了解されてしまった。


「レオンがリアっちを相手する間、絶対にアイツを押さえる、なの」


「何だか楽しそうなことになっているわね、お兄様」


 またも突然聞こえてきた新たな声に冷たい汗が流れる。よりによって一番来て欲しくない人物がこのタイミングで顔を出してきた。


「サディアからの言伝は必要ないみたいね。あの子には少し休んでもらっているわ」


 だから代わりに来たの、と簡潔に報告するフェリンの左腕はだらりと垂れ下がって血に塗れている。それでもその瞳は力強く危険な光を孕んでいた。


「む、無理するなって。酷い傷じゃないか、俺に任せて大人しくしてろ」


 妹を思いやる優しい言葉をかけたというのにフェリンは半眼で睨んでくる。そして右手でガッシリと俺の頭を鷲掴むと、しばらくして凄まじい笑みを浮かべた。


「……なるほど? では私もあの生意気な鬼を押さえつけるわ」

 

 ちくしょう。正気に戻ったらリアに気が済むまで文句を言ってやる。

 

 そう固く心に誓って、俺は再び氷弾の嵐へと突っ込んでいった。

 

 

 * * *

 

 

 リアは手当たり次第に杖を振り回して魔術をぶっ放してくる。意識が乗っ取られていようと魔術の冴えは本人そのものでかなり激しい。この中を掻い潜って接近して、まずは動きを止めなければならない。

 

 狙うのは詠唱完了から発動までの僅かな時間。技術が高い魔術師ほど短く、リアにいたっては瞬きするほどの時間もないけれど、何とかするしかない。

 

 近寄るほどに激しくなる氷弾は一定間隔で僅かな切れ目がある。その度にリアの口元が小さく動いて杖を小さく振る。

 

『いくぞ』


「ちゃんと守ってくれよ」


 息を止めて顔を護るように聖剣を掲げ、前傾姿勢のまま前に進む。リアは淡々と氷弾を撒き散らしていたが、俺が動いた途端にはっきりと狙いを定めてきた。

 

 無差別に吹き荒れていた風雪がすべて俺に向かってくる。左右に動きながら辛うじて前に進んでいたが、リアまであと五歩までの場所でいきなり身体が重くなった。

 

 水に濡れていた身体が急速に凍り付いていく。


 こうなるとエク公を使った防御もあまり意味がない。息どころか髪まで既に真っ白くなり、関節が動くたびに割れるような音がする。足が床に張り付いてしまいバランスを崩して倒れそうになる。周囲の気温があまりにも低くて、寒いを通り越して痛みを感じるようになってきた。


 湖のほとりで戦った時とは比べ物にならないくらいに鋭い敵意が刺さる。


 氷弾はさらに激しくなって、あっという間に身体の体温が奪われていく。


 残り四歩。

  

 床に張り付く足を全力で引き剥がしながら、あと三歩から二歩へ。

 

 動きが鈍った俺の頭上に巨大な氷の塊が出現する。背中を襲った衝撃に意識を手放しそうになりながらも進む。残り一歩。


「……う、う……あ」

 

 リアの冷酷な瞳が少し揺らいだ。

 

 僅かに体を震わせている。後ろに下がろうとしている自分の足を必死に止めようとしているのか、細い腕で杖を床に押し付けている。

 

 その状態のままリアは小さく口を動かして、俺を殺すための詠唱を完成させた。

 

 杖に力を込めて、振り下ろそうとしているのがわかる。

 

 今だ。


 残り一歩からゼロへ。


 攻撃に晒されながら何度も確認したタイミングでリアの額に手を伸ばす。軽い衝撃で十分だ。狙ってうまくいけば数秒は無防備な状態になる――

 

「――ッ!」

 

 思うように腕が動かなかったせいで僅かに遅かったらしい。リアの魔術は止まらず、足元が完全に凍り付いて激痛が走った。

 

 体中に霜がこびり付いて動きがさらに鈍くなる。俺とリアを囲むように巨大な氷柱が何本も出現し、さらに気温が劇的に下降して腰の下までが完全に氷漬けになってしまう。


 もう時間がない。こうなったら余計な手順は飛ばしてしまうしかない。


 俺はもう一度手を伸ばしてリアの背中に腕を回した。

 

 腰から胸へと凍ってゆく俺に密着させるようにグイと引き寄せる。白く霞んでいるリアの瞳は焦点があやふやで、何も映していなかった。

 

 ほとんどが凍ってしまった上半身から乾いた音が連続する。全身の皮膚が裂けるような痛みが襲ってくる。それでも動きを止めないで、成功したらとか失敗したらとか、そんな後のことは一切頭の中から締め出した。

 

「んぅ!?」

 

 そして、ひんやりして柔らかな唇を、ちょっとだけ強引に塞いだ。

 

 

 

 完全に固まってしまったまま、数秒が経過した。

 

 周囲に吹き荒ぶ冷気が穏やかになって、痛みがほんの少し和らぐ。近すぎてちょっとぼやけているリアの瞳が動いて、はっきりとこちらを見ているのがわかる。青褪めていた頬に微かな赤みが戻って、いつも見ていたリアの表情(かお)に戻ってゆく。

 

「ん……ぅ」


 静かに顔を離すと、リアは俺の顔を見たまま固まっていた。吹雪はすっかり止んで身体にこびり付いていた氷も溶けかけているのに、少しも動かないで呆然としていた。


 「あ、」や「え、」という言葉になっていない声を出して目をパチクリさせている。やがて何かを必死に考えている様子を見せたリアは、ようやく結論が出たのかちゃんとした言葉を喋った。


「ひょっとして、レオンさんのおばけですか?」


「勝手に殺すな」


 俺がいま酷い顔になってるのは、全部お前のせいだからな。


「ひょっとして、いまのって、夢じゃないんですか?」


「"いまの"ってのが何を指してるのか知らんが、お前が暴れていたのは全部現実だ」


 ものすごく痛かったからな。


「じゃ、じゃあですね、その後もですか?」


 最後の質問に無言で頷いたら、リアの顔が見たこともないくらい真っ赤になった。これだけ肌の血色が良いんだから健康状態は良好だろう。たぶん。


 激痛を感じるほどだった気温が元に戻り、俺たちを閉じ込めていた氷柱が崩れていく。身体にこびり付いていた氷も全部きれいに溶けて、硬直していた身体に血が巡ってゆく。ちょっと身体がむず痒くなった。


「っ、」


 気が抜けたのか、足元が怪しくなってしまう。似合わない無理をしすぎたせいだ。

 

 リアは赤かった顔を青くして、慌てて俺の腕を支えると小さく口を動かした。周囲に心地よい光が溢れて痛みが消えていく。


「その、えと、どうやっておわびすれば良いか解らないんですけれど、」


「今はそんなのどうでもいい。まずはアイツに思いっ切りお礼(・・)をしてくる」


 リアの言葉を遮って、笑みが消えている鬼を見る。サキとフェリンを相手にしてまだ生きているのは大したものだが、それもここまでだ。


 アイツを痛い目に遭わせないと気がすまない。


 リアに聖剣を返すと、俺はゆっくりと鬼に向かって歩いていった。

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