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転生令嬢の天穹革命歌  作者: 蜂屋漣
第1章天才少女、悪役転生する
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第9話

「なに、言ってるの?」


優希は「言葉の通りだよ」といって、車から降りた。


「ちょっとまって、あなたは私に教わらなくても十分上手いじゃない!」


車から慌てておりて優希にそう言うと、優希は後ろを向かず立ち止まった。


「あんた、俺の演奏聞いたことないだろ。」


「たまに部屋からでも聞こえてくるよ。」


「それだけじゃダメなんだ。あんたに、ちゃんと俺の演奏を聴いて欲しい。それでハッキリどうだったか教えてほしいんだ。」


そう言う優希の顔はとても苦しそうだった。きっと私にお願いするなんて屈辱的だろうけど、それでも我慢して頼んできたのだとしたら、答えないわけにはいかない。


最近の優希は、少し小さく見えていた。前世の記憶が戻って最初にあった時の優希は、もっと自分に自信をもっている感じが見えた。

反対に今の優希は私と目を合わせてくれず、下を向くことが増えた。それらの原因が私にあるのだとしたら、償いをしなければならない。


「分かったよ。いつがいい?」


「じゃあ、今から5時になったらいつもの部屋にきて。」


それから私たちは、無言で家の中に入り一旦別れた。


部屋に入って、勢い良くベッドにダイブした。思っていたよりも疲れが溜まっていたのか、ベッドから起き上がる気力がなかった。


今日の事を振り返ってみる。

今日私があった3人は間違いなく攻略対象だ。まだ幼い感じだけれど彼らのルートは全てやったから分かる。

最初に私に話しかけたチャラ男さんの名前は秋蔵 杏(あきくら きょう)

チャラさは見た目に留まらず、口が軽く女性に愛想を振りまくのが上手い。ヒロインには最初こそ嫌われるが、すれ違いながら恋に落ちていく設定だ。ヒロインのような真面目で一生懸命な女の子が好きで、逆に言えば紫苑のようなわがままタイプは大の苦手だ。今日あった時も、嫌々オーラが滲み出ていた。

彼は音楽科に進学し、保有する楽器はチェロ。毎日学校を早く出ては彼女と会っているという噂の裏では、とある音楽楽団に入って様々な場所で演奏をしている。彼の自由な演奏は以外と私も気に入っていたのを覚えている。


生徒会室の一番奥の社長机に座っているのが桜小路 (かなめ)。名高い桜小路財閥の御曹司である。そして何より、この私雪織紫苑の元婚約者だった者である。本当ならゲームではもっと後に破棄されるはずが、既に破棄されていたのは流石に驚いた。


彼も鴻崎学園の音楽家に進学することになっている。桜小路家は日本舞踊の名家で彼には2人の兄がいて、どちらとも立派に後を継いでいる。けれど彼は周りの反対を押し切ってバイオリンへの道へ走った。

ゲームでは、裏で演奏してくれたのが確か村瀬さんという一流のバイオリン二ストが担当していた。彼が担当するということは、現実でも相当の力量なのだろう。村瀬さんは名だたる演奏家たちから一目置かれてる存在だ。彼に弾いてもらうためにどれだけ苦労したか...。主に前田ちゃんが。


桜小路要はメイン攻略対象で、キャラクターランキングでは万年1位のキャラだ。表では優等生の裏側ではドSという王様キャラだ。


そして3人目の、私に敵意剥き出しだった眼鏡の名前は九条 柊也(しゅうや)。同じく攻略対象で、紫苑のことは誰よりも毛嫌いしている。桜小路要とは幼馴染でよく一緒にいる。

彼だけは他の人と学科が違っていて、普通科の在籍する事になっていた。普通科と言っても普通科にもまた特進コースと総合コースに別れていて、彼は特進コースとなっている。とにかく勉強が出来る真面目キャラで、両親どちらとも医者というエリートさんである。周りからは医者になるものだと期待されているが、本人は将来調律師になりたがっている。その為、彼は人知れず調律師に弟子入りして、調律の腕を磨いている。


「君と奏でるラプソディー」の乙女ゲームでの攻略対象はこの3名と弟の優希、兄の司と紫苑の幼馴染で一つ歳上の冬月 楓の6人となる。


そして欠かせないヒロインの名前は園川 心音。音楽科のピアノ奏者である。

勉強も優秀で入試の総合成績も良く、桜小路要に次ぐ次席である。彼女はピアノを幼少期に習っていたのだが、とある事がきっかけで辞めてしまう。けれど中学校に入って始めたことで彼女の才能が開花することになる。

また、彼女の健気で真っ直ぐなところに惹かれて攻略対象たちは恋に落ちていくのだ。

私こと紫苑は桜小路要ルートの悪役であり、色々とヒロインにはちょっかいを出してくる。流石の私も紫苑にはイライラしまくりだった。要するに邪魔であったのだ。そんな厄介な悪役がシナリオから退室したのだから、ヒロインは自由恋愛できるはずだ。もし退学など使用ものなら、私のこれからの幸せ人生設計が全て消え去る。それだけは何としても死守したい。

とにかく、私は彼らの恋愛を邪魔しなければいいのだ。なるべく関わらないようにしよう。


(そういえば、なんで練習を見て欲しいなんていきなり言ってきたんだろう?優希はプライドだけは一流だから、私なんかに頼むなんて有り得ないはずなんだけど。)


ふと、優希のことが頭に思い浮かんだ。時計を見ればもう少しで5時になろうとしていた。

私は優希のいるであろう部屋に向かうことにした。


遅くなってすいません!

今回は連続で更新することを目標に頑張っていました!

ぜひ次回作もお楽しみください

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