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あたしも聖女をしております  作者: 斉藤加奈子
第一章

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48/231

48.新商品の開発①

誤字脱字報告ありがとうございます!感謝です!

 ターメリック・・・それはウコンの事。ウコンを使ってポーションを作ると・・・。


 そう!前世でお父さんが、忘年会シーズンになると毎晩気合いを入れて飲み干していたあれ。二日酔いに効くあのドリンクだ!!


この世界には二日酔いに効くポーションはない。ないなら作るしかない。


 二日酔いの民間療法で貝のスープを飲むという方法があるらしいけど、二日酔いだからと朝から貝のスープが用意できるのは上流階級だけ。


平民でも気軽に服用できる二日酔いポーションを作ればきっと喜ばれる。


 この前のエステルスーン騎士団との宴会で、ちょっとだけ白の葡萄酒を飲み過ぎてしまった。


その時は少し気持ち悪い程度の二日酔いで済んだけど、御身代失格だ。エリーも翌日頭が痛いとか言っていたし。もう二度と飲み過ぎないようにしようとは思ってるけど、今後を考えて、わたしとエリーにとっても二日酔いポーションがあった方がいい。


「やあ、お待たせ。」


 王城内にあるポーション工房で二日酔いについてのあれこれを考えていると、薬草を詰め込んだ木箱を抱えたリカルド様がやって来た。


「ご機嫌よう、リカルド様。」


「これ、妖精付きの薬草の選別、宜しく。」


「はい!お任せください。」


わたしは木箱を受け取ると、中から妖精がぷらーんとくっ付いた薬草と、そうでない普通の薬草をぽいぽいっと仕分けしていく。


「それと、はいこれ。ターメリック。」


リカルド様は、スラックスのポケットからターメリックを二つ取り出すと、テーブルの上にコロンと置いた。


「ありがとうございます!」


「ターメリックは南方の国から仕入れている希少な素材でね。これしか持って来られなかったんだ。足りるかい?」


「しばらくは、これだけで大丈夫です。入荷したらまたいただけますか。」


「了解。」


わたしは受け取ったターメリックをハンカチーフに包むと、再度薬草の選別をしていった。


 この夜は薬草の選別をしながら、リカルド様と商会の運営状況を聞いたり、わたしとエリーのエステルスーン領での出来事を話したりして過ごした。


 二日酔いポーションの開発は、明日から開始することにした。






 

 二日酔いポーションの開発は、王宮専属薬師の方々が帰った後の夜間、誰もいなくなったポーション工房で行う。


 リカルド様からいただいたターメリックを、薄くスライスして乾燥させ、すりこぎで粉末状にして保存する。


 粉末状にしたターメリックを基本として、他に調合する薬草を選び、配合の微調整を繰り返す方法で完成を目指す。


 前世のお父さんは、二日酔いになると口臭も体臭もお酒臭くて、毒ガスのように臭いをまき散らしていた。そして「昨日の酒が残ってんなー」とよく唸ってた。


そんなことを思い出しながら、毒消しの作用のある薬草を幾つか用意する。


そして飲み過ぎは肝臓が疲労してるから、疲労回復用の薬草も用意する。


毒消しの薬草と疲労回復の薬草とターメリックの粉末を調合し、ちょうどいい組み合わせや配分を追求していく。


組み合わせによっては、どろどろとした茶色の気持ち悪い液体になったり、ターメリックの成分が沈殿してしまったりした。



 そんな失敗と試行錯誤を繰り返して、約一週間が経過した頃だった。


ようやくターメリックが他の薬草と調和して、色は茶色で不味そうだけど軽い毒消し効果と、軽い疲労回復の効果のあるポーションが出来上がった。


「で、できた・・・。」


試作品のため、二日酔いポーションは五本しかできなかった。見る限りでは、ちゃんと二日酔いに適した効能があるように見える。なぜ効能があるように見えるのかは分からないけど、でもそう見える気がするからしょうがない。


 試作品の二日酔いポーションは検証して貰う必要があるため、わたしはリカルド様宛に手紙を添えて送ることにした。


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